【要約】 通信ネットワークを介して通信可能である複数の端末装置及びサーバ装置を含み、装置間で情報を流通させる情報流通方法であって、前記サーバ装置は、前記複数の端末装置の内の1つの端末装置を介して発信されたコンテンツの有用度に基づく評価値を算出し、算出された評価値に基づき、前記複数の端末装置夫々の利用者識別情報間で交換される価値交換媒体の数量を決定し、決定された数量に応じた価値交換媒体を前記1つの端末装置の利用者識別情報に対応付けて発行する。
特許出願公開-拒絶査定
出願番号JP2018544276A
出願日2018-08-14
公開番号JPWO2019035459
公開日2019-11-14
被引用件数 (JP・US) 0
引用件数 11
早期審査 (JP) 2
出願人MAXELE
発明者渡邊 和豊
代理人/特許事務所TMI総合法律事務所
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】本発明は、情報流通方法、情報流通サーバ装置、端末装置、及びコンピュータプログラムに関する。【背景技術】
【0002】実社会での活動のみならず、情報通信技術を基礎とした通信社会における情報発信を含む活動も膨大な経済的価値を生む。ユーザは一定の通信費用の支払いと個人情報の提供とによって基本的に無料でインターネットを介した膨大な量の情報の入手が可能である。膨大な情報の中から、ユーザにとって本当に価値ある情報を取り出すことは困難である。また、評価に値する情報を発信するユーザが存在している場合であっても、そのユーザを正当に評価できていない。【0003】各種SNS(Social Networking Service)では、コンテンツと共に表示出力される広告宣伝の宣伝費用を、コンテンツの閲覧回数等の数量に応じてコンテンツ提供者に還元してコンテンツ発信を促進させている。コンテンツ発信を促進させることで、発信時に付帯的に表示出力させる広告宣伝によって商品・サービスの認知度向上が図られる。【0004】非特許文献1には、情報提供サイトの利用促進のための取り組みとして、情報提供サイトのサービスアカウントを持つ一のユーザが商品又はサービスを紹介するコンテンツを発信し、そのコンテンツを介して他のユーザからその商品又はサービスを取り扱う電子商取引サイトの閲覧又は取引があった場合に、一のユーザへ一部をポイントとして還元するアフィリエイトサービスが開示されている。【先行技術文献】
【0005】【非特許文献1】
貯まる!使える!交換できる!「楽天スーパーポイント」[平成29年7月10日検索]、インターネット<http://event.rakuten.co.jp/beginner/valuable/?l-id=guide_top_hwt1>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】しかしながら、このようなポイントサービスでは、結局、関連の電子商取引サイトの使用を促すためのポイント還元である。またポイントは法定通貨で価値が特定される物品又はサービスへの交換が前提である。したがってこのようなポイントサービスでは、SNSで商品又はサービスの紹介のコンテンツの発信が促進される程度で、結局電子商取引サイトの利用促進が図られるに留まる。【0007】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、発信されるコンテンツの評価に基づき価値を生み出す情報交換マーケットを実現する情報流通方法、情報流通サーバ装置、端末装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】
【0008】本開示の情報流通方法は、通信ネットワークを介して通信可能である複数の端末装置及びサーバ装置を含み、装置間で情報を流通させる情報流通方法であって、前記サーバ装置は、前記複数の端末装置の内の1つの端末装置を介して発信されたコンテンツの有用度に基づく評価値を算出し、算出された評価値に基づき、前記複数の端末装置夫々の利用者識別情報間で交換される価値交換媒体の数量を決定し、決定された数量に応じた価値交換媒体を前記1つの端末装置の利用者識別情報に対応付けて発行する。【0009】本開示の情報流通方法は、通信ネットワークを介して第1ユーザにより発信されたコンテンツに対する評価に応じた額の価値交換媒体を、前記第1ユーザに発行し、前記第1ユーザに発行された価値交換媒体の一部又は全部を第2ユーザへ移転し、前記通信ネットワークを介した前記第2ユーザの有利的情報の発信に伴い、前記第2ユーザに移転された価値交換媒体の内から、前記有利的情報の発信に応じた額の価値交換媒体の価値を消滅させ、前記第1ユーザへの価値交換媒体の発行、並びに、発行された価値交換媒体の移転及び消滅を含む取引情報を記憶する処理をコンピュータに実行させる。【0010】本開示の情報流通サーバ装置は、通信ネットワークを介して複数の端末装置と通信するサーバ装置であって、前記複数の端末装置の内の第1の端末装置を介して発信されたコンテンツの有用度に基づく評価値を算出する算出部と、算出された評価値に基づき、前記複数の端末装置夫々の利用者識別情報間で交換される価値交換媒体の数量を決定する決定部と、決定された数量に応じた価値交換媒体を前記第1の端末装置の利用者識別情報に対応付けて発行する発行部とを備える。【0011】本開示の端末装置は、通信ネットワークを介して情報流通サーバ装置と通信する端末装置であって、利用者識別情報に対応付けて一又は複数のコンテンツを発信する発信部と、前記利用者識別情報に対応付けて発信された前記一又は複数のコンテンツの有用度に基づく評価値に基づき前記情報流通サーバ装置により発行される価値交換媒体の数量を示す情報を前記情報流通サーバ装置より受信する受信部と、前記利用者識別情報に対応付けられている価値交換媒体の数量を表示する表示部とを備える。【0012】本開示のコンピュータプログラムは、通信部を備えるコンピュータに、前記通信部によって通信接続される複数の端末装置の内の第1の端末装置を介して発信されたコンテンツの有用度に基づく評価値を算出し、算出された評価値に基づき、前記複数の端末装置夫々の利用者識別情報間で交換される価値交換媒体の数量を決定し、決定された数量に応じた価値交換媒体を前記第1の端末装置の利用者識別情報に対応付けて発行する処理を実行させる。【0013】本開示のコンピュータプログラムは、通信部、表示部及び記憶部を備えるコンピュータに、前記通信部にて前記記憶部に記憶してある利用者識別情報に対応付けて一又は複数のコンテンツを発信し、前記記憶部に記憶してある利用者識別情報に対応付けて発信された前記一又は複数のコンテンツの有用度に基づく評価値に基づき発行される価値交換媒体の数量を示す情報を前記通信部によって受信し、前記記憶部に記憶してある利用者識別情報に対応付けられている価値交換媒体の数量を前記表示部に表示する処理を実行させる。【発明の効果】
【0014】本発明によれば、発信されるコンテンツの評価に基づき価値を生み出す情報交換マーケットを実現する情報流通方法、情報流通サーバ装置、端末装置、及びコンピュータプログラムを提供することが可能になる。例えば、本発明によれば、情報流通効率を高めることで流通する情報の価値を高め、情報流通を促進させ価値ある情報交換マーケットを築くことが可能になる。また、例えば、本発明によれば、ユーザは情報交換マーケットで高効率に自身に有益な情報を取得し、また自身が発信するコンテンツによって適切な収益を得ることが可能になる。更に、収益はまた情報交換マーケット内での情報発信及び情報取得に使用するなどして循環され、情報交換マーケットの情報流通を活発化してマーケット自体の価値を向上させることが可能になる。【図面の簡単な説明】
【0015】第一実施形態における情報流通システムの概要を示す図である。 情報流通サーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 情報流通システムに含まれる装置の構成を示すブロック図である。 出納記録を示すシステム内通貨管理テーブルの一例を示す概念図である。 制御部による管理部としての処理手順の一例を示すフローチャートである。 評価値算出手順の一例を示すフローチャートである。 端末装置におけるシステム内通貨の管理の手順の一例を示すフローチャートである。 端末装置に表示される画面例を示す図である。 情報流通サーバ装置におけるシステム内通貨の移転処理の手順の一例を示すフローチャートである。 情報流通サーバ装置における利用行為の受け付け処理の一例を示すフローチャートである。 有償コンテンツの価格設定を受付ける処理の一例を示すフローチャートである。 システム内通貨の供給・流通・消滅の流れを示す図である。 システム内通貨の新規供給量の基準の概要を示す図である。 主体群に応じて評価値を補正する手法の一例を示すフローチャートである。 価値連動部によって実行されるシステム内通貨の交換手順の一例を示すフローチャートである。 物価とシステム内通貨の新規供給量及び流通量、システム内通貨の単価の関係の一例を示す図である。 第三実施形態に係るポイント管理システムによるサービスの概要について説明するための図である。 ポイント管理システムの構成を示す図である。 ポイント管理サーバの構成を示す図である。 管理部が実行する機能を示す機能ブロック図である。 情報提供サイトに情報利用端末がアクセスした際に情報利用端末に表示される画面の例を示す図である。 情報利用者が情報提供者を検索・探索等するための画面の例を示す図である。 管理部により実行されるポイント付与処理について説明するための表である。 管理部により実行されるポイント付与処理について説明するための表である。 情報提供端末、情報利用端末及びポイント管理サーバの間での処理シーケンスを示す図である。 第四実施形態に係るポイント管理システムの全体構成を示すブロック図である。 管理サーバの構成を示す回路ブロック図である。 管理サーバの機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。 利用者情報表T3の説明図である。 評価履歴T5の説明図である。 ポイント得失履歴T7の説明図である。 預入金履歴T8の説明図である。 ポイントの減算の過程の説明図である。 本発明を適用した管理システムによって提供することができる情報提供サイトの一覧表である。 第五実施形態に係るヴァーチャルカレンシー供給システムの一例を示す模式図である。【発明を実施するための形態】
【0016】本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。【0017】<第一実施形態>
図1は、情報流通システム600の概要を示す図である。情報流通システム600は、情報流通システム600を実現する情報流通サーバ装置6と、ユーザが使用する複数の端末装置7とを含む。【0018】情報流通サーバ装置6は、コンテンツ発信を可能とし、発信されたコンテンツに基づき発行される後述のシステム内通貨Lの授受、及び該システム内通貨Lの利用を可能とする情報交換マーケットのプラットフォームを提供する。情報流通サーバ装置6は、情報交換マーケットのシステム管理者によって管理される。情報交換マーケットのプラットフォームはWebベースのシステムであり、端末装置7からのWebブラウザによるアクセスによってマーケットへの参加が実現される。端末装置7による情報交換マーケットの利用は、基本的にアカウント登録を必要とする。情報交換マーケットにて発信されるコンテンツは、アカウント登録をしていない不特定多数の情報端末装置から一部又は全部が視聴又は閲覧可能に公開されてもよい。情報交換マーケットはWeb(WWW:World Wide Web)に基づく公開のみならず、新たな通信プロトコルに基づくものであってもよいし、メタバース等の特定の仮想空間上での公開であってもよい。【0019】端末装置7は、ユーザが使用するコンピュータ装置であり、一例ではPC(Personal Computer)である。端末装置7は他の例では、スマートフォン、携帯電話機、又はタブレット端末装置であってもよい。端末装置7は、少なくともWebブラウザを含むアプリケーションプログラムを実行することが可能であり、表示部、操作部及び通信部を備える装置であれば、任意のコンピュータ装置でよい。この意味で例えば端末装置7は、テレビジョン受信機、車載ナビゲーション装置、据え置き型ゲーム機、又はロボット等であってもよい。【0020】端末装置7は、特定のアプリプログラム7P(図3参照)を実行することにより、汎用的なコンピュータを情報流通システム600における端末として機能させる。端末装置7は特定のアプリプログラム7Pに限らず、汎用的なWebブラウザプログラムによって情報流通サーバ装置6が提供するサービスログイン画面からログインすることによって、情報流通システム600における端末として機能することもできる。【0021】端末装置7のユーザは、例えば「アソシエイツ」、「事業者」、「個人」の3種に区分されたアカウントの内の少なくともいずれか1つを有する。アカウントの区分によって、情報交換マーケットで受けられるサービスが異なる。【0022】図1中のユーザAは、「アソシエイツ」の区分のアカウントを持つ。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAは、情報交換マーケットに有償又は無償のコンテンツを発信する権限を有する。ここで、有償のコンテンツは、「事業者」又は「個人」に区分されるユーザが対価(システム内通貨L)を支払うことによって取得することできるコンテンツである。一方、無償のコンテンツは、全てのユーザにとって、対価を支払うことなく取得することができるコンテンツである。無償コンテンツは、例えば、大衆に記事等のコンテンツを配信して、その他のユーザに対して価値を提供する(価値を移転させる)こと及びその他のユーザからの評価を受けることでシステム内通貨Lを獲得する目的で「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAにより発信される。また、無償コンテンツは、有償コンテンツの購買意欲を向上させ、購買希望者を増やす目的においても「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAにより発信される。なお、「アソシエイツ」のアカウントは、「事業者」又は「個人」のアカウントを有するユーザがシステム管理者等に申請し、システム管理者等によって許諾された場合に付与されるアカウントである。すなわち、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザは、少なくとも「事業者」又は「個人」のアカウントを併せ持ち、獲得したシステム内通貨Lを、後述するように自身の「事業者」又は「個人」のアカウントに移転させ、「事業者」又は「個人」のアカウントにより、後述する第1の消費活動や第2の消費活動を行うことでシステム内通貨Lを自身の活動により消費することが可能である。【0023】図1中のユーザBは、「事業者」のアカウントを持ち、ユーザAにより発信された有償又は無償のコンテンツを、端末装置7によって利用できる。ここでの利用は、コンテンツの閲覧、視聴、端末装置7へのダウンロード等種々の形態が可能である。「事業者」のアカウントを持つユーザBは、情報交換マーケットにおいて、無償コンテンツの利用権限だけでなく、システム内通貨Lを用いた有償コンテンツの利用権限が与えられてもよい。「事業者」のアカウントには、後述する第1の消費活動によりその他のユーザよりも有利に情報交換マーケットを利用する権限が与えられてもよい。「事業者」のアカウントを持つユーザBは、情報交換マーケットにおいてコンテンツと見なされない情報(後述するように従として取り扱われる情報)についての発信(システム利用行為)の権限が無償又はシステム内通貨Lを用いた有償(後述する第1の消費活動)で与えられてもよい。【0024】図1中のユーザCは、「個人」のアカウントを持ち、ユーザAにより発信された有償又は無償のコンテンツを、端末装置7によって利用できる。「個人」のアカウントを持つユーザCは、情報交換マーケットにおいて、無償コンテンツの利用権限だけでなく、システム内通貨Lを用いた有償コンテンツの利用権限が与えられてもよい。「個人」のアカウントには、後述する第1の消費活動によりその他のユーザよりも有利に情報交換マーケットを利用する権限が与えられてもよい。「個人」のアカウントを持つユーザCは、ユーザBと同様に、情報交換マーケットにおいてコンテンツと見なされない情報についての発信の権限が無償又はシステム内通貨Lを用いた有償(後述する第1の消費活動)で与えられてもよい。【0025】「事業者」のアカウントと「個人」のアカウントとは、アカウント発行時に登録される属性が「事業者」であるか「個人」であるかで区別されるのみであって、実質的に同一の利用権限が与えられてもよい。一方、情報交換マーケットの種類によっては、両者を明確に区別していることが好ましい場合があり、「事業者」のアカウントと「個人」のアカウントとの間で異なる利用権限が与えられてもよい。例えば、主として広告宣伝(後述する第1の消費活動の1つ、表現を変えると、事業活動的情報発信)を行う者に対して、「事業者」のアカウントを設定し、コンテンツと見なされない情報についての発信の権限を与え、それ以外の利用権限を制限してもよい。また、主として有償コンテンツの利用(後述する第2の消費活動)を希望する者に対して、「個人」のアカウントを設定し、システム内通貨Lを用いた有償コンテンツの利用権限を与え、それ以外の利用権限を制限してもよい。また、全てのアカウントは、情報交換マーケット以外の仮想社会又は実社会における資産によって、システム内通貨Lを購入する権限を有していることとしてもよい。また、「アソシエイツ」から発信される無償コンテンツを利用するだけのユーザは、必ずしも「個人」のアカウントを取得する必要はなく、アカウントを所持せずに無償コンテンツを利用するユーザが存在していてもよい。そして、アカウントを所持しないユーザ又はログイン認証を行わないユーザが無償コンテンツを取得する場合においても、情報流通サーバ装置6は、後述する「アソシエイツ」のアカウントへの評価値の算出の基礎となる評価を行うこととしてもよい。【0026】第一実施形態における情報流通システム600では、情報流通サーバ装置6によって提供されるプラットフォームにより、ユーザAは、端末装置7を介して情報交換マーケットへコンテンツを発信することが可能である。ユーザAによって発信されたコンテンツは、Web等の情報交換マーケットが形成される仮想空間にて他のユーザB、ユーザCが使用する端末装置7から利用可能である。具体的には例えば、発信されたコンテンツは、特定のWebサイト内にコンテンツを取得するためのリンクとして選択可能に含まれる。コンテンツを提供するWebサイトは、例えば、情報交換マーケットのポータルサイトであってもよく、このマーケットが形成された仮想空間であるWebサイト内に設けられた発信者のユーザのアカウントページ等の領域(ユーザAの空間)であってもよい。この意味で情報交換マーケットはコンテンツ配信システムとして機能させることもできる。また情報交換マーケットは、ユーザがアカウントを持つ場合に端末装置7を用いてコンテンツに対するコメント登録、ユーザ評価(like/dislike)等が可能なSNSとして機能させてもよい。【0027】ここで「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAから発信されるコンテンツとは例えば以下のようなものであり、情報交換マーケットにて主として取り扱われる情報である。ただし、以下の4つに限られず、「データに変換できる著作物全て」であってもよい。他のユーザから価値が見いだされるものであれば、これに限らない。なお、「アソシエイツ」から発信されるコンテンツは、無償、一部有償、または、全部有償であってもよい。コンテンツの有償又は無償の区別、及び有償とする場合の対価の量については、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAによって任意に設定されるようにすればよい。【0028】(1)「言語データ等」
ジャーナリスト、コラムニスト、エッセイスト、又は評論家等による不特定多数(情報取得可能なユーザ属性を限定しない発信方法。以下同じ)又は特定の対象(情報取得可能なユーザ属性を限定する発信方法。以下同じ)向けのテキストベースの著作物。従来のニュース、ブログ記事、メールマガジン等を含む。【0029】(2)「動画データ等」
ニュース、ドキュメンタリー、ドラマ、エンターテイメント、又は論評等、不特定多数又は特定の対象向けの動画データ等の著作物。従来のコンテンツ配信システムにて配信された一般ユーザが作成した動画データも含まれる。【0030】(3)「作品データ等」
論文、小説、脚本、漫画、映画、書、写真、グラビア、音楽、振り付け、設計図、ソフトウェア、コンピュータプログラム、又はこれらの二次的著作物、若しくは編集著作物を含む、不特定多数又は特定の対象向けの作品データ。従来のコンテンツ配信事業者によって配信された作品データも含まれる。【0031】(4)「有益情報データ等」
専門家によって発信される有益情報データ。弁護士等の士業者、キャリアコンサルタント等の転職エージェント、経営コンサルタント等のコンサルティング事業者等の専門事業者が提供する、不特定多数又は特定の対象向けの専門的な有益情報データ。従来の専門家による質疑応答システムにて提供された有益情報も含まれる。【0032】これに対し、「事業者」のアカウントを持つユーザB又は「個人」のアカウントを持つユーザCから発信される情報とは例えば以下のようなものであり、情報交換マーケットにて従として取り扱われる情報である。以下の3つに限られず、「データに変換できる情報」であれば適宜追加してもよい。【0033】(1)「事業者情報」
