日本人って働き過ぎでしょ。どうすれば長時間労働をなくせるのか|データから見る長時間労働とその弊害

日本人の長時間労働の問題点ワークスタイル

長時間労働大国日本

「過労死」、「サービス残業」、「ブラック企業」・・・日本の長時間労働の問題には根深いものを感じます。

大企業を中心に一部の企業では長時間労働を無くす取り組みがなされていますが、まだまだその成果が出ていると言えない状況です。

長時間労働を「やる気がある」として評価する企業もまだまだあります。

長時間労働を無くして、もっとプライベートを充実できる働き方は出来ないのでしょうか?

各国の比較

日本の平均年間労働時間は、2013年のデータによると1,735時間となっています。

その他の先進国では、イタリア1,752時間、アメリカ1,788時間、イギリス1,669時間、スウェーデン1,607時間、フランス1,489時間、ドイツ1,388時間となっています。

この事から、労働時間ではアメリカと同程度ですが、ヨーロッパの先進国と比べると200〜300時間も長い事がわかります。

ここで、週49時間以上の長時間労働者の割合を見ると日本が一番多い事がわかります。

実に全体で21.6%(男: 30.5%,、女: 9.8%)という結果になっていて、2位のアメリカに5%以上の差をつけてトップとなっています。

これらのデータから、日本は長時間労働が多く、特に男性にその傾向が強い事が見て取れます。

長時間労働の弊害

長時間労働がもたらす弊害は多岐に渡ります。

まず健康面から見てみたいと思います。

最近、ロンドン大学などの研究チームによって、長時間労働は脳卒中と心臓病の発症リスクを向上させることが示されました。

この研究によると、週49時間以上の長時間労働で脳卒中の発症リスクが27%以上高くなると示されているので、日本人の労働者のなんと約8割に健康面へのリスクを高めていることになります。

また、長時間労働はうつ病などの精神的な病の発症リスクも向上させることがわかっています。

このような健康面だけでなく、経済的にも大きな弊害があると言えます。

OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、日本の労働生産性は先進国と比べて低い傾向にあることが分かっています。

特に男性の長時間労働者の割合が多く、残業が日常化している現状となっています。

これでは男性が子育てに参加することも難しいのではないでしょうか。

また、女性が働きに出たくても長時間労働を前提とした男性社会では、子育てと両立することも大変です。

このような状況ではますます少子化へ繋がり、女性が活躍する障害になっている事は明らかです。

長時間労働を無くすためにどうしたらよいか

長時間労働を無くすためにはどうしたら良いのでしょうか?

残業せずに定時になったら帰るようにするのも一つの手かもしれません。

しかし、いくら効率を良くして定時で終わるようにしても、次から次に仕事を任され、結局残業をしないと終わらないと言ったことも聞かれます。

管理職も含めて組織的に是正しないと、労働者個人が是正するには限界があると言えるのではないでしょうか。

長時間労働を無くすためには行政と企業が本気になって取り組んでいく必要があると思います。

日本に比べ300時間以上も労働時間の短いドイツは、日本より生産性も高く経済も強い状況です。

行政が法律で長時間労働を厳しく規制し、企業も生産性を上げる努力をして結果を出している良い例であると言えます。

ドイツで可能なのであれば、日本にも出来るはずです。

もっとワークライフバランスが取れて豊かな生活が送れる日本になればいいなと思っています。

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