会社概要、事業内容、経営業況、採用情報、案内情報、プレスリリース、又はIR(Investor Relations)等の不特定多数又は特定の対象向けの情報であって、上述した著作物又は有益情報に該当しない事実に基づく情報。地方自治体、社団法人、又はNPO法人等の事業者の情報を含む。【0034】(2)「プロフィール情報」
「個人」のアカウントに対応する「事業者情報」に相当する。活動圏情報、活動時間情報、能力情報、適性情報、又は案内情報等の個人により発信される個人のプロフィール情報を含む。ここでプロフィール情報は、個人を特定できる個人情報に限らず、事業者又は個人からのオファーの獲得を目的とした仕事、社会貢献的活動(ボランティア活動)、趣味等についてアピールする情報を含む。【0035】(3)「広告」
事業者及び個人により、不特定多数又は特定の対象向けに発信される広告情報である。広告の対象は、発信者が任意に設定することができ、例えば発信者の収益に繋がるような情報を含む。例えば、訴求対象が個人の場合、地域(国家でもよい)、性別、世代、使用言語、職業種別、最終学歴、及び所得水準などの情報が、属性として任意に、又は前提として設定されてもよい。また、訴求対象のユーザがログインする端末装置7が情報流通サーバ装置6と通信している時間帯、地域、その地域における天候等の情報を端末装置7から取得して設定情報に含めても良い。また、上述のように、情報交換マーケットの種類によっては、「事業者」のアカウントを有するユーザBのみが広告情報を発信できるように権限を設定してもよい。【0036】第一実施形態における情報流通システム600では、ユーザB又はユーザCが、ユーザAによって発信された無償のコンテンツを利用すると、情報流通サーバ装置6によって利用された無償コンテンツ自体及び利用された無償コンテンツの発信者であるユーザAが評価される。情報流通サーバ装置6は、前記評価に基づいてシステム内通貨Lを、コンテンツ発信者であるユーザAのアカウントに対して発行する。【0037】システム内通貨Lは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザA以外が、他のユーザよりも有利に情報交換マーケットを利用する行為(第1の消費活動)を行うことによって消費される。第1の消費活動は、自身に有利なように有利的情報(上述する従として取り扱われる情報)を発信する行為、自身に有利なように欲する情報を取得する行為、不要な情報をブロックする行為、所望のコンテンツをより有利に利用する行為等を含む。ここで、有利的情報には、広告宣伝情報、IR、会社情報等が含まれる。また、所望のコンテンツをより有利に利用する行為とは、例えば、他のユーザよりも先行してコンテンツにアクセスする行為、排他的にコンテンツを利用する行為等を含む。更に、第1の消費活動は、情報交換マーケットを利用してアンケートを行う行為、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザへの公開質問、発信する情報量の拡大、事業者によるプレスリリースの発行等を含んでもよい。第1の消費活動によって消費されたシステム内通貨Lは、情報交換マーケットから消滅する。システム内通貨Lは、情報交換マーケットから消滅する点で、法定通貨や仮想通貨、暗号通貨又は暗号資産と呼ばれる電子的通貨とは異なる。なお、システム内通貨Lは、各アカウントを持つユーザが取得してからの経過期間によっても消滅する。【0038】システム内通貨Lは、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザB又はユーザCを主体とする利用行為によって消費されるが、システム内通貨Lは「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAに対してのみ発行される。ユーザAは、システム内通貨Lを消費するためには、自らの「事業者」又は「個人」のアカウントの側面にて情報交換マーケットを利用しなければ消費はできない。ユーザB及びユーザCは、ユーザAからシステム内通貨Lを獲得しなければ、上述の利用行為(第1の消費活動)を不可能としている。そこでシステム内通貨Lは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAから「事業者」のアカウントを持つユーザB又は「個人」のアカウントを持つユーザCへの移転を可能とする。ユーザB及びユーザCは、ユーザAから獲得したシステム内通貨Lを消費して、上述の第1消費活動のほかに、ユーザAから発信される有償コンテンツを取得することができる。ユーザがシステム内通貨Lを消費して有償コンテンツを取得する行為を第2の消費活動と呼ぶ。なお、第2の消費活動では、システム内通貨Lの帰属が「事業者」又は「個人」から「アソシエイツ」に移転するだけであり、システム内通貨Lは情報交換マーケットからは消滅しない。【0039】システム内通貨Lは、所定の単位(例えば、米ドル「$」や日本円「¥」のように)で数量が規定される。システム内通貨Lの所定の単位は、直接的に法定通貨に基づいて価値が規定されるようにはなっていない。所定の単位は、システム管理者、又はその他の手段によって設定される情報流通サーバ装置6の第1の消費活動に係る設定情報(物価設定行為)、及び情報流通システム600のシステム内通貨Lの生成・発行・流通・消滅を制御する制御アルゴリズムによって調整される。システム内通貨Lは、システム内で流通するがシステム外の通貨等のシステム外資産を交換手段に用いたアカウント間の所有権の移転を受け入れるので、実社会と仮想社会である情報交換マーケットとの間での価値交換媒体としての機能も有する。本実施形態では、後述の通貨制御部6Cの機能によって、システム内通貨Lは、情報交換マーケットにおいて流通量が過剰又は不足状態にならないよう、またシステム内通貨Lとシステム外資産との交換バランスが適切に維持されるように新規発行量を制御しながら単位価値が調整される。通貨制御部6Cは後述するように、複数の主体群の購買力差による、無償コンテンツの経済的価値の差を反映させたシステム内通貨Lの新規供給バランスの調整を行うようシステム内通貨Lの制御に補正を加える機能を持ってもよい。つまり、情報交換マーケットでの通貨は、情報流通サーバ装置6により独自に発行され、流通するシステム内通貨Lであり、またリアルマーケット(実社会)での通貨は、中央銀行により独自に発行され、流通する法定通貨又はその他の手段で流通する仮想通貨であり、情報流通サーバ装置6の各機能部の処理によって、これらの通貨の交換をはじめとするシステム内通貨Lの制御を実現している。【0040】システム内通貨Lは、上述したように、学術的に通貨の機能とされている価値の保蔵機能は有しておらず、従来の法定通貨、又は仮想通貨等の通貨とは異なる。システム内通貨Lは、用途としては情報交換マーケットの利用行為のための決済手段、交換媒体、及び価値の尺度をユーザ間で共有するための手段に用いられる。更に、システム内通貨Lは、各ユーザが取得してからの経過時間に応じて消滅するために、蓄財されるものではなく、情報流通システム600内を転々と流通しながら、最終的には第1の消費活動により消滅する。しかしながら、システム内通貨Lは、従来は法定通貨、又は仮想通貨等の通貨にしかないとされ、従来のポイントや電子マネーにはない、その他の資産との自由な交換が可能になっている。また、システム内通貨Lの流通する範囲は、情報交換マーケットに限ってはいるが、マーケット内でのユーザ間での支払い手段として機能し、ユーザ間での価値の尺度としても機能し、情報交換マーケットにおける利用価値は保証されている。そしてシステム内通貨Lは、ユーザの情報交換マーケットにおける唯一無二の価値交換媒体として機能する。さらにシステム内通貨Lの本源的な価値は、情報交換マーケットに参加するユーザの、その他のユーザから提供され取得する無償コンテンツの価値に由来し、評価アルゴリズム(バリュエーションアルゴリズム)により定量化されるユーザ間を移転した価値の量に基づいている。これらのことから、システム内通貨Lは、情報交換マーケットにおいて、ユーザ間を移転する情報の価値を本源とする貨幣として、「情報価値本位貨幣」や「評価本位貨幣」と表現することもできる。そういう意味では、システム内通貨Lは通貨であるともいえる。【0041】更に、ユーザAに対して発行されるシステム内通貨Lの数量は、無償コンテンツの利用回数、又は利用時間に対する所定の割合等の一義的算出式のみに基づいて定まるのではなく、また無償コンテンツを利用するユーザB又はユーザCがその利用の都度にユーザの主観で定めるものでもなく、情報流通サーバ装置6の複数の機能部の連続的処理により決定される。この点で、従来のポイント制度、コンテンツ配信システムにおける報酬制度とも更に異なる。【0042】システム内通貨Lは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザAの無償コンテンツ発信から始まる各機能部の一連の処理によって、情報交換マーケット内に生まれる。情報交換マーケットに生まれたシステム内通貨Lは、ユーザAから「事業者」のアカウントを持つユーザB又は「個人」のアカウントを持つユーザCへの移転によって、情報交換マーケット内で流通を開始する。システム内通貨Lの移転には、システム外の資産を交換対象とすることができ、より有益な無償コンテンツを発信するユーザAが、収益を得られるシステムが達成され、ユーザB、Cのような利用者も増えて情報交換マーケットの規模が拡大され続ける。情報交換マーケットは以下のような流れで成長する。【0043】(a)「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザによって有償又は無償のコンテンツが発信される。
(b)コンテンツを求めて「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが増大する。
(c)増大したユーザに対し広告等の情報を発信したい「事業者」のユーザが現れる。「アソシエイツ」から発信されるコンテンツに価値を見出した場合、その「アソシエイツ」から発信されるコンテンツが有償であったとしても、コンテンツの取得を希望する「個人」のユーザが現れる。こうして、第1、第2の消費活動が大きくなる。
(d)システム内通貨Lの需要の増大に基づき、「アソシエイツ」のユーザにシステム内通貨Lが発行される数量が増大する。すなわち、システム内通貨Lの新規発行量は、情報流通サーバ装置6の機能部の処理によりシステム内通貨Lの需要に基づき供給調整されるためである。
(e)「事業者」及び「個人」のユーザは「アソシエイツ」のユーザに、対価を支払ってシステム内通貨Lの移転を受ける。これにより「アソシエイツ」のユーザは「事業者」及び「個人」のユーザからの対価の支払いによりシステム外資産を取得する。
(f)「事業者」のユーザは、移転されたシステム内通貨Lを消費して情報を発信(第1の消費活動)し、これによりシステム内通貨Lは消滅する。「個人」のユーザは、移転されたシステム内通貨Lを消費して「アソシエイツ」の有償コンテンツを取得(第2の消費活動)し、これによりシステム内通貨Lの帰属は「個人」から「アソシエイツ」に移転する。
(g)システム外資産を取得した「アソシエイツ」のユーザは、価値のあるコンテンツを更に発信する。
(h)ユーザの増大及び消費の増大に伴い、システム内通貨Lの情報交換マーケットへの供給量が上昇する。
(i)新規発行(供給)されたシステム内通貨Lが「アソシエイツ」のユーザに与えられる。
(j)(a)へ戻る。【0044】情報交換マーケットは、発信されるコンテンツの種別やアソシエイツの業態の別によって分別された複数の情報交換マーケットを含んでいてもよい。情報流通サーバ装置6は、異なる情報交換マーケット毎に機能を分別して動作してもよいし、異なる情報交換マーケット間でのやり取りを仲介する機能を持たせて一つのアカウントで異なる情報交換マーケットでの活動が行なえるようにしてもよい。複数のマーケットは相互に一部が重複していてもよい。なお、「アソシエイツ」としてのアカウントの機能は、システム管理者によって情報交換マーケットごとに認定して与えられるものである。ある情報交換マーケットにおいて「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザが、異なる情報交換マーケットにおいても「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザとしての活動を希望する場合には、基礎となる「事業者」又は「個人」のアカウントにて、当該異なる情報交換マーケットにおいてシステム管理者に「アソシエイツ」としての活動の許可を申請し許諾されるようにすればよい。【0045】このような情報交換マーケットを実現するために情報流通サーバ装置6は、図1に示すように管理部6A、通貨発行部6B、通貨制御部6C、取引処理部6D、及び価値連動部6Eとして機能する。各機能は別々のサーバコンピュータで実装され、集合として情報流通サーバ装置6として動作してもよい。【0046】更に、管理部6A、通貨発行部6B、通貨制御部6C、及び取引処理部6Dはそれぞれ、図2に示す機能を備える。具体的には、管理部6Aは、利用要求受付部601、取得要求受付部602、消費記録部603、第1移転記録部604、及び第2移転記録部605を備える。また、通貨発行部6Bは、算出部606、及び決定部607を備える。また、通貨制御部6Cは、価値制御部608、補正部609、評価補正部610、消費量決定部611、及び更新受付部612を備える。また、取引処理部6Dは、売買受付部613、及び交換受付部614を備える。各機能の詳細は後述する。【0047】管理部6Aは、各機能全体の制御、アカウントの発行手続き、コンテンツの発信受け付け、及びコンテンツ利用受け付け等を行なう。アカウントの発行手続きで管理部6Aは、ユーザのアカウントに対応付けて、ユーザの属性情報を記憶したデータベースにおけるデータ処理を実行する。例えば管理部6Aは、予め「事業者」のアカウントを有するユーザAが使用する端末装置7と通信可能に接続されており、管理部6Aは、ユーザAが使用する端末装置7から情報交換マーケットにおける「アソシエイツ」のアカウント発行の依頼を受け付けると、ユーザAから何らかの担保の設定を条件として、ユーザAに対して情報交換マーケットにおける「アソシエイツ」のアカウントを発行する。ここで担保は、法定通貨又は仮想通貨に基づく資産(金銭)でもよいし、コンテンツの情報の有益性の担保となる資格証明等であってもよい。「事業者」のアカウント発行については、「個人」よりも登録項目が多い等の条件が設定されてもよい。なお、「事業者」及び「個人」のアカウントの発行については、管理部6Aによる担保の設定を条件としなくてもよい。【0048】通貨発行部6Bは、ユーザAが使用する端末装置7と通信可能に接続される。通貨発行部6Bは、システム管理者が使用する端末装置と通信可能に接続されてもよい。通貨発行部6Bは、ユーザAから発信された無償コンテンツ及びユーザAに対する評価値を算出する算出部606と、算出された評価値に基づいて、ユーザAに対して発行するシステム内通貨Lの数量を決定する決定部607とを含む。ここで、算出部606が算出する評価値は、無償コンテンツの情報交換マーケットでの有用度に基づく。通貨発行部6Bは、決定した数量に応じたシステム内通貨LをユーザAに発行する。システム内通貨Lは、ユーザAから発信された無償コンテンツ及びユーザAに対する評価値に基づき発行量が定まるため、情報交換マーケット内で通用させるに必要な経済的価値の根拠は、無償コンテンツ及びユーザAに対する評価値を基礎とした経済的価値であるとも言える。また、情報交換マーケットにおけるシステム内通貨Lの需要に基づき、システム内通貨Lの発行量を定め、システム内通貨Lは単価(単位としての価値)が一定に保たれるようにしてもよい。このとき、通貨発行部6Bは、マーケットの規模、システム内通貨Lの需要と供給のバランス等に基づいてシステム内通貨Lを新規発行(供給)する。【0049】通貨制御部6Cは、システム内通貨Lの価値を変動させる機能を発揮する。通貨制御部6Cは、情報交換マーケットへの通貨発行部6Bからのシステム内通貨Lの供給量を調整、制御する。また通貨制御部6Cは、供給を調整するために取引処理部6Dにおけるシステム内通貨Lとそれ以外の資産との交換時の交換比率を自律的に調整するようにしてもよい。また通貨制御部6Cは、主体群間の購買力の相違を吸収するように調整を行なってもよい。通貨制御部6Cの機能は自律的に発揮されてもよいし、特に情報交換マーケットのシステム管理者が使用する端末装置を介して手動にて実行されるものとしてもよい。【0050】取引処理部6Dは、ユーザ間のシステム内通貨Lの取引を処理する。取引処理部6Dは、情報交換マーケットにおけるシステム内通貨Lの取引所として機能する。ユーザ間のシステム内通貨Lの取引の1つとして、システム外資産、例えば法定通貨、又は仮想通貨、暗号通貨若しくは暗号資産と呼ばれる電子的通貨との交換を可能とする。【0051】価値連動部6Eは、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザが所持するシステム内通貨Lと、システム外で流通するデジタル資産との交換を受付ける機能を発揮する。本実施形態では、価値連動部6Eによって、システム内通貨Lと、デジタル資産の一例である特定の仮想通貨との価値を交換することができるようになり、システム内通貨Lの価値の保蔵機能を特定の仮想通貨によって代替することができるようになる。【0052】なお、紙面の都合上、図1では1つの情報交換マーケットについてのみ示したが、発信するコンテンツの種別(例えば、テレビメディア系のコンテンツ、求人系のコンテンツ等)に応じて複数の情報交換マーケットを設けてもよい。この場合、情報交換マーケット毎に情報流通サーバ装置6を設けてもよく、複数の情報交換マーケットを一括して制御・管理する一の情報流通サーバ装置6を設けてもよい。複数の情報交換マーケットが設けられている場合、ある情報交換マーケットに属する「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザから、別の情報交換マーケットに属する「事業者」又は「個人」若しくは「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザに対して、システム内通貨Lが譲渡されてもよい。
更に、情報流通サーバ装置6により、全世界又は複数の主体群(例えば、経済圏や国家や州や県など、ユーザの地域属性の集合体)に及ぶメタバース(重層化された情報交換マーケットの集合体であって、独自の通貨を生成し流通させている仮想国家のようなヴァーチャルマーケット)を制御・管理する構成としてもよい。メタバースでは、リアルマーケットに存在する「距離」という概念がなく、このことから、リアルマーケットにあるような「物流及び移動」によるコストは生じない。メタバースに参加するユーザは、距離(すなわちコストであり帰属する国家である)に縛られることなく、自由に生産活動を含む活動を行うことが好適である。メタバースに参加するユーザは、リアルマーケットにおいてネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、テレビ受信機、又はゲーム機を含むVR(Virtual Reality)専用機等の情報処理端末機器をユーザインタフェースとして用いることによって、いつでもどこでも誰でもが、アカウント認証処理を経て、メタバースにログインして活動することが可能である。なお、上述したように、アカウントを所持しないユーザ又はログイン認証処理を行わないユーザもメタバースに参加できるような態様としてもよい。【0053】上述のような情報流通システム600を実現する具体的な構成について以下に説明する。【0054】図3は、情報流通サーバ装置6と端末装置7の内部構成を示すブロック図である。情報流通サーバ装置6は、サーバコンピュータを用い、制御部60、記憶部61、及び通信部62を備える。第一実施形態において情報流通サーバ装置6は、上述した管理部6A、通貨発行部6B、通貨制御部6C、取引処理部6D、及び価値連動部6Eの機能毎に各々別のハードウェアを有することが好ましい。しかしながら、以下では仮想的に1つのサーバコンピュータにて各機能を持つインスタンスが生成されて各々が処理を行なうものとして説明する。【0055】制御部60は、CPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。具体的には、制御部60は、例えば図1及び図2に示した管理部6A、通貨発行部6B、通貨制御部6C、取引処理部6D、及び価値連動部6Eを構成する。制御部60は、記憶部61に記憶されているサーバプログラム6Pに基づく情報処理を実行する。サーバプログラム6PにはWebサーバプログラムが含まれ、制御部60は、端末装置7への情報交換マーケットのポータルサイトであるWebページの提供、Webサービスへのログインの受け付け等を実行するWebサーバとして機能する。【0056】記憶部61は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部61には、上述したサーバプログラム6P及び制御部60が参照する各種情報が記憶される。【0057】通信部62は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースであり、例えばEthernet(登録商標)、又は無線通信用アンテナ等の通信インタフェースを用いる。制御部60は、通信部62を介して端末装置7と通信接続が可能である。【0058】情報流通サーバ装置6は、管理部6Aの機能により、提供する情報交換マーケットのユーザのアカウント情報を記憶した記憶装置63に対し情報の読み書きが可能である。情報流通サーバ装置6の制御部60は、記憶装置63に対してアカウント情報の追加・削除、アカウント情報の更新、読み出し等を行なう。制御部60は、発信されたコンテンツのデータ及び識別情報を含むコンテンツ情報を対応付けて記憶装置63に蓄積する。コンテンツの識別情報には、コンテンツを識別する情報だけでなく、有償又は無償を識別する情報が含まれる。制御部60は、システム内通貨Lがいずれのユーザに帰属しているか、いずれのユーザから他のユーザへ移転したか等を記録する出納記録を記憶装置63に蓄積する。これに加えて制御部60は、「事業者」又は「個人」のユーザから発信される「従として取り扱われる情報」(サブコンテンツ情報)を記憶装置63に記憶する。【0059】図4は、システム内通貨Lの出納記録を示すシステム内通貨管理テーブルの一例を示す概念図である。図4に示す例では、例えば、システム内通貨管理テーブルに、通貨ID、取得者ID、取得日、及び消滅予定日が関連付けて記録されている。通貨IDは、個々のシステム内通貨Lを識別するための情報である。制御部60は、通貨発行部6Bがシステム内通貨Lを発行する都度、所定単位(例えば最小単位)のシステム内通貨Lに対して個別の通貨IDを割り当て、割り当てた通貨IDをシステム内通貨管理テーブルに記録する。取得者IDは、システム内通貨Lの取得者を識別するための情報である。制御部60は、通貨発行部6Bから「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザに対してシステム内通貨Lが発行された場合、発行されたシステム内通貨Lの通貨IDに関連付けて、発行先のユーザを識別する取得IDをシステム内通貨管理テーブルに記録する。取得日は、ユーザがシステム内通貨を取得した日付を表す。例えば、通貨発行部6Bから「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザに対してシステム内通貨Lが発行された場合、制御部60は、システム内通貨Lが発行された日付をユーザの取得日としてシステム内管理テーブルに記録する。消滅予定日は、システム内通貨Lが消滅する日付を表している。本実施形態では、ユーザがシステム内通貨Lを取得してから使用することなく設定期間が経過した場合、システム内通貨Lは消滅するように構成されている。設定期間は、ユーザに応じて設定することができる。例えば、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザに対しては1年、「事業者」のアカウントを有するユーザに対しては6ヶ月、「個人」のアカウントを有するユーザに対しては3ヶ月のように設定することができる。また、システム内通貨Lの消滅する設定期間は、システム内通貨Lの取得経緯に応じて設定することが可能である。例えば、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザに対して、新規発行は1年、有償コンテンツの支払いは1年、その他のアソシエイツからの譲り受けは6ヶ月、債務不履行時の譲渡先からの回収は6ヶ月、及びその他のキャンペーンは3ヶ月などのように設定することができる。また、「事業者」及び「個人」のアカウントを有するユーザに対して、アソシエイツからの譲り受けは6ヶ月、ベーシックインカムは2ヶ月、及びその他のキャンペーンは3ヶ月のように設定することができる。なお、上述したキャンペーンとは、実社会にあるような政府紙幣の発行やケインズ政策等にあるような、マーケットの活性化を目的にした臨時的、政策的な通貨の供給としてのシステム内通貨Lの給付を意味する。【0060】また、システム内通貨Lは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザから「事業者」のアカウントを持つユーザ又は「個人」のアカウントを持つユーザへの移転を可能としている。システム内通貨管理テーブルは、システム内通貨Lの移転に応じて適宜書き換えられる。例えば、通貨ID「L001」のシステム内通貨Lが、取得者ID「U001」のユーザ(アソシエイツ)から、取得者ID「U021」のユーザ(個人)に2018年8月1日に移転した場合、通貨ID「L001」に関連付けられている取得者ID及び取得日の各項目は、それぞれ「U021」、「2018.08.01」に書き換えられる。また、個人に対する消滅期間が3ヶ月に設定されている場合、消滅予定日は「2018.11.01」に書き換えられる。
なお、本実施形態では、1人のユーザが複数のアカウントを有する場合がある。たとえば、上述したように「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザは、少なくとも「事業者」又は「個人」のアカウントを有している。このため、システム内通貨管理テーブルでは、システム内通貨Lの通貨ID、取得日、及び消滅予定日の情報を、取得者を識別する取得者IDだけでなく、その取得者が所有しているアカウントのIDに関連付けて記録される構成としてもよい。そして、この場合には、例えば取得者IDが同一のユーザが「アソシエイツ」と、「事業者」のアカウントを同時に持っている場合には、システム内通貨Lは、主としてそれぞれのアカウントのIDごとに関連付けて管理されるようにすれば好適である。つまり、システム内通貨管理テーブルに記録される出納記録を基礎にした、従来のオンラインバンクシステムにあるような「通帳機能」をアカウントに関連付けて制御する構成にしてもよい。上述した「通帳機能」は、アカウントごとにユーザの端末装置7の表示部73に表示させ、操作部74によりアカウントを持つユーザからの操作を受け付け、通信部72によって情報流通サーバ装置6と通信を行うことで、システム内通貨管理テーブルに記録される出納記録を読み出したり書き換えたり書き加えたりする構成にすればよい。なお、上述した「通帳機能」は、取引処理部6Dと連携して機能させてもよい。【0061】また、第1の消費活動によって消費されたシステム内通貨Lは、情報交換マーケットから消滅する。この場合、システム内通貨管理テーブルからは、消滅したシステム内通貨Lのレコードは削除される。【0062】なお、本実施形態では、システム内通貨Lの移転又は消滅に応じて、システム内通貨管理テーブルのレコードを書き換える構成としたが、それぞれのシステム内通貨Lについて、発行から移転及び消滅に至る履歴をレコードとして残すようにしてもよい。また、本実施形態では、システム内通貨管理テーブルにおいて、通貨ID、取得者ID、取得日、及び消滅予定日を関連付けて記録する構成としたが、使用の内訳(例えば、他のユーザへの譲渡、第1の消費活動、第2の消費活動)を併せて記録する構成としてもよい。システム内通貨管理テーブルにおいて、何らかの処理により、ある取得者ID(又はアカウントID)からシステム内通貨Lをその他の取得者ID(又はその他のアカウントID)に移転又は消滅させる通貨IDの優先順位は、同一取得者ID(又はアカウントID)ごとに消滅期限の到来する日が近い通貨IDからとすればよい。【0063】端末装置7は上述したようにユーザが使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末装置などのコンピュータ装置であって、制御部70、記憶部71、通信部72、表示部73及び操作部74を備える。【0064】制御部70は、CPU、GPU等のプロセッサと、メモリ等を用いる。制御部70は、プロセッサ、メモリ、記憶部71及び通信部72を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部70は、記憶部71に記憶されているアプリプログラム7Pに基づき、情報流通サーバ装置6への通信接続を実行し、該情報流通サーバ装置6によって提供される情報交換マーケットにおけるWebページを介した処理を実行する。【0065】記憶部71は、フラッシュメモリを用い、アプリプログラム7Pを含む制御部70が参照するプログラム、及びデータが記憶される。アプリプログラム7Pは少なくともWebブラウザプログラムを含み、制御部70は、アプリプログラム7Pに基づき、情報流通サーバ装置7で提供されるWebページの情報から画面を表示部73に表示させる。また、記憶部71は、ユーザのアカウントに関連付けられたシステム内通貨Lの出納記録を示すシステム内通貨管理テーブルを有していてもよい。端末装置7のシステム内通貨テーブルには、例えば、システム内通貨Lの通貨ID、取得日、及び消滅予定日が関連付けられて記録される。【0066】通信部72は、ネットワークNへの通信接続を実現する通信モジュールである。通信部72は、ネットワークカード、無線通信デバイス又はキャリア通信用モジュールを用いる。【0067】表示部73は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部74は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部74は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部73で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。【0068】表示部73及び操作部74は、上述の態様に限らない。例えば操作部74は、ゲーム機のジョイスティックのようなコントローラモジュールを用いてもよい。またユーザの動きに応じて操作を受け付けるウェアラブルデバイスであってもよく、グローブ、スーツ、シューズ、ゴーグル等の種々の入出力装置を用いることができる。【0069】このように構成される情報流通システム600における情報流通サーバ装置6により実現される機能について順に説明する。【0070】第1に管理部6Aの機能について説明する。制御部60は管理部6Aの機能により、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザが使用する端末装置7から発信するコンテンツ登録依頼を受け付ける。制御部60は、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザのみに対し、コンテンツの登録を受け付けるインタフェースをWebサイト、又は端末装置7にて表示される画面に表示させる。制御部60は、受け付けたコンテンツにコンテンツ識別情報を付与して記憶装置63に記憶する。制御部60は、コンテンツ識別情報と、発信者であるユーザのアカウント情報と、コンテンツの登録日時を含む時間情報とを対応付けて記憶装置63に記憶する。コンテンツの閲覧、視聴等の利用が有償である場合、発信者であるユーザが定めたシステム内通貨Lの数量が対応付けて記憶されているとよい。この数量は事後的に変更可能である。制御部60はコンテンツへのアクセスを含むWebサイトを提示し、これによりコンテンツの利用が可能となる。【0071】制御部60は管理部6Aの機能により、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが使用する端末装置7からコンテンツが利用されると、その利用回数を含む利用履歴等をコンテンツ識別情報に対応付けて記憶装置63に記憶する。また制御部60は管理部6Aの機能により、ユーザのアカウント情報に対応付けて、各ユーザがどのようなコンテンツをどのようなタイミングで利用したのかを含む利用履歴を記憶装置63に記憶する。【0072】図5は、制御部60による管理部6Aとしての処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部60は管理部6Aとして、一日に一度、週に一度、月になどの所定の周期によって以下の処理を実行する。【0073】制御部60は、記憶装置63に記憶されているアカウント情報に基づき「アソシエイツ」のユーザを選択する(ステップS101)。【0074】選択されたユーザのコンテンツ又はユーザ自身について、制御部60は評価値を算出し(ステップS102)、選択中のユーザについて算出した評価値に基づき、対応するシステム内通貨Lの数量を決定する(ステップS103)。【0075】制御部60は、ステップS103で決定した数量に応じたシステム内通貨Lを選択中のユーザに発行する(ステップS104)。ステップS104にて制御部60は、選択中のユーザのアカウント情報(例えば取得者ID)に対応付けて、新規に発行したシステム内通貨Lを識別する通貨IDをシステム内通貨管理テーブルに記憶する。ここでシステム内通貨Lの通貨IDは、システム内通貨Lをユーザが取得した取得日(すなわち、システム内通貨Lの発行日)、及びそのシステム内通貨Lが消滅する日付と共に、システム内通貨管理テーブルに記憶される。【0076】制御部60は、コンテンツを発信する「アソシエイツ」のユーザ全てについて選択したか否かを判断し(ステップS105)、選択していない場合(S105:NO)、処理をステップS101へ戻す。ステップS105にて全て選択したと判断した場合(S105:YES)、制御部60は処理を終了する。【0077】ステップS102及びステップS103の処理について説明する。制御部60はコンテンツの利用履歴に基づく評価値の算出方法を第1の設定情報として記憶部61又は記憶装置63に記憶しており、制御部60は、この第1の設定情報に基づいて評価値を算出する。【0078】図6は、評価値算出手順の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理手順は、図5のフローチャートにおけるステップS102の処理の詳細に対応する。なお、図6のフローチャートに基づく評価値の算出手順はあくまで一例に過ぎず、図6のフローチャートに示す手順に限定されない。【0079】制御部60は、選択中の「アソシエイツ」のユーザのアカウント情報が対応付けられているコンテンツ識別情報を参照し、当該ユーザによって発信された無償のコンテンツを1つ選択する(ステップS201)。【0080】制御部60は、選択した無償コンテンツについて「回数評価値」を算出する(ステップS202)。「回数評価値」は、所定の期間、例えば前回の算出時点から今回の算出時点までの期間における利用したユーザ数に基づき算出される。ユーザ数は延べ数でもよいし、アカウント情報によって区別されてもよい。例えば制御部60は、以下のように「回数評価値」を算出する。
「回数評価値」=利用回数×x1 +利用回数×x2 ×(利用回数/総利用回数)+x3
ここでx1 :ユーザ数係数(設定情報)
x2 :総利用回数との比率で評価する場合の係数(設定情報)
x3 :利用ユーザ数上位に対する評価値(設定情報)
「利用回数」は、所定の期間における回数、「総利用回数」はコンテンツが登録されてから今回の算出時点までの総回数である。「利用回数」は、コンテンツを指定するリンクへのアクセス回数により計数される値であり、コンテンツを含むWebページへのアクセス回数、PDF(Portable Document Format)のダウンロード回数、動画の再生回数等を含む。【0081】制御部60は、「時間評価値」を算出する(ステップS203)。「時間評価値」は、所定の期間にユーザが対象コンテンツを利用した時間に基づき算出される。例えば制御部60は、以下のように「時間評価値」を算出する。
「時間評価値」=利用時間×y1 +利用時間×y2 ×(利用時間/総利用時間)+y3
ここでy1 :時間係数(設定情報)
y2 :総利用時間との比率で評価する場合の係数(設定情報)
y3 :利用時間上位に対する評価値(設定情報)
「利用時間」は、所定の期間における時間、「総利用時間」はコンテンツが登録されてから今回の算出時点までの合計時間である。「利用時間」は、ユーザの端末装置7にてコンテンツを閲覧している時間であり、コンテンツを含むWebページの表示時間、PDFの表示時間、動画の再生時間等を含む。【0082】制御部60は、「ユーザ評価値」を算出する(ステップS204)。「ユーザ評価値」は、所定の期間にユーザが対象コンテンツを評価した評価内容(評価数)に基づき算出される。評価数は、コンテンツに対する「いいね(Like)」の数と、逆の「わるいね(Dislike )」の数との差分、与えられる☆の数の総数である。例えば制御部60は、以下のように「ユーザ評価値」を算出する。
「ユーザ評価値」=評価数×z1 +評価数×z2 ×(評価数/総評価数)+z3
ここでz1 :評価数係数(設定情報)
z2 :総評価数との比率で評価する場合の係数(設定情報)
z3 :評価数上位に対する評価値(設定情報)
「評価数」は、所定の期間における評価数、「総評価数」はコンテンツが登録されてから今回の算出時点までの評価数の総計である。【0083】制御部60は、評価が認められる他の指標に基づき評価値を算出する(ステップS205)。ステップS205において制御部60は例えば、予め設定されている期間以上にコンテンツとして利用されているロングセラーである場合に加算する。その他制御部60は例えば、著名な評論による評価が付与されているか、賞が与えられている等の事実によって評価値を加算してもよい。【0084】制御部60は、ステップS202からステップS205までに算出した評価値を総合してコンテンツ評価値を算出する(ステップS206)。ステップS206において制御部60は例えば、評価値を合算する。【0085】制御部60は、選択中の「アソシエイツ」の全てのコンテンツについて処理を行なったか否かを判断する(ステップS207)。全てについて処理を行なっていないと判断された場合(S207:NO)、制御部60は処理をステップS201へ戻す。【0086】全てについて処理を行なったと判断した場合(S207:YES)、制御部60は、全てのコンテンツについて算出したコンテンツ評価値を合算した合算値を算出する(ステップS208)。【0087】制御部60は、「発信量評価値」を算出する(ステップS209)。「発信量評価値」は、所定の期間に選択中の「アソシエイツ」のユーザが発信したコンテンツの発信数及び内容量(テキスト数、時間等)に基づき算出される。例えば制御部60は、以下のように「発信量評価値」を算出する。
「発信量評価値」=発信量×w1 +発信量×w2 ×(発信量/総発信量)+w3
ここでw1 :発信量係数(設定情報)
w2 :総発信量との比率で評価する場合の係数(設定情報)
w3 :発信量上位に対する評価値(設定情報)
「発信量」は、所定の期間において無償で提供されるコンテンツの発信量である。「発信量」は発信されたコンテンツの数と内容サイズとの乗算値である。「総発信量」は「アソシエイツ」のユーザが最初にコンテンツを登録してから今回の算出時点までの「発信数と内容量との乗算値の総計である。【0088】制御部60は、コンテンツ評価値とアソシエイツ評価値とを総合した「総合評価値」を算出し(ステップS210)、処理を終了する。ステップS210にて制御部60は、コンテンツ評価値とアソシエイツ評価値とを加算して「総合評価値」を算出してもよい。【0089】制御部60は、算出した評価値と記憶部61又は記憶装置63に記憶してある第2の設定情報とに基づいてシステム内通貨Lの発行数量を決定する。第2の設定情報は例えば、評価値に対する比率である。またさらに、第2の設定情報は例えば、情報交換マーケットにおけるシステム内通貨Lの需要から情報流通サーバ装置6が自律的に導出、又はシステム管理者が任意に設定する、すべてのアソシエイツに発行する新規発行総量、つまり情報交換マーケットに追加的に供給するシステム内通貨Lの追加供給総量としてもよい。なお、この場合に導出、又は任意に設定されたシステム内通貨Lの新規発行総量(追加供給総量)は、導出、又は任意に設定された所定の期間の数量とすればよい。【0090】第1の設定情報及び第2の設定情報は、適宜変更、更新が可能である。システム管理者が使用する端末装置を介して、情報流通サーバ装置6の制御部60が変更、更新、登録等を受け付けることでシステム管理者が意図するマーケットへ修正が可能である。すなわち、制御部60は、第1の設定情報及び第2の設定情報の更新を受付ける更新受付部612として機能する。ただし本来は、システム管理者の意図を反映させるのでなく、マーケット自体が自律的に、マーケットを成長させるように設定情報を更新するように設計されることが好ましい。すなわち、制御部60は、コンテンツの利用状況に応じて、第1の設定情報及び第2の設定情報を補正する補正部609として機能してもよい。【0091】次に、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザに与えられたシステム内通貨Lの消費について説明する。「アソシエイツ」のアカウントのみを持つユーザが存在したとした場合には上述したように、コンテンツ発信に基づき獲得したシステム内通貨Lを自ら(同一ユーザ)の行為によって消費することはできない。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、獲得したシステム内通貨Lを他のユーザの持つ「事業者」又は「個人」若しくは「アソシエイツ」のアカウントへ移転、又は自身の「アソシエイツ」のアカウントの基礎にある「事業者」又は「個人」のアカウントへ移転させることができる。【0092】端末装置7にて「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザのシステム内通貨Lの譲渡を含む管理について説明する。図7は、端末装置7におけるシステム内通貨Lの管理の手順の一例を示すフローチャートである。端末装置7にて情報流通システム600へのログインが行なわれると、情報流通サーバ装置6との情報の授受に基づいて制御部70は以下の処理を開始する。【0093】制御部70は、通信部72(発信部)を通じて、コンテンツを情報交換マーケットへ発信する(ステップS600)。コンテンツの発信に伴い、情報流通サーバ装置6では、コンテンツ(無償コンテンツ)及び発信者(アソシエイツ)に対する評価が行われ、評価結果に基づき、システム内通貨Lが発信者に発行される。【0094】制御部70は、記憶部71に記憶されているユーザのアカウント情報を通信部72から情報流通サーバ装置6へ向けて送信する(ステップS601)。制御部70は、情報流通サーバ装置6から送信されるアカウント情報を対応付けられているシステム内通貨Lについての数量等の情報を含む画面情報を通信部72(受信部)にて受信する(ステップS602)。【0095】制御部70は、受信した画面情報に基づき、ユーザのアカウント情報に対して発行されたシステム内通貨Lの数量を含む画面を表示部73に表示する(ステップS603)。これにより「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、自身のコンテンツ発信活動に対して与えられたシステム内通貨Lの数量を把握することができる。なお画面情報には、そのシステム内通貨Lがいずれのコンテンツに対し、どのような評価値に基づいて、いつ発行されたのかを示す詳細情報が含まれており、詳細情報の表示を操作部74にて選択した場合にこれが表示されるとよい。【0096】制御部70は、表示された数量を含むシステム内通貨Lについての画面内に、システム内通貨Lの他の「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザへの譲渡(売り)を受け付ける画面を表示させる(ステップS604)。制御部70は、譲渡を受け付ける画面が選択されたか否かを判断し(ステップS605)、選択されたと判断した場合(S605:YES)、譲渡する数量を受け付け(ステップS606)、受け付けた数量に基づく取引情報を作成する(ステップS607)。制御部70は、作成した取引情報を情報流通サーバ装置6の取引処理部6Dへ送信する(ステップS608)。情報流通サーバ装置6の制御部60は、端末装置7から送信される取引情報を受信した場合、システム内通貨管理テーブルの記録内容を更新する。【0097】制御部70は、アプリプログラム7P又は情報流通サーバ装置6のポータルサイトへのログインを終了するか否かを判断し(ステップS609)、終了しないと判断された場合(S609:NO)、処理をステップS602へ戻す。ステップS609でアプリプログラム7P又はログインを終了すると判断された場合(S609:YES)、処理を終了する。【0098】ステップS605にて選択されていないと判断した場合(S605:NO)、制御部70は処理をステップS609へ進める。この場合も制御部70は、アプリプログラム7P又はログインの終了が選択された場合に処理を終了する。【0099】取引情報は譲渡先のユーザの「事業者」又は「個人」若しくは「アソシエイツ」のアカウント情報の指定を含む。システム内通貨Lの譲渡は、自由取引であり現実社会における直接的な売買を基本とする。したがって譲渡されるシステム内通貨Lの数量は、ユーザ間で、その対価と共に直接的に取り決められる。対価は、法定通貨でもよいし、仮想通貨、債務の弁済、物品又は役務の提供、債権等の資産であってもよい。【0100】図8は、端末装置7に表示される画面例を示す図である。図8は、図7のフローチャートに示した処理手順の内、ステップS603における画面情報に基づき表示される画面例を示す。図8に示すように、端末装置7の表示部73に表示されるシステム内通貨Lの確認画面730には、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザ「AA」に発行され、残存しているシステム内通貨Lの数量「5500」を含む数量画面731が含まれている。数量画面731には、ユーザ「AA」のシステム内通貨Lの獲得の経緯の詳細情報を表示するためのインタフェースが含まれている。図8に示すシステム内通貨Lの確認画面730には、ステップS604に対応する譲渡の受け付け画面732が含まれている。譲渡の受け付け画面732には、譲渡する数量及び譲渡先を選択するコントロールと、譲渡を指示するインタフェース733とが含まれている。またシステム内通貨Lの確認画面730には、ポータルサイトに戻るためのインタフェースも含まれている。【0101】なお、この場合端末装置7からの送信された取引情報に基づいて情報流通サーバ装置6の制御部60は、譲渡元の「アソシエイツ」のユーザのアカウント情報から、「事業者」又は「個人」若しくは「アソシエイツ」のユーザのアカウント情報へのシステム内通貨Lの移転処理を行なう。この際の移転の対価の決定はシステム外での自由取引によって定められていてもよいし、以下のフローチャートで説明するように、情報流通サーバ装置6が取引処理部6Dで取引所として機能を発揮して実現してもよい。【0102】図9は、情報流通サーバ装置6におけるシステム内通貨Lの移転処理の手順の一例を示すフローチャートである。【0103】制御部60は、通信部62により「アソシエイツ」のアカウントのユーザが使用する端末装置7から取引情報を、アカウント情報と対応付けて受信する(ステップS701)。【0104】制御部60は、受信した取引情報に、譲渡先のユーザを示す情報が含まれているか否かを判断し(ステップS702)、含まれていると判断した場合(S702:YES)、譲渡先のユーザのアカウント情報を特定する(ステップS703)。【0105】制御部60は、譲渡元のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lを、取引情報に含まれている数量分だけ譲渡先のアカウント情報に移転させる(ステップS704)。具体的には、制御部60は、譲渡元のユーザ(アソシエイツ)が所有するシステム内通貨Lのうち、取引情報に含まれる数量分だけ、システム内通貨Lの取得者IDを譲渡元のユーザのIDから譲渡先のユーザのIDに書き換える処理を実行する。また、制御部60は、譲渡先のユーザに応じてシステム内通貨Lの消滅予定日を書き換える処理を併せて実行する。ステップS704においては所謂ブロックチェーン技術を用いて情報交換マーケット内での移転の事実を記憶装置63における出納記録に記録されるようにしてもよい。【0106】制御部60は、取引処理部6Dの機能により、ステップS704の移転の登録の処理の際に、所定の額の手数料を「アソシエイツ」のアカウント情報が対応付けられている資産から徴収する(ステップS705)。資産は「アソシエイツ」のアカウントの登録時に暗号資産等のデジタル資産若しくは法定通貨による入金の登録を受け付けておき、これらから徴収してもよく、後述するように、「アソシエイツ」のアカウントごとに与信限度額を定めておいたうえで売掛金処理を行ってもよい。また、これら両方を行ってもよい。売掛金処理を行う場合に、「アソシエイツ」のアカウントごとの与信限度額の算定については、情報流通サーバ装置6の制御部60の処理にゆだねてもよい。また、「アソシエイツ」のアカウント情報が対応付けられている資産から徴収する手数料の額は、記憶部61に予め記憶されている0(ゼロ)以上の任意の設定情報とすればよい。ステップS705において具体的に制御部60は、取引処理部6Dの機能により、譲渡元のアカウント情報に対応付けられて記録されている資産を、手数料分だけ減額して記録し、システム管理者についてあらかじめ用意されるアカウント情報に対応付けられて記録される資産に、徴収した手数料分だけ加算して記録する。また、上述した特定の仮想通貨を含むデジタル資産により手数料を徴収する場合、制御部60は、減額分のデジタル資産をシステム管理者のアカウントに移す処理を実行すればよい。【0107】制御部60は、移転後及び手数料の徴収後の譲渡元の「アソシエイツ」のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lについての数量等の情報を含む画面情報をステップS701で受信した取引情報の送信元の端末装置7へ送信し(ステップS706)、処理を終了する。【0108】ステップS702にて譲渡先のユーザが含まれていないと判断された場合(S702:NO)、制御部60は取引処理部6Dに含まれる取引所の機能により、取引情報を、その取引情報に含まれる数量分のシステム内通貨Lの売り注文として受け付ける(ステップS707)。すなわち、制御部60は売買受付部613として機能する。【0109】制御部60は取引所の機能により、「アソシエイツ」を含む全てのアカウントのユーザからの買い注文を受け付けておく(ステップS708)。ステップS708において制御部60は、買い注文としてシステム外の資産である法定通貨又は仮想通貨等の通貨、あるいは現物資産を別途、預り資産として登録を受け付けておく。制御部60は、取引が成立した場合には預かり資産から減じる処理を外部の資産の取引システムに依頼すればよい。クレジットカード番号の登録を受け付けておき、クレジットカードの管理会社等への請求を行なうようにしてもよい。支払いが滞る場合、制御部60は管理部6Aとして「アソシエイツ」を含むユーザの情報交換マーケットの後述の利用行為を制限するなどの措置を実行する。【0110】制御部60は、ステップS707で受け付けた売り注文に対して割り当てる買い注文を抽出し(ステップS709)、取引を成立させる(ステップS710)。ステップS710において制御部60は、譲渡元のユーザが所有するシステム内通貨Lのうち、取引情報に含まれる数量分だけ、システム内通貨Lの取得者IDを譲渡元のユーザのIDから譲渡先のユーザのIDに書き換える処理を実行する。また、制御部60は、譲渡先のユーザに応じてシステム内通貨Lの消滅予定日を書き換える処理を併せて実行する。すなわち、制御部60は第2移転記録部605として機能する。ステップS710における取引の際にも制御部60は、所定の額の手数料を「アソシエイツ」のアカウント情報が対応付けられている資産から徴収する(ステップS711)。ステップS705及びS711で徴収する手数料は同額であってもよく、異なる額であってもよい。例えば、ステップS711で取引所の機能によって譲渡が成立した場合に「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザから徴収する手数料は、ステップS705の取引所外での直接的取引が成立した場合に比して高額としてもよいし、その逆でもよい。また、資産は「アソシエイツ」のアカウントの登録時に暗号資産等のデジタル資産若しくは法定通貨による入金の登録を受け付けておき、制御部60はデジタル資産若しくは法定通貨から徴収してもよい。すなわち、制御部60は交換受付部614として機能してもよい。また、徴収する手数料は、システム内通貨Lとしてもよい。この場合には、システム管理者のIDを用意しておき、減額(徴収)分のシステム内通貨Lの取得者IDを徴収先(手数料を支払うべきアソシエイツのアカウント)のIDからシステム管理者のIDに書き換える処理を実行すればよい。【0111】制御部60は、取引成立の譲渡元の「アソシエイツ」のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lについての数量等の情報を含む画面情報をステップS701で受信した取引情報の送信元の端末装置7へ送信し(S706)、処理を終了する。【0112】これにより、「アソシエイツ」のアカウントのユーザは、コンテンツ発信に基づいて獲得したシステム内通貨Lに基づいて、法定通貨又は仮想通貨等の資産による収益を得ることができる。コンテンツ発信者が収益を得ることで、コンテンツ発信者は、以降も客観的で正当な評価による収益が見込まれることから更なるコンテンツ発信の意欲を持ち、情報交換マーケットを活性化させることができる。【0113】そしてこの移転登録により、「事業者」又は「個人」等の「アソシエイツ」以外のアカウントを持つユーザ、並びに「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザであっても、システム内通貨Lを追加的に欲するユーザは、システム内通貨Lの移転の登録をもってこれを獲得することができる。「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが使用する端末装置7においても、アプリプログラム7Pに基づき、図7のフローチャートに示す処理手順の内のステップS603のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lの数量を含む画面表示までの処理を行なう。「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが使用する端末装置7でも、情報交換マーケットのポータルサイトが表示され、コンテンツの検索等を受け付ける画面以外に、図8に示したような譲渡を受けて所有するシステム内通貨Lの数量を確認する画面が表示される。【0114】ステップS707からステップS710で示した通り、情報流通サーバ装置6は取引処理部6Dによって取引所として機能し、システム内通貨Lのユーザ間の移転を促すことができる。しかしながら、上述したように、システム内通貨Lには全て存在期限が設定されているので、ユーザが投資又は投機目的で売買することや、情報交換マーケットの操作を困難にする。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、システム内通貨Lを別の資産へ交換する目的、つまり実社会における資産の獲得を目的としてこれを譲渡する。「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザは、保有する資産を情報交換マーケットのシステム内通貨Lに交換する目的、つまり情報交換マーケットの利用を目的としてシステム内通貨Lの譲渡を受ける。きわめて単純な目的の売買を成立させ、システム内通貨Lを保有して温めて利益を得ると言った投資又は投機目的での売買は考えにくい。なお、システム内通貨Lには、従来において通貨の機能の1つであるとされている「価値の保蔵機能」を、その他の通貨としての機能を向上させるために「存在期限の設定」により排除していることがある。このことから、システム内通貨Lは、交換する法定通貨や仮想通貨等の資産と一体的なシステムとして、通貨としての機能を提供する。つまり、情報交換マーケットを利用するユーザにとって、余っているシステム内通貨Lは、法定通貨等のその他の資産に交換しておき、他方、不足しているシステム内通貨Lは、余っている法定通貨等のその他の資産と交換して取得すればよいということである。システム内通貨Lは、「価値の保蔵」という資産的機能を有していない点で、従来の通貨とは異なる。【0115】「アソシエイツ」のアカウントと、「事業者」又は「個人」のアカウントとの間の譲渡では上述したように、直接取引と比較して高い手数料を徴収してもよいとした。この手数料は、システム管理者にとっては「アソシエイツ」に対する債権である。価格の上限値を「アソシエイツ」毎に異なる値を用いて運用するとよい。つまり、前述した与信限度額に相当する。利用者のサービス利用行為を評価して、「アソシエイツ」の信用枠を増減させるものと言える。この信用枠の増減は、個々の「アソシエイツ」のアカウントから発信されるコンテンツの表示優先度と関連させてもよいし、より多くのシステム内通貨Lが発行されるように設定情報が更新されるようにしてもよい。また、システム管理者からの奨励金の額に関連させてもよい。【0116】取引所としての機能の中では、「アソシエイツ」のアカウント同士のシステム内通貨Lの取引を可能としてもよい。また、通常の譲渡と同様に、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザ同士で、取引所を介さずに直接的にシステム内通貨Lの取引(交換取引)を可能としてもよい。ある「アソシエイツ」のアカウントに対し、実社会における取引においてシステム内通貨Lを大量に購買することができる「事業者」のアカウントが存在する場合がある。この場合、ある「アソシエイツ」のアカウントのみでは、この「事業者」のアカウントからの需要量を満たすほどのシステム内通貨Lの発行を受けることができない可能性がる。この場合、他の「アソシエイツ」のアカウントのユーザからシステム内通貨Lを集めてこの「事業者」のアカウントからの需要に応じることができる。この場合、「事業者」のアカウントのユーザも、不特定多数の「アソシエイツ」のアカウントと取引所で取引を行なうことなく、信頼に足る「アソシエイツ」のアカウントと直接的に取引ができる。「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザ同士で取引を可能とすることで、地域間、及び異なる情報交換マーケット間におけるシステム内通貨Lの需給ギャップを解消させることもでき、情報流通をさらに促進することができる。なお「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザ同士の取引では、二重課税防止の観点での譲渡手数料の免除という処理が追加的に行われるようにしてもよい。【0117】なお、取引所としての機能の売買の取引成立における対価、つまりシステム内通貨Lの価値については、後述する通貨発行部6B及び通貨制御部6Cの機能により、システム内通貨Lの単価が、場所的(例えば、購買力平価の異なる複数国家にまたがる等)及び時間的(例えば、現在と将来とにまたがる等)に一定水準に保たれ、通貨の重要な機能とされている「価値の尺度機能」を適切に働かせることができるようにし、また、システム内通貨Lの価値をシステム外の資産の価値と適切にバランスさせながら、システム内通貨Lの需要に応じた供給調整を行い、システム内通貨Lのボラティリティーを抑え込み、流通速度を向上させ、さらに、上述の投資又は投機目的での売買を抑制する。この機能については詳細を後述する。【0118】次に、システム内通貨Lを「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザから譲り受けることにより獲得した「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザによるシステム内通貨Lの利用行為について説明する。「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザは、使用する端末装置7を介して利用行為の要求を情報流通サーバ装置6へ送信する。利用行為とは上述したように、情報交換マーケットにおいてコンテンツと見なされない情報(従として取り扱われる情報)についての発信を含む情報交換マーケットの有利的利用行為、又はシステム内通貨Lを用いた有償コンテンツの取得行為である。【0119】図10は、情報流通サーバ装置6における利用行為の受付処理の一例を示すフローチャートである。制御部60は管理部6Aの機能により、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが使用する端末装置7からの要求を受け付ける(ステップS801)。管理部6Aは利用要求受付部601及び取得要求受付部602として機能する。【0120】制御部60は、受け付けた要求の内容を特定する(ステップS802)。ステップS802にて制御部60は例えば、要求の内容が従として取り扱われる情報の発信であると特定する。又は制御部60は、要求の内容が有償コンテンツの取得であることを特定する。【0121】制御部60は、特定した内容が情報の発信であるか否かを判断し(ステップS803)、情報の発信であると判断された場合(S803:YES)、要求元のアカウント情報に対して消費すべきシステム内通貨Lの消費量を決定する(ステップS804)。すなわち、制御部60は消費量決定部611として機能する。ステップS804において制御部60は例えば、要求の内容に応じて、記憶部61又は記憶装置63に記憶してある設定情報に基づいてシステム内通貨Lの消費量を決定するとよい。ユーザの要求に応じたシステム内通貨Lの消費量を決定付ける設定情報は、システム管理者によって、又は情報流通サーバ装置6の機能によって自律的に、利用を多くするように更新されるとよい。【0122】制御部60は、決定された消費量の分だけ、要求元の「事業者」又は「個人」のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lを消費させ(ステップS805)、要求に対する処理を終了する。すなわち、制御部60は、第1の消費活動によるシステム内通貨Lの消費(消滅)をシステム内通貨管理テーブルに記録する消費記録部603として機能する。ステップS805にて制御部60は、取引処理部6Dにて記憶装置63に記憶されているアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lの数量を減少させる。具体的には、制御部60は、要求元の「事業者」又は「個人」が所有するシステム内通貨Lのレコードを決定された消費量分だけシステム内通貨管理テーブルから削除する処理を実行する。このとき減少分のシステム内通貨Lは、他へ移転されることはない。ステップS805におけるシステム内通貨Lの消費によって、システム内通貨Lは情報交換マーケットから消滅する。【0123】また、制御部60は、システム内通貨Lを消費させる前に、ステップS804で決定した消費量の情報を要求元の端末装置7へ送信し、システム内通貨Lの消費を承諾するか否かを要求元のユーザに確認してもよい。端末装置7は、受信した消費量の情報を表示部73に表示し、システム内通貨Lの消費を承諾するか否かの選択を操作部74にて受付ける。端末装置7は、選択結果を通信部72より情報流通サーバ装置6へ送信する。情報流通サーバ装置6は、システム内通貨Lの消費を承諾する旨の選択結果を受付けた場合にのみ、決定した消費量分のシステム内通貨Lを消費させる。【0124】ステップS803では、広告宣伝等の情報の発信であるか否かを判断したが、この消滅を伴う利用には、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが所望のコンテンツをはじめとして、情報交換マーケットを有利に利用できる、例えばより早く、多く、適切に取得できるようにする情報収取利用行為等であってもよい。この場合システム内通貨Lをより多く消費するほどに、優先度や、精度を向上させて利用できるようにしてもよい。【0125】情報交換マーケットが有益な情報を提示するマーケットとなる程に、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザは、これに関連付けて広告宣伝となるような情報の発信を望むようになる。これにより、主に「事業者」のアカウントを持つユーザから、著作物を創作及び提供する情報提供者である「アソシエイツ」のアカウントのユーザへ、直接的且つ効果的に広告宣伝費用を還流させることができる。「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザの数の増大、及び利用時間の上昇によって、更にその規模が大きくなる。【0126】ステップS803にて情報の発信でないと判断された場合(S803:NO)、要求の内容は有償コンテンツの取得である。この場合制御部60は、有償コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けて記憶装置63に記憶されている価格に基づき、その価格分だけ、要求元のアカウント情報に対応付けられているシステム内通貨Lを有償コンテンツ提供者のアカウント情報に移転させ(ステップS806)、処理を終了する。具体的には、制御部60は、要求元のユーザ(事業者又は個人)が所有するシステム内通貨Lのうち、有償コンテンツの価格分だけ、システム内通貨Lの取得者IDを要求元のユーザのIDからコンテンツ提供者のIDに書き換える処理を実行する。また、制御部60は、移転先のユーザに応じてシステム内通貨Lの消滅予定日を書き換える処理を併せて実行する。すなわち、制御部60は第1移転記録部604として機能する。なお、コンテンツ識別情報に対応付けて記憶されている価格は、「アソシエイツ」のアカウントのユーザが端末装置7を用いて有償、無償の別を問わずコンテンツとして発信する際に、指定するか事後的に、コンテンツを指定して価格を設定することができるようにすればよく、例えば、発信する際に、価格の指定がなければ無償コンテンツとして扱うことにしてもよい。【0127】ステップS806にて具体的に制御部60は、取引処理部6Dの機能により、要求元のアカウント情報に対応付けられて記憶装置63の出納記録に記憶されているシステム内通貨Lの数量を、価格分だけ減額して記録する(通帳記録)。この場合、同タイミングで制御部60は、有償コンテンツの提供元のアカウント情報に対応付けて、当該有償コンテンツを取得した要求元のアカウント情報に対応付けられ減額したシステム内通貨Lの数量を記憶装置63の出納記録に記録する。【0128】このように、有償コンテンツにより、例えば「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザが任意に価格を設定し、創作する著作物のコンテンツの販売が可能である。図11は、有償コンテンツの価格設定を受付ける処理の一例を示すフローチャートである。端末装置7の制御部70は、情報交換マーケットに発信された有償又は無償コンテンツの取得に必要な価格設定を受付ける受付画面を表示部73に表示させる(ステップS901)。この受付画面には、例えば、コンテンツを識別する識別情報の表示欄、コンテンツの価格(システム内通貨Lの数量)が入力される入力欄、入力された価格を確定させるための確定ボタンなどが配置される。【0129】次いで、制御部70は、コンテンツの価格が確定したか否かを判断する(ステップS902)。すなわち、上述した受付画面の入力欄に価格が入力され、確定ボタンが押下操作された場合、コンテンツの価格が確定したと判断することができる。価格が確定していないと判断した場合(S902:NO)、制御部70は、価格が確定するまで待機する。【0130】価格が確定したと判断した場合(S902:YES)、制御部70は、コンテンツを識別する識別情報、及び確定された価格(システム内通貨の数量)等の情報を情報流通サーバ装置6へ送信する(ステップS903)。情報流通サーバ装置6は、コンテンツの識別情報及び価格の情報を受信した場合、受信した情報を対応付けて記憶装置63に記憶させる。【0131】また、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザとしても、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザから購入する等をして獲得したシステム内通貨Lを支払って、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザが販売する有償コンテンツを取得することができる。有償コンテンツは、例えば従来におけるメールマガジンでもよいし、書籍、音楽、映画等のコンテンツであってもよい。コンテンツの発信者であるユーザは、一部のみを無償コンテンツとして発信し、これを利用した「個人」又は「事業者」のアカウントを持つユーザが更に取得したいと考えた場合に、全部を有償コンテンツとして取得してもらうという形態をとることもできる。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、情報交換マーケットに対し、多様な著作物を多様な形態で提供することができる。有名、無名、資金の有り無しに関わらず、あらゆるコンテンツを、その価値を認めてくれるユーザへ提供することができるようになる。無名のコンテンツの価値が、誕生して認められやすくなり、創作者の創作意欲を向上させ、著作物の価値の流通を促進する効果を発揮する。なお、情報交換マーケットにおいて発信されるコンテンツは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザ自らが創造した著作物に限らず、例えば、音楽配信業者が著作者から委託又は譲り受けた著作権等の権利に基づく著作物であってもよい。この場合に、当該著作物をコンテンツとして発信する「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、音楽配信業者となる。つまり、動画配信業者等のコンテンツ配信業者も「アソシエイツ」のアカウントを持ったユーザとして、情報交換マーケットにおいて事業を展開できるようにしてもよい。【0132】「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザによる情報交換マーケットにおける消費活動においては、システム内通貨Lの消滅を伴う利用行為(第1の消費活動)と、消滅しない利用行為(第2の消費活動)とに区別されていることは上述のとおりである。なお、このとき「アソシエイツ」のアカウントにおけるシステム内通貨Lの譲渡と異なり、「事業者」又は「個人の」アカウントに対する手数料の徴収はされないようにしてある。しかしながら、第1の消費活動に伴うシステム内通貨Lの消費において、「事業者」のアカウントによって消費されるシステム内通貨Lの内から所定率の額を、システム管理者に一時的に徴収されるものとして、後述する「ベーシックインカム」の原資としてもよい。この場合に「ベーシックインカム」の原資たるシステム管理者に徴収される「事業者」のアカウントからシステム管理者に移転するシステム内通貨Lは、予め設定された「税率」に基づいて第1の消費活動時に徴収されるとよい。そしてこの「税率」によって徴収されたシステム内通貨Lは、「ベーシックインカム」として「個人」のアカウントを持つユーザに対して配給されるようにしてもよい。「ベーシックインカム」として配給することで、情報交換マーケットにおける「個人」のアカウントを持つユーザの経済活動を支援し、個人消費を促し、「個人」のアカウントを持つユーザの利用頻度を高め、結果的に情報交換マーケット全体のシステム内通貨Lの流通量および消費量を増大させる効果を発揮する。なお、第2の消費活動に対しても上述の課税を行うようにしてもよい。【0133】このように、無償コンテンツ発信によって「アソシエイツ」のアカウントのユーザに対して発行されたシステム内通貨Lは、ユーザがシステム内通貨Lの消費を伴う広告宣伝等の従として取り扱う情報を発信するといったような情報交換マーケットのその他のユーザに比して相対的に有利な利用行為、又は消滅期限の到来によって消滅するまでは、図7から図9を参照して示した譲渡等の移転や、上述したような有償コンテンツの際の利用により、ユーザ間で転々と流通する通貨である。図12は、システム内通貨Lの供給・流通・消滅の流れを示す図である。なお、システム内通貨Lは、従来は発行時に発行主体の負債となってしまっていた、発行主体の帰属する国家における法定通貨の補完物であるポイントや電子マネー等の価値交換媒体と異なる。システム内通貨Lは、発行主体の負債にならないにもかかわらず、情報流通サーバ装置6の機能によって本源的経済価値を自らが有する貨幣となり、発行主体の用いる情報流通サーバ装置6によって構築される一又は複数の情報交換マーケットにおいて価値交換媒体として縦横無尽に流通する通貨になる。【0134】通貨発行部6Bの機能について説明する。通貨発行部6Bは、情報交換マーケットにおいて「アソシエイツ」のアカウントに対してシステム内通貨Lを新規発行する機能を持つ。通貨発行部6Bは、新規発行したシステム内通貨Lの情報(例えば通し番号等の識別情報)を記憶装置63に帰属と共に記憶するとよい。新規発行時において、システム内通貨Lの帰属は、システム内通貨管理テーブルにおいて管理される。【0135】通貨制御部6Cは、システム内通貨Lの価値を変動させる機能を発揮する。通貨制御部6Cは、各ユーザがシステム内通貨Lを取得してから所定期間経過後に、価値をゼロ、即ち消滅させる、若しくは使用できなくするか、又はより少ない価値に変動させる価値制御部608として機能する。システム内通貨Lを制御する情報流通サーバ装置6には、ユーザの所有期間の経過とともにシステム内通貨Lの価値が減少又は消滅するプロセスが具備されている。また、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、システム内通貨Lに対して自らの消費価値を有していない。そして、「アソシエイツ」からシステム内通貨Lをその他の資産と交換して取得する「事業者」や「個人」のアカウントを持つユーザは、システム内通貨Lに対して消費価値のみを有している。さらに、システム内通貨Lは、「アソシエイツ」のアカウントに対する新規発行において、システム管理者の負債とせずに発行すること、及び発行段階でシステム内通貨Lに財産的価値が付与されていないことから、システム内通貨Lは発行初期の段階で「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザの資産ではなく単なる定量化された評価ということがある。このことから、発行するシステム内通貨Lの消滅期限は、システム管理者の任意の設定とすることができる根拠を有するようになっている。極端な消滅期限設定として、システム内通貨Lの取得経緯が無償取得の場合には1日、1週間又は1か月のように短期としてもよく、取得経緯が有償取得(アソシエイツからの購入等)の場合であっても1か月、3か月、又は6か月のように資産価値を与えず消費価値のみ与えるような短期としてもよい。そして、システム内通貨Lは、消費可能なユーザによる第1の消費活動によっても消滅する。これらのことから、情報交換マーケットを流通するシステム内通貨Lは、従来の価値交換媒体と比して、流通速度の速い価値交換媒体として機能させることができる特徴を有する。システム内通貨Lは、情報交換マーケットにおいて流通速度の速い貨幣としての機能を発揮し、マーケットにおける情報流通速度を向上(情報交換マーケット総生産を押し上げ)させる効果を発揮させることができる。なお、このことは、システム管理者のマーケット制御力を向上させる効果も同時に期待できる。また、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、いつでも発行されたシステム内通貨Lをその他の資産に交換できることから、システム内通貨Lが具備していない価値保蔵機能は、システム全体として機能する。このように、情報流通サーバ装置6の機能部の処理によって、システム内通貨Lは、従来の法定通貨に比して貨幣流通速度の速い通貨としての効果も期待できるようになる。
【0136】通貨制御部6Cは通貨発行部6Bによるシステム内通貨Lの情報交換マーケットへの供給量、即ち「アソシエイツ」のアカウントへのシステム内通貨Lの発行数量を決定する。通貨制御部6Cは、記憶部61又は記憶装置63に記憶されている設定情報に基づいて供給量を決定する。通貨制御部6Cは例えば、取引処理部6Dにおける譲渡先を指定しない取引情報、即ちシステム内通貨Lに対するユーザの売り注文及び買い注文を参照し、システム内通貨Lに対する売買注文で約定されるシステム外の資産の価値の推移に基づいて供給量を決定してもよい。また、通貨制御部6Cは、後述する、「借り受け事前販売量」をモニタリングすることによるシステム内通貨Lの新規供給量を調整するアルゴリズムによって決定してもよい。【0137】例えば、通貨制御部6Cは、買い注文が多く、システム内通貨Lの価値が相対的に上昇する傾向にあると判断した場合には、新規供給量を増やすように設定情報を更新してもよい。逆に通貨制御部6Cは、売り注文が強く買い注文が弱いと判断した場合には、新規供給量を減らすように設定情報を更新してもよい。これにより、情報交換マーケットにおけるシステム内通貨Lの需給バランスを安定させることができるようになり、同時にシステム内通貨Lのボラティリティーも下げることができるようになり、また、システム外の資産との間の取引における約定速度を向上させることが可能になる。【0138】通貨制御部6Cは、取引所(取引所機能)の売買注文の約定価格の推移に基づき供給量を決定することが可能であるが、この他に以下のようなアルゴリズムで供給量を調整してもよい。図13は、以下のアルゴリズムによるシステム内通貨Lの新規供給量の基準の概要を示す図である。図13に示す円グラフの全体は、情報交換マーケットにおいて流通しているシステム内通貨Lの流通総量を表す。図13に示す円グラフのうち色付き部分は、評価値に基づいてアソシエイツに対して発行されたシステム内通貨Lの流通数量を表す。図13に示す円グラフのうち色が付いていない部分は、後述する借り受け事前販売量の残数を表す。情報交換マーケットでは、情報流通サーバ6の機能部の処理によって前記借り受け事前販売量の割合を所定の範囲内に収めようとするシステム内通貨Lの供給調整(アソシエイツへのシステム内通貨L発行数量の調整)が行われることで、情報交換マーケットにおけるシステム内通貨Lの需給バランスの安定化を図りつつシステム内通貨Lの貨幣価値を一定に保つことが可能となる。
(1)取引所におけるシステム内通貨Lの売り注文は、販売価格(交換対価の設定)が低い程優先して約定させる。
(2)通貨制御部6Cは、取引所にてシステム内通貨Lの売り注文を、交換するあらかじめ定められた法定通貨又は特定の仮想通貨等のその他の資産(交換資産)と予め設定情報として定めた所定の交換比率、例えば1対1の関係(システム内通貨Lと、システム管理者が定める交換資産とが等価交換になるようにシステム管理者は任意に交換比率を定めればよい。また、定める交換資産がシステム管理者の発行する特定の仮想通貨の場合には、等量交換が望ましい)で無限に立てる。
(3)(2)の売り注文は、「アソシエイツ」のアカウントからの売り注文と販売価格が同額であれば劣後して約定させる。つまり、「アソシエイツ」のアカウントからの売り注文の販売価格が(2)の販売価格よりも高い場合、及び「アソシエイツ」のアカウントからの(2)の販売価格と同額以下の売り注文の要求量が、買い注文の要求量を下回ったとき、通貨制御部6Cは、(2)の売り注文に基づき「借り受け量」を増加させ、買い注文を約定させる。なお、ここで言う「借り受け量」とは、通貨制御部6Cが、約定させた(2)の売り注文において必要となったシステム内通貨Lの数量である。通貨制御部6Cは、無限にシステム内通貨Lを発行する機能を有しているといえる。取引所におけるシステム内通貨Lの需給バランスに基づき、通貨制御部6Cによって「追加的に発行されたシステム内通貨Lの数量」のことを「借り受け量」と称した。
これにより、ユーザが(2)の価格(交換比率)以上の価格で買い注文を取引処理部6Dへ送信した場合に、必ず(2)の価格で約定され、ユーザがシステム内通貨Lを購入できない状態が生じない。ユーザはいつでも予めシステム管理者によって定められた法定通貨又は特定の仮想通貨を定められた交換比率でシステム内通貨Lと交換できる。
(4)(1)〜(3)によって取引処理部6Dでは、システム内通貨Lを大量に(無限に)販売している状態となるが、通貨制御部6Cはこの数量を「借り受け事前販売量」として記憶しておく。
(5)通貨制御部6Cは、記憶している「借り受け事前販売量」と同量のシステム内通貨Lの買い注文を(2)の価格で取引処理部6Dに立てる。
取引処理部6Dにおけるユーザの立てた売り注文に対しては、ユーザの立てた買い注文から優先的に約定させる。ユーザの売り注文が存在しているにも関わらずユーザの買い注文が存在しない場合のみ、通貨制御部6Cからの買い注文が約定され、「借り受け事前販売量」を減少させ、記憶する。これにより、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザが売り注文を立てた場合、「借り受け事前販売量」の残高がある限り、必ず約定される。「借り受け事前販売量」の残高がある限り、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザがシステム内通貨Lを販売(売却)できない状態は生じない。「借り受け事前販売量」の残高がある限り、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザはいつでも、システム内通貨Lをあらかじめ定められた交換比率で定められた法定通貨又は上述した特定の仮想通貨等の資産に交換できるようになる。
(6)通貨制御部6Cは、「借り受け事前販売量」が設定情報として設定された閾値(Z、以下に説明する)を下回った場合、「アソシエイツ」のアカウントに対応付けられているシステム内通貨Lの保有期間による価値の減少(消滅期限のカウント)を停止させる。
(7)通貨制御部6Cは、「借り受け事前販売量」が、情報交換マーケットに存在するシステム内通貨Lの総量のA%(Aは設定値であり、例えば10%)に近づくように通貨発行部6Bによる供給量を調整する。【0139】上述の(1)〜(7)の基礎的処理に続けて措置的処理は以下のように実行される。
(8)通貨制御部6Cは、「借り受け事前販売量」がA%からB%上振れした場合、即ち需要増大、供給不足の状態では、所定のC期間におけるシステム内通貨Lの総量を(A×B)%増大させるように供給量を調整する。需要増大、供給不足の状態は、「借り受け事前販売量」がシステム内通貨Lの総量の(A+A×B)%となっている状態である。B%は設定情報であり、例えば50%である。C期間も設定情報であり、1か月、2か月又は1週間等の任意の期間である。
システム内通貨Lの新規供給量の調整を行なった場合に「借り受け事前販売量」に反映するまでにはある程度の期間を必要とする。その間もシステム内通貨Lの新規供給量の調整が続けられたままとなること(供給量の過剰調整)を防ぐために、「一定期間(例えばD期間)」が経過するまでの間は、「借り受け事前販売量」が閾値を上回っていたとしても新規供給量の調整は行なわないようにするとよい。このD期間は、設定された「借り受け事前販売量」を下回るまでの期間としてもよい。所定の期間Cの設定は、短ければ調整の影響は大きく、長ければ調整の影響は小さくなる。これらの設定情報は、システム管理者が端末装置を介して情報交換マーケットの状態に応じて更新するとよい。【0140】なお、「借り受け事前販売量」の増加局面である需要増大、供給不足時における「新規供給量の調整」とは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザに、評価値に基づいて決定され発行されるシステム内通貨Lの数量に対して、本アルゴリズムによって導出された「係数」を乗じて、システム内通貨Lの発行数量を増加補正する措置である。こうすることによって、情報流通サーバ装置6は、需要増大、供給不足時において情報交換マーケットにて流通するシステム内通貨Lの流通総量を効果的に増加させることができるようになり、併せてシステム内通貨Lの単価の上昇を未然に防ぐ効果を奏する。なお、別の見方をすると、システム内通貨Lの需要増大局面については、無償コンテンツ及び「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザをより高く評価するよう評価値を上昇させる措置を講じているともいえる。つまり、無償コンテンツ及び「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザへの評価は一義的なものではなく、情報交換マーケットの総消費需要(総システム内通貨L需要)に基づきリアルタイムに変動するものであると言える。このことも含めることによって、アソシエイツによって発信され、その他のユーザに移転した価値たる無償コンテンツの経済的価値をバリュエーション(評価)することがさらにできるようになる。このようなことから、システム内通貨Lは、本源的経済価値を有した価値交換媒体であると言える。以降、情報流通サーバ装置6によって価値交換媒体たるシステム内通貨Lは流通する。【0141】(9)(8)の新規供給総量調整は、即効性を高めるために遡って計算し、過去において、既に「アソシエイツ」のアカウントに対して供給されたシステム内通貨Lの量に上乗せして、通貨発行部6Bが調整分を更に「アソシエイツ」へ即時に追加供給してもよい。以降、新規供給総量調整が行なわれ続けるようにしてもよい。このように、新規供給量を調整する本アルゴリズムによって調整される供給量は、都度、リセットしながら毎回新規に行われるものではなく、乗算的に重ね続けるようにしてもよい。この場合に一度閾値を超えて乗算された評価値に乗じる係数値は、以降もずっとそのままであり、その状態から、さらに閾値を超えた場合に、追加して補正を加え続ける態様としてもよい。【0142】(10)通貨制御部6Cは、「借り受け事前販売量」がA%からD%下振れした場合、即ち需要減少、供給過多の状態では、所定のE期間におけるシステム内通貨Lの総量を(A×D)%減少させるように供給量を調整する。需要減少、供給過多の状態は、「借り受け事前販売量」がシステム内通貨Lの総量の(A−A×D)%となっている状態である。D%は設定情報であり、例えば50%である。E期間も設定情報であり、1か月、2か月又は1週間等の任意の期間である。
需要減少時も(8)同様に、システム内通貨Lの新規供給量の調整を行なった場合に、反映までに期間を要するから、一定期間が経過するまでの間は、「借り受け事前販売量」が閾値を下回っていたとしても新規供給量の調整は行なわないようにするとよい。この「一定期間」は、設定された「借り受け事前販売量」を上回るまでの期間としてもよい。なお、所定の期間Eの設定は、短ければ調整の影響は大きく、長ければ調整の影響は小さくなる。これらの設定情報は、システム管理者が端末装置を介して情報交換マーケットの状態に応じて更新するとよい。【0143】なお、「借り受け事前販売量」の減少局面である需要減少、供給過多時における「新規供給量の調整」とは、「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザに、評価値に基づいて決定され発行されるシステム内通貨Lの数量に対して、本アルゴリズムによって導出された「係数」を乗じて、システム内通貨Lの発行数量を減少補正する措置である。こうすること、及び後述の仕組みを付加することによって、情報流通サーバ装置6は、需要減少、供給過多時において情報交換マーケットにて流通するシステム内通貨Lの流通総量を効果的に減少させることができるようになり、併せてシステム内通貨Lの単価の下落を未然に防ぐ効果を奏する。【0144】上述のように通貨制御部6Cは、システム管理者が使用する端末装置から、情報交換マーケットの状態に応じてこれらの設定情報の更新を受け付ける。
(11)需要減少時の供給調整を行なうタイミングをもって(6)における「借り受け事前販売量」の閾値Zとし、通貨制御部6Cは、「アソシエイツ」のアカウントのユーザに対応付けられているシステム内通貨Lの保有期間による価値の減少(消滅期限のカウント)を停止する措置を実行するとよい。通貨制御部6Cは、システム内通貨Lの需要が増加し、「借り受け事前販売量」がAの値に到達した場合、停止していた消滅期限のカウントを再開させる。具体的には、例えば、通貨制御部6Cは、「アソシエイツ」のアカウントIDに紐づけられている通貨IDの消滅期限を、上記措置の実行期間中1日進むごとに1日延長させた値に更新し、当該措置が終了すると、元の処理に戻す。【0145】(8)〜(11)の措置的処理に続けて緊急的処理は以下のように行なわれる。
(12)急激な需要減少があり、「借り受け事前販売量」が0(ゼロ)、又は0に所定の範囲で近くなった場合、通貨制御部6Cは、このタイミングに限って、上述した「ベーシックインカム」における税率を所定率へ上昇させる。所定率も設定情報であり、更新することにより変更可能である。これにより、1又は複数の情報交換マーケット全体のシステム内通貨Lの消費量を実質的に増加させると共に、システム内通貨Lの「個人」のアカウントを持つユーザへの無償給付量を増大させ、「個人」のアカウントを持つユーザの消費を下支えすることができる。なお、この緊急的処理が行なわれる場合には、ユーザの端末装置7へこれを周知するとよい。情報交換マーケットにおける「借り受け事前販売量」を含むシステム内通貨Lの流通状態をユーザに公開するとよい。このときこの緊急的処理の実行タイミングをユーザは予測することができるようになる。したがって、実行直前(増税直前)における「事業者」のアカウントを持つユーザによる駆け込み消費が期待でき、このことにより需要を増大させ、結果的に緊急的処理を遅らせる、又は緊急的処理を行なわなくて済むという効果が期待できる。【0146】通貨制御部6Cはまた、取引処理部6Dにおいて上述の「借り受け事前販売量」が1以上存在している「平時」においては、システム内通貨Lの単価(1単位あたりのその他の物品又は役務の提供、並びに法定通貨等のその他の資産との交換価値)を一定水準(あらかじめ設定情報として定めた所定の交換比率)に保つようになる。また、上述及び後述の処理によって、情報交換マーケットにおける景気の減退期、金融政策失敗時等の例外時における急激な需要減少等の「緊急時」(「借り受け事前販売量」が0の状態、つまり上述の緊急的処理が行なわれるような状態)であってもシステム内通貨Lの取引所での単価は下がりにくくなる。【0147】閾値Zを超えるような需要減少時には上述したように、「アソシエイツ」のアカウントに対応付けられているシステム内通貨Lの消滅期限のカウントが停止しており、「借り受け事前販売量」が0(ゼロ)又は0に近くなったとしても、ユーザ(アソシエイツ)はシステム内通貨Lを安く販売せずともよい。いずれ、流通総量の減少と共にシステム内通貨Lの需要は元の需要に回復する(借り受け事前販売量が1以上になる)からである。ユーザは、「平時」の交換資産の値段(通貨制御部6Cによって予め定められた交換比率、例えば1対1)で立てておいたままにしておけばよい。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザは、交換資産がすぐほしい等の場合にのみ、例えば1対0.9等、安く交換比率を設定して売り注文を送信すればよい。【0148】更に通貨制御部6Cは、(12)の「緊急時」には、「借り受け事前販売量」が0(ゼロ)又は0に近くなった場合に、システム管理者が使用する端末装置を介し、予め設定された注文価格での買い注文を受け付けてもよい。これにより、システム管理者によって「アソシエイツ」のアカウントのユーザから売り出されたシステム内通貨Lが一時的に買い受けられる。なおこの場合の買い注文の価格は、「平時」の買い注文の価格と同額でもよいし、システム内通貨Lの価格の下落を許容する場合には、許容範囲内で「平時」の買い注文の価格を下回る価格でもよい。この場合新規供給総量の調整が行われ、需給バランスの回復が成された場合に、通貨制御部6Cはシステム管理者が使用する端末装置から、買い受けてあったシステム内通貨Lの売却を受け付ける。このときの売却価格は買い受けた金額でもよいし、通常に売り立てる価格(通貨制御部6Cによって予め定められた交換比率、例えば1対1)でもよい。これにより、「緊急時」には、システム管理者が買い支えることで価格がシステム管理者の下落許容価格を下回ることは無くなり、システム内通貨Lの売買価格が下落することを防ぐことができると同時に、需要の低下により、取引が成立しないといった状態も防ぐことができる。【0149】このようにし通貨発行部6B及び通貨制御部6Cは、自律的に需給ギャップに基づき、システム内通貨Lの売り注文(新規生成と販売、または保有分の売却)と、買い注文(新規生成販売分の買戻し、または需要不足分の回収)を行なう。【0150】通貨発行部6B及び通貨制御部6Cにおける処理により、取引処理部6Dにて、需要者のシステム内通貨Lの買い注文に対し、ユーザにストレスを与えることなく決済させることができる。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザによるシステム内通貨Lの販売についても、平時においてはストレスなく決済される。ユーザは緊急事態のみ、少しの間、待っていればよいから、従来の取引所にあるようなユーザの取引ストレスを低減させる効果も期待できるようになる。【0151】通貨発行部6Bは、システム内通貨Lの新規供給量の調整値を算出するに際し、不足、又は余っているシステム内通貨Lの量が、「借り受け事前販売量」のモニタリングによって容易に算出できるようになる。したがって、システム管理者にとってもユーザにとっても、調整の根拠を容易に認識することができる効果も期待できる。【0152】また通貨制御部6Cは、上述した「借り受け事前販売量」のモニタリングによるシステム内通貨Lの新規供給量の調整アルゴリズムに拠らずに新規供給量を調整することも可能である。例えば、通貨制御部6Cは、記憶部61又は記憶装置63に記憶してある設定値P、Q、Rに基づき、システム内通貨Lの総流通量に対する数量を調整供給量として増加又は、減少させる。Pは「適正価格」であり、Qは価格の変動許容上限、Rは変動許容下限である。いずれも設定情報であって変更可能である。設定値Q及びRについては、複数段階での閾値を用いて段階的な調整供給とすることも可能である。【0153】通貨制御部6Cは、取引処理部6Dにおけるシステム内通貨Lの約定価格が設定値Qを超過したか否かを定期的に判断し、超過したと判断した場合に、通貨発行部6Bによって調整供給を開始させる。通貨制御部6Cは、システム内通貨Lの現在の価格をx、調整供給量をyとした場合、調整供給量yを以下のように算出する。
y=((x−P)/P)×総流通量
調整供給が反映するまでに時間を要することから、調整供給が過度に行なわれ続けないようにするため、通貨制御部6Cは調整供給の開始後、所定の期間が経過するまでは調整供給を停止させる。【0154】通貨制御部6Cは、取引処理部6Dにおけるシステム内通貨Lの約定価格が設定値R未満となったか否かを定期的に判断し、設定R未満となったと判断した場合も通貨発行部6Bによって調整供給を開始させる。通貨制御部6Cは、システム内通貨Lの現在の価格をx’、調整供給量をy’とした場合、通貨発行部6Bは、y’を以下のように算出する。
y’=((P−x’)/P)×総流通量
この場合も通貨制御部6Cは、調整供給の開始後、所定の期間が経過するまでは調整供給を停止させるとよい。調整供給が減少の場合は、流通中のシステム内通貨Lを直接的に削除(消滅)させることができないから、少しずつ減少させることになる。したがって、設定値Rと適正価格Pとの間の差異は、設定値Qと適正価格Pとの間の差異よりも小さくすることが好ましい。【0155】調整供給量y(y’)による調整供給は通貨発行部6Bにより、以下のように行なわれる。通貨制御部6Cは、「アソシエイツ」のアカウント毎に、評価値に基づく発行量(評価供給量)から調整供給量の配分を算出する。通貨制御部6Cは、「アソシエイツ」のアカウント毎の発行量の、全発行量に対する割合に応じて、調整供給量を配分する。なお基になる評価供給量は、増加させる場合は直近の評価供給量、減少させる場合は次のタイミングで決定される評価供給量を用いて算出するとよい。なお、増加させる場合も減少させる場合も、次のタイミングで決定される評価供給量を用いてもよい。通貨制御部6Cは、「アソシエイツ」のアカウント毎の評価供給量ではなく、評価値そのものの全体に対する割合に応じて調整供給の配分を算出してもよい。配分の算出方法は、できるだけ「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザに公平に配分されるように種々の方法が考えられる。【0156】システム管理者等によって設定される第1の消費価格は主体群ごとに夫々最適解を求めて設定され、更新される。複数の主体群を比較した場合、各主体群で活動するユーザの数、コンテンツ流通の活性度、及び実体経済における購買力等に応じて、主体群毎に、システム内通貨Lの利用行為における消費量に差異が生じる。アソシエイツにとっての獲得するシステム内通貨Lの実質の経済的価値にも差異が生じる可能性がある。他のシステム外の資産との約定価格にも差異が生じる可能性がある。これは、複数の主体群を一括して管理する情報流通サーバ装置6であって、構築する情報交換マーケットにおいて全体を通して流通させる単一通貨であるシステム内通貨Lを生成及び流通させていることによる。通貨制御部6Cは、この差異を反映させて評価値を補正する。図14は、主体群に応じて評価値を補正する手法の一例を示すフローチャートである。補正された評価値に基づいて、通貨発行部6Bは「アソシエイツ」のアカウントへシステム内通貨Lを発行する。【0157】この補正は、「評価」の価値(情報のユーザ間の移動に伴うユーザ間で移動した価値)は、ユーザが所属する主体群の購買力によって大きくも小さくもなり、また時代の変遷に伴う主体群の購買力の変動によっても変動するため行なわれるべきである。また、購買力平価にもあるように、主体群の一つである国家ごとの、物品又は役務等に対する経済価値は国家ごとに異なる。これら購買力平価の異なる主体群を複数内包するマーケット(情報交換マーケット)における単一決済手段(システム内通貨L)を提供する場合には、その生成、流通等の制御について、購買力平価について考慮しなければならない。ここで説明するアルゴリズムは、これらの課題を解決する手段である。なお、ここで言う「主体群」とは、情報交換マーケットを利用する「アソシエイツ」、「事業者」、「個人」等のアカウント(を持つユーザ)の記憶部61に記憶された属性情報を、あらかじめ記憶部61に記憶してある設定情報によって一定範囲にまとめた呼称であって、さらに、記憶部61に記憶された属性情報の一つである「地域属性」を一定範囲にまとめた「地域属性主体群」の呼称である。「主体群」は、市区町村、都道府県、州、地域、国家、経済圏、又は大陸等、どのようにでも定めることのできるものであるが、ここでは「国家」を想定して説明する。別の表現をすると、「主体群」とは、同一の地域属性を有するアカウントの集合体であって、文化、言語、購買力平価、税制等の同様な集団を指す。つまり、「主体群」とは、たいていの場合、国家を表す。【0158】(1)通貨制御部6Cは、所定の期間において、各主体群におけるユーザ(アソシエイツ)の評価総量が、当該主体群における第1の消費活動において決定(消費)されたシステム内通貨Lの消費量の総量(第1消費量)と等しくなる値(評価購買力倍率)を以下のように算出する(ステップS1301)。
各主体群の所定の期間の評価購買力倍率=第1消費量/評価総量
(2)通貨制御部6Cは、購買力の差異を反映させた、各主体群に属するアソシエイツ及び無償コンテンツへの評価値(購買力反映評価値)を以下のように算出する(ステップS1302)。すなわち、通貨制御部6Cは評価補正部610として機能する。
購買力反映評価値=元の評価値×評価購買力倍率
通貨発行部6Bは、この補正後の購買力反映評価値を用いてシステム内通貨Lを発行する。【0159】このような補正を行なうことにより、購買力に差の有る主体群毎において、アソシエイツ及び無償コンテンツに対してその差を反映させた評価値が算出される。以降、情報流通サーバ装置6は通貨発行部6Bによって、購買力反映評価値に基づいてシステム内通貨Lを「アソシエイツ」のアカウントへ発行する。このように、購買力平価の差にあるような経済格差に影響を受けない効率的なシステム内通貨Lの主体群間の流通が実現し、主体群の経済格差に影響を受けない効率的な情報の流通が実現する。更に購買力反映評価値が逐次更新されることで、経済格差の時間的変動もリアルタイムに吸収される。【0160】上述で算出される評価購買力倍率は、購買力平価のような存在であり、主体群間の購買力の差異を表す指標にもなる。システム管理者によって更新される設定情報としての評価関数は、ここで説明する評価補正アルゴリズムを用いることによって、主体群間の差異についてシステム管理者及びユーザが考慮する必要がなくなり、購買力差のある地域間の「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザにとって合理的な評価値が算出されるようになり、情報交換マーケットにおける情報流通の阻害要因を排除できるようになるとともにユーザの利用が促進され、情報流通が活性化する。そして、このこと、及び上述の「新規供給総量調整アルゴリズム」によるシステム内通貨Lの発行量の制御によって、システム管理者によって更新されるシステム内通貨Lの発行数量を決定づける設定情報としての評価関数は、あくまでも無償コンテンツ及び「アソシエイツ」に対する評価バランスを設定するに過ぎず、情報交換マーケット内における相対的評価として運用することができるようになる。例えば、設定された評価が絶対的に大き過ぎたり、小さ過ぎたりしてシステム内通貨Lの発行量の基礎になる評価値が異常値になった場合であっても、結果的に、「アソシエイツ」のアカウントに発行されるシステム内通貨Lの発行量は、マーケット内における主体群ごとの購買力及びシステム内通貨Lの需要量に見合った量の発行量に調整される。「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザによって無償で提供される無償コンテンツに対し、マーケット内の他のアカウントのユーザによる購買力が反映された評価(購買力反映評価値)としての価値が、システム内通貨Lの発行を通じて被評価者である「アソシエイツ」のアカウントに与えられるようになり、情報流通が盛んになり情報交換マーケットが活性化する効果が期待できる。【0161】情報交換マーケットには、システム内通貨Lが個々の主体群の実体を反映させて適切に主体群毎に供給される。ここで算出された評価購買力倍率を用いて、通貨制御部6Cは、異なる主体群毎の購買力の差から生じる物価の差、実体経済での国家間経済格差に似た主体群間の格差に対する是正措置を実現することも可能である。【0162】評価購買力倍率が相対的に低い主体群(例えばインドとする)における「アソシエイツ」のアカウントから提供される有償コンテンツは、評価購買力倍率が相対的に高い主体群(例えば日本とする)における有償コンテンツよりも、価格競争力が高い。これにより評価購買力倍率が相対的に高い主体群おける有償コンテンツの提供意欲が減退する可能性がある。例えば、日本のアソシエイツが、価値ある有償コンテンツを、自身で定める交換価値(価格)を提示(システム内通貨Lの数量を決定)して「個人」等の他のユーザに提供しようとしたとしても、インドのアソシエイツから同等又は廉価版としての価値を有する類似の有償コンテンツが破格の交換価値で提供される可能がある。ユーザがコストを支払うことなく世界中を瞬間的に移動することのできるメタバースである情報交換マーケットにおいて、この場合、主体群間の購買力差から、日本のアソシエイツは、提供しようとする有償コンテンツの付加価値をインドのアソシエイツから提供される有償コンテンツと比較して過度に上げなければならず、日本のアソシエイツに相当な負荷が掛かり、疲弊する虞がある。【0163】実体経済においても、物価が他よりも低い国家等の地域で生産された商品又は役務は、物価がそれよりも高い国家等の地域で生産された商品又は役務に比べて価格競争力が高い。例えば経済格差を利用して、生産拠点を他国に移して逆輸入する先進国の企業がある。実体経済では、「関税」の制度を用いて国家の単位でマーケット内の産業が守られている。【0164】本実施形態における情報流通サーバ装置6は、通貨制御部6Cの機能により、有償コンテンツの取得に必要なシステム内通貨Lの交換価格(第2の消費活動についての第2消費価格)を増額させる措置を実施してもよい。この措置は、例えば、主体群B(評価購買力倍率が相対的に高い主体群)における「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザが、主体群A(評価購買力倍率が相対的に低い主体群)にて発信されている有償コンテンツを取得しようとした場合に実施されるようにすればよい。具体的には、主体群Bの「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザに対し、主体群間の評価購買力倍率の比率に応じた価格が提示されるようにすればよい。
提示される交換価格=主体群Aの「アソシエイツ」が任意に設定した有償コンテンツの交換価格×(主体群Bの評価購買力倍率/主体群Aの評価購買力倍率)
主体群Bの「事業者」又は「個人」のユーザが、提示される交換価格にて主体群Aの「アソシエイツ」のユーザから発信される有償コンテンツを購入した場合、主体群Bのユーザが支払う交換価格に相当するシステム内通貨Lは、主体群Aの「アソシエイツ」のユーザによって取得される。【0165】主体群Aの「アソシエイツ」が販売しようとする有償コンテンツの交換価格は、主体群A又は主体群Aよりも評価購買力倍率が更に低い主体群Cにおける「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザには、定められた交換価格のまま販売される。これに対し、評価購買力倍率が主体群Aよりも高い主体群Bにおける「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザには、購買力の高さが反映された補正後の交換価格にて販売される。これによって主体群Aにおける「アソシエイツ」のアカウントの収益が大きくなると共に、主体群B内での有償コンテンツの交換価格が不当に押し下げられなくなる。これは更に、価値を創造した主体群Aにおける「アソシエイツ」のアカウントに対して経済格差から生じる剰余価値を還元できるという効果を奏し、主体群Aの経済力の上昇が期待される。
なお、同じ評価購買力倍率を適用する主体群の範囲は、国家に限定するものではなく、物価等の経済状況が同程度であると考えられる任意の地域としてもよい。【0166】これに加えて、本実施形態における情報流通サーバ装置6は、通貨制御部6Cの機能により、異なる主体群間における従となる情報の発信に必要なシステム内通貨Lの消費量(第1消費価格)を増額させる措置を実施してもよい。
例えば上述の例における評価購買力倍率が相対的に低い主体群Aにおける「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザに対して提示される第1消費価格は、主体群A及び主体群Aよりも評価購買力倍率が高い主体群Bにおいて決定される第1消費価格がそのまま提示される。これに対し、評価購買力倍率が他よりも高い主体群Bにおける「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザに対して提示される第1消費価格に対し、通貨制御部6Cによって次のような措置が実行されてもよい。【0167】通貨制御部6Cは、主体群Bの「事業者」又は「個人」のアカウントに対する、主体群Aにおける第1の消費活動に対する消費量を、両者の評価購買力倍率の比率に応じて補正する。
主体群Bにおけるユーザが、主体群Aにおける第1消費価格を参照しようとした場合、通貨制御部6Cは、以下の第1消費価格を提示する。
第1消費価格=主体群Aにおける第1消費価格×(主体群Bの評価購買力倍率/主体群Aの評価購買力倍率)【0168】これにより、主体群Aにおいて第1の消費活動を行なおうとする、主体群Bの「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザに対して提示される第1消費価格は、評価購買力倍率の差が反映された価格となる。
主体群Bのユーザが主体群Aの活動圏(情報交換マーケット内の主体群Aの活動する一部の領域)において第1消費活動を行った場合、評価購買力倍率の差が反映された第1消費価格に相当するシステム内通貨Lが情報交換マーケットから消滅してもよい。また、元の第1消費価格から増額した分のシステム内通貨Lをベーシックインカムの給付原資としてもよい。この場合、給付対象を主体群Aにおける「個人」のアカウントに限定し、評価購買力倍率が相対的に低い主体群Aの購買力を上昇させるようにしてもよい。ベーシックインカムを採用する場合には、増額した分のシステム内通貨Lは、主体群Aの「個人」のアカウントに給付され、採用しない場合には、全額が主体群Bの第1消費量として処理されるということである。つまり、ベーシックインカム処理を含めた評価購買力倍率を反映させた第1消費価格に対する補正処理は、主体群間の購買力差を均衡化させる効果も期待できる。【0169】このように通貨制御部6Cの機能により、評価購買力倍率の異なる主体群に夫々属する「事業者」又は「個人」のアカウントのユーザによる第1の消費活動の市場競争原理を強度に生じさせることができる。これにより、情報交換マーケットにおける消費活動を活性化させる効果が発揮され、更には異なる主体群間の購買力の格差による経済活動の阻害要因を是正する効果も期待できる。【0170】価値連動部6Eは、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザが所持するシステム内通貨Lと、システム外で流通するデジタル資産との交換を受付ける機能を発揮する。ここで、デジタル資産とは、例えば、システム内通貨Lに対して外貨に当たる特定の仮想通貨であり、ICOのようなシステム管理者主体によって発行されるものである。「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザは、この特定の仮想通貨を所有するために、システム管理者が管理するブロックチェーンネットワーク上に各自ウォレットアドレスを獲得する必要がある。【0171】図15は価値連動部6Eによって実行されるシステム内通貨の交換手順の一例を示すフローチャートである。価値連動部6Eは、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザが所持するシステム内通貨Lのうち、交換対象のシステム内通貨Lの数量を受付ける(ステップS1401)。【0172】価値連動部6Eは、受付けた数量のシステム内通貨Lを特定の仮想通貨に交換するように、取引処理部6Dに交換依頼を行う(ステップS1402)。取引処理部6Dは、上述したように、情報交換マーケットにおける取引所として機能し、システム内通貨Lの取引の1つとして、システム外資産(例えば、特定の仮想通貨)への交換を可能とする。取引処理部6Dの機能によって、システム内通貨Lから特定の仮想通貨への交換が完了した場合、交換によって獲得した特定の仮想通貨の情報がシステム内通貨Lを販売した「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザのウォレットアドレスに書き込まれる。なお、本実施形態では、システム内通貨Lと、特定の仮想通貨との交換レートは定率(例えば1対1)である。本実施形態では、上述した「借り受け事前販売量」のモニタリングによる新規供給量調整アルゴリズムの処理と、価値連動部6Eによる処理とが連動することによって、システム内通貨Lと特定の仮想通貨の交換レートをシステム管理者による任意の設定により固定させることが可能となる。【0173】また、取引処理部6Dの機能によって、システム内通貨Lから特定の仮想通貨への交換が完了した場合、制御部60は、前記ユーザが所持するシステム内通貨Lの数量を、交換した数量だけ減算するようにシステム内通貨管理テーブルを更新する(ステップS1403)。【0174】以上のように、価値連動部6Eによって、システム内通貨Lと特定の仮想通貨との価値を交換することができるようになり、システム内通貨Lの価値の保蔵機能を特定の仮想通貨に代替させることができるようになる。また、システム内通貨Lと特定の仮想通貨とは一体として通貨の機能を提供することができるようになる。
他方、システム内通貨Lと特定の仮想通貨とが定率交換(例えば1対1)されることから、特定の仮想通貨にシステム内通貨Lの価値を本位させることが可能となり、前記仮想通貨に経済的価値を生じさせることができるようになる。
さらに、上述した「借り受け事前販売量」をモニタリングしてシステム内通貨Lの新規供給量を調整するアルゴリズムから、同じく上述した取引処理部6Dの機能によって、特定の仮想通貨を保有するユーザは、保有する特定の仮想通貨をシステム内通貨Lにいつでもどれだけの量でも交換することができるようになる。価値連動部6Eは、特定の仮想通貨に対する経済的価値の根拠を生じさせる機能を発揮する。
このようにして、従来にない、情報交換マーケットにおいて無償で交換される情報に含まれる経済的価値を本源とした通貨(価値交換媒体、つまりシステム内通貨L)を生成し、情報交換マーケットのみならず、実社会においてもブロックチェーンネットワーク上においてシステム内通貨Lの経済的価値を本源とした特定の仮想通貨を流通させることができるようになる。【0175】図16は、物価と、システム内通貨Lの新規供給量及び流通量と、システム内通貨Lの単価の関係の一例を示す図である。システム管理者が使用する管理者端末等による設定情報の更新によって主体群ごとに定められる第1消費価格(物価)は、第1消費価格の相対的バランス、システム内通貨Lの単価、及び情報交換マーケットに流通するシステム内通貨Lの総量を決定付ける根拠としての役割を有する。すなわち、図16に示すように、主体群ごとに定められる第1消費価格(物価)が上昇した場合、システム内通貨Lの新規供給量及び流通量は増加し、それに伴いシステム内通貨Lの単価は下落するという側面を有する。逆に、主体群ごとに定められる第1消費価格(物価)が下落した場合、システム内通貨Lの新規供給量及び流通量は減少し、それに伴いシステム内通貨Lの単価は上昇するという側面を有する。そして、上述した第1消費価格の上昇及び下落は、システム管理者による設定情報の更新によって制御することができるというものである。【0176】<第二実施形態>
以下、第二実施形態について説明する。第二実施形態では、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザから発信された無償コンテンツ及び当該ユーザに対する評価値を補正する構成について説明する。具体的には、制御部60は、図6のフローチャートに示した処理手順により算出される評価値を、以下で説明する評価補正アルゴリズムに基づき補正してもよい。なお、情報流通サーバ装置6を含むシステムの全体構成については第一実施形態と同様であるから、その詳細な説明を省略することとする。また、ここで説明する評価補正の目的である評価値の算出は、上述したように、結果的にシステム内通貨Lのアソシエイツごとに発行する数量をどのように配分するかのバランス取りと同義である。つまり評価値は、絶対値としてではなく、無償コンテンツ及びアソシエイツ間の相対値としての評価の定量化である。いわば、ユーザ間で移転した無償の価値のバランスを定量化する行為が評価値の算出である。後述する評価補正アルゴリズムとは、この相対値としての評価値をどのように補正して、どのようにバランス取りをするかの処理である。つまり、評価値を補正しようがしまいが、例えば結果的に評価値が10倍になったからと言って、システム内通貨Lの発行数量が10倍になるわけではない。システム内通貨Lの発行数量の決定には、別の処理が用いられる。【0177】(1)評価補正アルゴリズム1
評価補正アルゴリズム1は、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザによる所定期間の無償コンテンツ取得行為の傾向を算出し、算出結果及び設定情報に基づき、評価値を増減させる補正を行う処理である。
無償コンテンツを取得するユーザ(すなわち、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザ)は、それぞれ趣味嗜好に基づき無償コンテンツを取得する。そのため、あるユーザに取得されやすい無償コンテンツのカテゴリ、又は発信元のアソシエイツには偏りが生じやすくなる。このことから、情報流通サーバ装置6によって制御される情報交換マーケットにおいて、無償情報交換によりユーザ間で移転した価値たる無償コンテンツの価値の算出には、上述した「偏り」を補正する措置を講じる必要性が生じる可能性がある。そこで、ここで説明する評価補正アルゴリズム1を用いることによって、「偏り」の大きい無償コンテンツ及びアソシエイツを低く評価し、「偏り」の小さい無償コンテンツ及びアソシエイツを高く評価する補正を加えることにしてもよい。こうすることで、無償コンテンツを取得する情報取得者たるユーザにとって、普段、多量に取得している情報に近い情報を取得する場合のユーザ間で移転した価値は低く算出することができ、普段、少量に取得している又はまったく取得していなかった情報に近い情報を取得する場合のユーザ間で移転した価値は高く算出することができるようになる。つまり、別の表現を用いると、普段、取得しない傾向のユーザに取得させることになった情報の価値は、普段から取得されている情報の価値より大きく評価する、というものである。【0178】評価補正アルゴリズム1では、情報流通サーバ装置6の制御部60は、例えば無償コンテンツの属するカテゴリ毎の取得率の差を反映させて評価に対する補正倍率を変更(乗算)することができる。また、制御部60は、コンテンツの属するアソシエイツ毎の取得率の差を反映させて評価に対する補正倍率を変更(乗算)してもよい。【0179】制御部60は、例えば、以下に示す(1−1)〜(1−6)の処理によって、ユーザの評価に対する補正倍率を算出することができる。【0180】(1−1)カテゴリ毎の閲覧割合
制御部60は、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが無償コンテンツを取得する都度、カテゴリ毎の閲覧割合を以下の演算式により算出する。
カテゴリ毎の閲覧割合=カテゴリ毎の閲覧量/全カテゴリの総閲覧量
例えば、あるユーザのカテゴリA〜Gに属するコンテンツの閲覧回数がそれぞれ、A50回,B100回,C0回,D1500回,E500回,F1500回,G5000回である場合、全コンテンツの閲覧回数の合計は8650回であるため、カテゴリ毎の閲覧割合は、それぞれA0.6%,B1.2%,C0.0%,D17.3%,E5.8%,F17.3%,G57.8%と算出される。
(1−2)カテゴリ毎の閲覧割合に応じた加算値
制御部60は、(1−1)で算出した閲覧割合に応じた加算値を算出する。具体的には、各カテゴリに属するコンテンツの閲覧回数に加算される加算値yは、以下の演算式により算出される。
y=a+(1−各カテゴリの閲覧割合)×b
ここで、aは全て同一のカテゴリの無償コンテンツを取得していた場合の加算値、bは一度も取得したことがないカテゴリの無償コンテンツを取得した場合の加算値を表している。ここで、a=0、b=1と設定した場合、上記カテゴリA〜Gに対する加算値は、それぞれA0.99,B0.99,C1.00,D0.83,E0.94,F0.83,G0.42となる。この場合、ユーザがカテゴリCの無償コンテンツを取得した場合の加算値は、取得頻度が高いカテゴリGよりも高い値となる。
(1−3)アソシエイツ毎の閲覧割合
制御部60は、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザが無償コンテンツを取得する都度、アソシエイツ毎の閲覧割合を以下の演算式により算出する。
アソシエイツ毎の閲覧割合=アソシエイツ毎の閲覧量/全アソシエイツの総閲覧量
例えば、あるユーザによるアソシエイツA〜Gの無料コンテンツの閲覧回数がそれぞれ、A50回,B100回,C0回,D1500回,E500回,F1500回,G5000回である場合、閲覧回数の合計は8650回であるため、アソシエイツ毎の閲覧割合は、それぞれA0.6%,B1.2%,C0.0%,D17.3%,E5.8%,F17.3%,G57.8%と算出される。
(1−4)アソシエイツ毎の閲覧割合に応じた加算値
制御部60は、(1−3)で算出した閲覧割合に応じた加算値を算出する。具体的には、アソシエイツ毎の閲覧回数に加算される加算値y’は、以下の演算式により算出される。
y’=a’+(1−各アソシエイツの閲覧割合)×b’
ここで、a’は全て同一のアソシエイツが発信する無償コンテンツを取得していた場合の加算値、b’は一度も取得したことがないアソシエイツが発信する無償コンテンツを取得した場合の加算値を表している。ここで、a’=0、b’=1と設定した場合、上記アソシエイツA〜Gに対する加算値は、それぞれA0.99,B0.99,C1.00,D0.83,E0.94,F0.83,G0.42となる。この場合、ユーザがアソシエイツCの無償コンテンツを取得した場合の加算値は、取得頻度が高いアソシエイツGよりも高い値となる。
(1−5)閲覧回数、閲覧時間、閲覧者評価の補正
制御部60は、閲覧回数、閲覧時間、閲覧者評価に乗じる補正倍率を、以下の演算式により算出する。
補正倍率=1+y+y’
ここで、yは上記(1−2)で算出されるカテゴリ毎の閲覧割合に応じた加算値であり、y’は上記(1−4)で算出されるアソシエイツ毎の閲覧割合に応じた加算値である。【0181】(2)評価補正アルゴリズム2
評価補正アルゴリズム2は、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザによる無償コンテンツの取得率、及び設定情報に基づき、評価値を増減させる補正を行う処理である。
無償コンテンツを閲覧又は取得等するユーザ(すなわち、「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザ)の端末操作状態から、情報流通サーバ装置6は、ユーザが、無償コンテンツを最初から最後まで全てに(どの程度)目を通したかどうか判断する処理を加えるようにしてもよい。例えば、ユーザの端末装置7の表示部73に表示される記事等の無償コンテンツは、大抵の場合において、画面をスクロールしなければ全てを閲覧することはできず、また、ページが複数ある場合には、画面を更新しなければ全てを閲覧できないということがある。このとき、情報流通サーバ装置6は、上記の行程をユーザがどのように行なったかを判断し、例えば、全ての行程を行なった場合には100点、50%以上の行程を行なった場合には50点、30%以上の行程を行なった場合には30点、行った行程が30%未満の時は0点など、点数を付け、点数に基づく評価の補正を行ってもよい。
さらに加えて、このとき、記事等の無償コンテンツの情報量の大小が、上記点数に与える影響は大きいわけであるが、無償コンテンツの情報量の大小について、評価に係数を乗じる措置を講じてもよい。こうすることで、より情報量が大きく、かつユーザに最後まで閲覧されるコンテンツは、情報流通サーバ装置6により、より高く評価されるようになり、アソシエイツによって発信される無償コンテンツの質及び量が向上及び無償コンテンツを閲覧するユーザの情報取得意欲が高まり、情報交換マーケットが活性化する効果が発揮されるようになる。【0182】評価補正アルゴリズム2では、情報流通サーバ装置6の制御部60は、例えば以下の演算式により、ステップS203で算出される時間評価値に対して乗算する補正倍率を算出する。
補正倍率=(取得率−下限取得率)/(100−下限取得率)
設定情報として、無償コンテンツ毎に取得率が100%の状態、及び下限取得率が予め定義されているものとする。ユーザによる無償コンテンツの取得率は、100%の取得率に対する割合(%)として算出される。【0183】例えば、評価対象のコンテンツが2分間の視聴時間を有する動画である場合、取得率100%の状態はユーザが当該動画を2分間の視聴することと定義される。ユーザが1分間だけ上記動画を視聴した場合、取得率は50%として算出される。下限取得率は適宜設定される。例えば、下限取得率を30%とし、ユーザによる上記動画の視聴時間を1分間とした場合、補正倍率は、(50−30)/(100−30)=0.29と算出される。この例において、補正倍率は、取得率が100%で最大(=1)となり、取得率が30%以下(視聴時間が36秒以下)で最小(=0)となる。上記の例では、動画を例に取って補正倍率の具体的な算出方法を説明したが、動画以外の文書、音楽、画像といったコンテンツについても、取得率が100%の状態と、下限取得率とを定義しておくことにより、同様の算出手法にて、補正倍率を算出することができる。【0184】なお、補正倍率を算出する演算式は、上記の演算式に限定されず、例えば、以下で示すような演算式を用いてもよい。
補正倍率=a×(x−p)×(x−p)
ここで、xは取得率、pは下限取得率、aは1/((1−p)×(1−p))で算出される変化率を表している。この演算式では、取得率が100%に近づくほど補正倍率が1に近づく。【0185】以上の算出手法を採用することによって、例えば、1秒間の視聴が60回あったコンテンツと、60秒間の視聴が1回あったコンテンツとでは、後者の方が評価が高くなるように差別化して評価することができ、より適切な評価が可能となる。なお、上述の演算式では、共に補正倍率の上限値を1としているが、補正倍率の上限値は1に限定されるものではなく、適宜設定してもよい。【0186】(3)評価補正アルゴリズム3
評価補正アルゴリズム3は、「事業者」又は「個人」のアカウントを有するユーザによって設定された設定情報に基づき、評価値を増減させる補正を行う処理である。
システム管理者による基本となる設定情報による評価バランス設定に上乗せして、ユーザの任意の設定による、評価の度合いの重み付け(評価バランス)補正を行うようにしてもよい。「アソシエイツ」のアカウントに対するシステム内通貨Lの発行量のバランスを決定づける評価値の基礎にある評価の基本的なバランス設定について、これをユーザの意思を反映させた態様にするための処理が評価補正アルゴリズム3である。例えば「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザは、自身の無償コンテンツ取得行為に対する評価バランスを任意に補正することができるようにしてもよく、さらに、情報流通サーバ装置6は、補正された評価バランスを、情報流通サーバ装置6が算出する評価値に乗じる措置を実行することができるようにしてもよい。このようにすることで、情報流通サーバ装置6は、ユーザの意思が反映(任意に評価バランスを補正)された評価値を導出することができるようになるとともに、従来は、システム管理者の任意の専用行為であった評価の重み付け(バランス取り)を、ユーザの行為にまで拡張することができるようになり、システム管理者の意思の介在する範囲が限定されるとともに、ユーザ個々の意思を介在させることができるという効果が期待できるようになるというものである。なお、ここでいう評価バランスの補正とは、無償コンテンツの属する各カテゴリのその他のカテゴリとの相対的な重み調整である。【0187】例えば、ユーザ自身が任意に行う評価補正は、直感的な操作が可能となるように、音楽の音を調整するイコライザーのようなユーザインタフェースを用いて受付ける構成であってもよい。なお、恣意的な操作を受け付けないようにするよう、例えば、ユーザがすべての値を最大値に補正したとしても、バランスの上では、情報流通サーバ装置6には、これを、中央値算出工程を含めることで補正を行っていないと判断させ、あくまでも、ユーザが「評価のバランスをどのように考えているか」を評価に反映させるものとしてもよい。つまり、ここで言うユーザが行う評価補正とは、絶対的なものではなく、相対的なバランスをどのように補正するかということである。例えば、情報交換マーケットにおいて、情報流通サーバ装置6は、「アソシエイツ」以外のアカウントを持つユーザによる投票(上述した任意の評価補正)を常時受け付け、あらかじめシステム管理者によって定められた所定の期間ごとに、評価の基本的なバランス設定について、投票の結果(平均値)を、情報流通サーバ装置6の設定情報に反映させる処理を行うようにしてもよい。なお、ユーザの投票は、設定情報の更新処理が行われた後であってもリセットされないようにし、ユーザは、いつでも投票において設定した評価の基本的なバランスについて、更新投票できるものとしてもよい。そして、情報流通サーバ装置6は、所定の期間ごとに、投票に基づき設定情報を更新するものとしてもよい。急激な評価の基本的なバランスの変更を抑止するため、変更幅については、例えば投票された変更量の半分の変更量にしても良い。また、極端な値になることを防ぐため、あらかじめシステム管理者によって、上端値および下端値を設定しておいても良い。さらに、ユーザごとの投票に重み付けしてもよく、この場合には、ユーザの情報交換マーケット利用状況に基づき、ユーザごとの重み付けを行い、投票に対して、重みに応じた係数を乗じてもよい。【0188】例えば、上記のほかに、情報流通サーバ装置6は、ユーザが入力する検索単語の文字列を記憶し、ユーザの無償コンテンツへの興味の度合いを導出し、導出した興味の度合いに基づき、それら興味の関連している無償コンテンツの属するカテゴリ(例えば、国内政治カテゴリや国内経済カテゴリや国際テクノロジーカテゴリや国内音楽カテゴリなど)に対する評価の度合いを変動させてもよい。なお、情報流通サーバ装置6が実行する興味の度合いに基づく評価の度合いの変動については、主体群ごとに実行してもよい。【0189】さらに上記に追加して、情報流通サーバ装置6は、ユーザが設定した自らの評価バランスについて、ユーザの属する主体群ごとに、ユーザの評価バランスの平均値(主体群評価バランス)を算出し、情報流通サーバ装置6は、算出された主体群評価バランスに基づき、当該主体群に属するアソシエイツ及び無償コンテンツに対して算出された評価値に、さらに、追加して補正する処理を加えるようにしてもよい。また、情報流通サーバ装置6は、主体群評価バランス及び興味の度合いについて、リアルタイムにアソシエイツに対して開示してもよい。こうすることで、情報流通サーバ装置6は、ユーザの評価に基づく、アソシエイツに対するシステム内通貨Lの発行数量について、より実際の評価に近いバランスで配分発行できるようになり、また、主体群ごとの評価傾向の違い(特性、例えば国民性等)を反映させた評価が可能になり、さらに、ユーザの興味の度合い(検索文字列によるもの)の移り変わりを反映させた無償コンテンツの提供が促されるようになり、情報交換マーケットの活性化を促すとともに、ユーザの利便性を高め、システム管理者等の意思の介入及び労力を減少させる効果を発揮させることができるようになる。【0190】評価補正アルゴリズム3では、情報流通サーバ装置6の制御部60は、例えば「事業者」又は「個人」のアカウントを有するユーザから、無償コンテンツのカテゴリ毎に評価に対する補正倍率の変更を受付け、変更後の補正倍率に基づき、無償コンテンツに対する評価値を増減させる。また、変更後の補正倍率を主体群毎に集計し、集計結果に基づき、主体群毎に各カテゴリに対する補正倍率を変更してもよい。この場合、変更後の補正倍率に基づき、主体群毎に各カテゴリに属する無償コンテンツの評価値を増減させる補正が行われる。【0191】なお、補正倍率の変更を受付ける際、各カテゴリに対する補正倍率の総和が変更前後で増減しないという条件を課してもよい。また、変更を受付ける補正倍率に対して予め上限値及び/又は下限値が設定されていてもよい。【0192】評価補正アルゴリズム3では、ユーザ自身がカテゴリ毎に補正倍率を設定するので、カテゴリの数が増えた場合、操作量が多くなるという弊害が生まれる。そのため、カテゴリを大分類と小分類とに分け、各カテゴリに対する補正倍率の変更を大分類毎及び/又は小分類毎に一括して受付けることにより、ユーザの操作量を減らすようにしてもよい。【0193】また、無償コンテンツの評価値を算出する際、評価補正アルゴリズム1〜3により補正された閲覧回数、閲覧時間、閲覧者評価を集計して用いてもよい。
(i)閲覧回数評価値では、所定の期間に何人のユーザが無償コンテンツを閲覧したかを参照し、閲覧回数評価値を算出する。このとき、評価補正アルゴリズム1〜3により補正された閲覧回数を集計する。
閲覧回数評価値=閲覧回数×a+閲覧回数×a’×(閲覧回数/総閲覧回数)+a”
ここで、設定値a:閲覧人数倍率
a’:総閲覧回数との比率で評価する場合の閲覧人数倍数
a”:閲覧人数上位に対する評価値
(ii)閲覧時間評価値では、所定の期間にユーザが無償コンテンツを何秒間閲覧したかを参照し、閲覧時間評価値を算出する。このとき、上記の評価補正アルゴリズム1〜3により補正された閲覧時間を集計する。
閲覧時間評価値=閲覧時間×b+閲覧時間×b’×(閲覧時間/総閲覧時間)+b”
ここで、設定値b:閲覧時間倍率
b’:総閲覧時間との比率で評価する場合の閲覧時間倍率
b”:閲覧時間上位に対する評価値
(iii)閲覧者評価値では、所定の期間に無償コンテンツが得た評価数(例えば、いいね総数−わるいね総数)や、5段階評価の評価総数を参照し、閲覧者評価値を算出する。このとき、上記の評価補正アルゴリズム1〜3により補正された閲覧者評価を集計する。
閲覧者評価値=閲覧者評価×c+閲覧者評価×c’×(閲覧者評価/総閲覧者評価)+c”
ここで、設定値c:閲覧者評価倍率
c’:総量との比率で評価する場合の閲覧者評価倍率
c”:閲覧者評価上位に対する評価値
(iv)上記の(i)〜(iii)以外で無償コンテンツに対し評価が認められると思われる場合(例えば所定の期間を超えるロングセラーや著名な評価など)、適切な方法で評価値を算出する。
(v)上記(i)から(iv)において算出された無償コンテンツに対する評価値の和を算出し、「各無償コンテンツの評価値」を得る。【0194】(4)評価補正アルゴリズム4
評価補正アルゴリズム4は、情報交換マーケットにアソシエイツによって発信される無償コンテンツの質を高めるための処理である。
アソシエイツは、同一主体群におけるその他のアソシエイツによって発信される無償コンテンツに対する任意の評価を行うことができるようにしてもよい。例えば、アソシエイツとして無償コンテンツを閲覧する場合に、当該アソシエイツは、閲覧した無償コンテンツの質に対する評価を、例えば☆3つ等のような任意の評価方法で評価することができるようにする。また、所定の期間ごとに、評価者として無償コンテンツを評価した値の平均値が評価の中心値になるように補正をかけてもよい。このとき、評価の上限または下限値を超える値に補正される被評価済み無償コンテンツがある場合には、当該被評価済み無償コンテンツに対する補正後の評価は、上限または下限値としての評価としてもよい。そして、同一主体群における評価アソシエイツおよび被評価アソシエイツ、つまり同一主体群におけるアソシエイツごとの、システム内通貨Lが発行される数量を決定づける基礎になる評価値に重みづけを行う補正を加える。こうすることで例えば次のことを生じさせることができるようになる。【0195】(i)アソシエイツごとに、無償コンテンツを評価する量の大小を生じさせることができるようになり、評価する量の大小に基づくアソシエイツの順位によって、アソシエイツの評価値を上下させる補正を行うことができるようになる。(能動的評価を評価するもの)
(ii)無償コンテンツごとに、その他のアソシエイツからの評価の大小を生じさせることができるようになり、無償コンテンツを評価される度合いによって、コンテンツの評価値を上下させる補正を行うことができるようになる。(受動的評価を評価するもの)
(iii)無償コンテンツごとに、その他のアソシエイツからの評価の大小を生じさせることができるようになり、アソシエイツごとの、発信する無償コンテンツを評価される度合いの平均値に基づくアソシエイツの順位によって、アソシエイツの評価値を上下させる補正を行うことができるようになる。(受動的評価を評価するもの)
(iv)アソシエイツは、他者の発信する無償コンテンツを多く評価し、自身が発信する無償コンテンツを高く評価されるほどに評価値が増加する補正が加わり、逆に、極端な例として、他者の発信する無償コンテンツを評価することなく、自身が発信する無償コンテンツをその他のアソシエイツから低く評価されるほどに評価値が減少する補正が加わるようになる。
(v)同一主体群のアソシエイツ全体に発行されるシステム内通貨Lの総量は、第一実施形態で示した情報流通サーバ装置6の処理よって決定づけられていることから、アソシエイツ間の相互評価行為は、アソシエイツごとのシステム内通貨Lの発行バランスを変動させるものとなり、無償コンテンツの質に対する自浄効果が発揮されるようになる。
(vi)アソシエイツは、そもそもが自らの専門性や創造性を発揮して、情報交換マーケットにおいてシステム内通貨Lを獲得して、情報交換マーケットはもとより、実社会における収入を得ることのできる主体であることから、情報交換マーケットにおける無償コンテンツの質の向上が図られることによるユーザの利用増加は、自らの収入を増加させる基礎になるため、自浄効果がさらに発揮されるようになる。
(vii)フェイクニュースが発信されにくくなる効果が期待できる。
(viii)模倣コンテンツ(盗用等の著作権侵害コンテンツ)が発信されにくくなる効果が期待できる。【0196】評価補正アルゴリズム4では、情報流通サーバ装置6の制御部60 は、例えば「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザによる無償コンテンツの評価行動と、設定情報とに基づき、評価値を増減させる補正を行う。評価補正アルゴリズム4による補正は、無償コンテンツの品質向上、及び情報交換マーケットの質の向上を図るために、フェイクニュース、他のコンテンツの盗用、評価に値しないアソシエイツのあぶり出し、価値あるアソシエイツへの後援を目的としている。評価アルゴリズム4は、以下の(要素1)〜(要素3)から構成される。【0197】(要素1)アソシエイツが無償コンテンツに対して行った評価、及び設定情報を基にし、該無償コンテンツの評価値を増減させる補正
アソシエイツは、一般ユーザと異なり、情報交換マーケットから収益を得ている存在である。情報交換マーケットが活性化するためにも、自身はもとより、その他のアソシエイツにより発信される無償コンテンツの品質向上は、自身の収入アップにもつながる。そこで、アソシエイツは、無償コンテンツを監視(利用)し、無償コンテンツに対して「量」ではなく、「率」の補正を行う評価を実行する。【0198】(要素2)他のアソシエイツから受けた総評価の行程により、アソシエイツの評価を増減させる補正
無償コンテンツごとにアソシエイツ評価は行われるものであるが、これら、アソシエイツ評価された無償コンテンツのアソシエイツ総評価量の大小によって、被評価者たるアソシエイツの評価を行う。【0199】(要素3)及びアソシエイツ自身が行った、評価行動の多少により、該アソシエイツの評価値を増減させる補正を行う。
(要素3)は、能動的評価である。すなわち、その他のアソシエイツに対する能動的評価行動を当該アソシエイツがどれだけ行ったかを評価するものである。能動的評価(無償コンテンツに対するチェック及び評価付け)を行う量の多いアソシエイツは、評価値が大きくなる補正を加えられる。つまり、無償コンテンツを発信し、評価され、さらに他人の無償コンテンツを評価するアソシエイツは、収入が上がることになる。【0200】「アソシエイツ」のユーザによる無償コンテンツの評価には、例えば1〜5の5段階評価のように、アソシエイツ独自の評価方法を採用する。評価補正アルゴリズム4では、アソシエイツ毎に評価基準が異なることによる評価の偏りを防ぐために、以下の処理を行う。【0201】制御部60は、選択した「アソシエイツ」のユーザによる評価の平均値を算出し、評価の中央値に対する比率を算出する。例えば、ある「アソシエイツ」のユーザによるコンテンツA〜Dの評価が、以下のように、
コンテンツA=評価5
コンテンツB=評価1
コンテンツC=評価4
コンテンツD=評価5
であった場合、制御部60により算出されるコンテンツA〜Dの評価の平均値は3.75となり、評価の中心値(この例では3)に対する比率は0.8となる。【0202】制御部60は、算出した比率を元の評価に乗じることにより、以下のように評価を補正する。
コンテンツA=評価4
コンテンツB=評価1
コンテンツC=評価3.2
コンテンツD=評価4
となる。ただし、比率を乗じた値が下限値(上記の例では1)未満となるコンテンツBの評価には、下限値が設定されている。比率を乗じた値が上限値(上記の例では5)を上回る場合についても同様であり、上限値に設定される。【0203】上記の補正を行うことにより、評価の甘い(又は辛い)アソシエイツが全てのコンテンツに対して評価5(又は1)を付けた場合であっても、補正後の評価は全て3となり、個々のアソシエイツの評価の偏りが除去される。【0204】次いで、制御部60は、補正後の評価を無償コンテンツ毎に集計し、所定期間中の被評価平均値を算出する。また、制御部60は、その算出結果と設定情報に基づき、無償コンテンツ毎の評価値を増減させる補正を行う。【0205】また、アソシエイツ毎の無償コンテンツ評価件数を基に、主体群毎にアソシエイツの順位付けを行い、決定された順位に基づいてアソシエイツの評価値を増減させる補正を行う。【0206】更に、アソシエイツの発信される無償コンテンツが受けたアソシエイツ評価の平均値を基に、主体群毎のアソシエイツの順位付けを行い、決定された順位に基づいてアソシエイツの評価を増減させる補正を行う。【0207】以上、第一実施形態に示した情報流通サーバ装置6の処理によって、無償コンテンツ及びアソシエイツに対する評価値は、主体群ごとに算出された(又は算出される)状態であるが、第二実施形態で示した評価補正アルゴリズムは、そこからさらに、
「主体群ごとの評価バランスの違い(例えば、国民性の違い)を反映」させ、
「ユーザごとの評価バランスの違い(例えば、趣味趣向の違い)を反映」させ、
「時期ごとの評価バランスの違い(例えば、興味の移り変わりの度合い)を反映」させ、
「コンテンツごとの評価状態の違い(例えば、内容の違い)を反映」させ、
「アソシエイツ同士の評価状態の違い(例えば、無償コンテンツの質の優劣)を反映」させ、
さらに、「システム管理者の意思の介入を減少させてユーザの意思を相対的に大きく反映」させる評価処理を行う、評価値の補正を行うものである。【0208】つまり、上述の行程(コンテンツそのものの内容の違い「上述の評価補正アルゴリズム2」、興味の移り変わりの変遷「上述の評価補正アルゴリズム3」、情報取得ユーザの情報取得傾向の違い「上述の評価補正アルゴリズム1」、主体群ごとの特性の違い「上述の評価補正アルゴリズム3」、アソシエイツ同士によって評価される無償コンテンツごと又はアソシエイツごとの情報発信品質の優劣「上述の評価補正アルゴリズム4」)、及びシステム管理者の意思の介入を減少させてユーザの意思を相対的に大きく反映させる民主的評価処理「上述の評価補正アルゴリズム3」)を行うことによって、評価値に補正を加えるものである。【0209】こうすることで、「アソシエイツ」のアカウントを有するユーザから「事業者」又は「個人」のアカウントを有するユーザに移転した価値の量を、よりいっそうの根拠をもった(より実際の)合理的な評価値として算出することができるようになり、さらに、価値の提供者たるアソシエイツに対して評価値に基づき、公平及び効率的にシステム内通貨Lを発行することができるようになる。このようにして情報交換マーケットを活性化させることができるようになる。【0210】以下、第三実施形態、第四実施形態及び第五実施形態について説明する。第一実施形態における情報流通サーバ装置6の特に通貨発行部6Bの機能について他の表現で説明する。例えば第一実施形態における「情報交換マーケット」は第三実施形態においては「マーケットプレイス」と称し、第四実施形態においては「情報提供サイト」と称し、第五実施形態では「ヴァーチャルマーケット」と称する。また、第一実施形態における「システム内通貨L」は第三及び第四実施形態においては「ポイント」と称し、第五実施形態では「ヴァーチャルカレンシー」と称する。更に、第一実施形態における「アソシエイツ」は、第三実施形態においては「加盟店」、第四実施形態においては「第一の利用者」と称し、「事業者」は第三実施形態においては「企業会員」、第四実施形態においては「第二の利用者」としての「企業」と称する。同様の意味であって異なる実施形態の例であるに過ぎない。【0211】<第三実施形態>
図17は、第三実施形態に係る特典管理システムの一実施形態のポイント管理システムS1によるサービスの概要について説明するための図である。図18は、ポイント管理システムS1の構成を示す図である。まず、図17及び図18を参照しながらポイント管理システムS1の概要を説明する。なお、本明細書における「ポイント」は、情報、利用スペース、又は物品と交換できる価値を有する特典の一種である。本明細書においては、特典としてポイントを例示するが、特典は、ポイント以外の無形物であってもよい。本明細書における「情報」は、端末とサーバ間で通信可能なデータに変換できるユーザインタフェースから入力される無形物、又はユーザインタフェースに出力される無形物である。「情報」は、例えば文字、音声、画像、動画、データファイル、コンテンツ、アプリケーション、匂い、若しくは動作等、又はこれらのうち二以上の組み合わせ等である。【0212】ポイント管理システムS1は、利用者が、PC、タブレット、携帯電話、テレビ、カーナビゲーション、家庭用ゲーム機、又はロボット等の通信可能な端末のユーザインタフェースを用いてネットワーク上のサーバとデータを送受信することにより、利用者間で情報を交換することができるウェブサイト、ウェブアプリケーション、SNS、メタバース、ソフトウェア、又はクラウドコンピューティング等により実現されるオンラインマーケット(以下、マーケットプレイスという)を構築し、マーケットプレイスの利用者が相互に影響し合えるようにするためのシステムである。端末のユーザインタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク、カメラ、コントローラ、リモコン、スイッチ、グローブ、スーツ、シューズ、ゴーグル等のさまざまなデータ入出力装置である。【0213】マーケットプレイスには、例えば情報を格納する一以上のサーバが含まれており、情報提供者は情報提供端末1を介してマーケットプレイス上のサーバに情報を格納し、情報利用者は情報利用端末2を介してマーケットプレイス上のサーバから情報を得ることができる。ポイント管理システムS1においては、情報を提供する情報提供者(図17における加盟店)、及び情報を利用する情報利用者(図17における企業会員)が、それぞれ情報提供端末1及び情報利用端末2を使用して、ポイント管理システムS1の運営者が管理するポイント管理サーバ3にアクセスすることにより、情報交換が実現される。【0214】情報提供者は、例えば、運営者に対して金銭を預け入れることにより、マーケットプレイスにおいて情報を提供できるようになる。情報提供者は、例えば、転職を支援するエージェント、法的問題について助言する弁護士・弁理士・会計士等のプロフェッショナル、コンサルタント、並びに不動産業者、結婚相談業者、家政婦紹介業者、及びケアマネージャー等の仲介者等である。情報提供者は、図18に示す情報提供端末1を用いてポイント管理サーバ3に情報を送信することにより、情報利用者が情報利用端末2を用いてアクセス可能な情報を提供することができる。【0215】情報利用者は、情報提供者が提供する情報を自らの事業や行動に活用する個人、個人事業主、法人、又は団体である。情報利用者は、図18に示す情報利用端末2を用いてポイント管理サーバ3にアクセスすることにより、情報提供端末1から提供される情報を取得することができる。【0216】本サービスにおいては、情報提供者によって優良な情報が提供されるために、情報提供者の行動が監視され、情報提供者の行動の内容に応じて各種のインセンティブが提供される。本サービスにおいては、例えば以下のインセンティブが提供される。
(1)情報提供者が、マーケットプレイスで使用可能なポイントを無償で付与されること
(2)情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与され、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントの量に応じて、マーケットプレイスにおいて情報提供者が表示される順位が決定されること
(3)情報提供者が付与されたポイントを情報利用者に譲渡し、リアルマーケットにおいて、ポイントを譲渡した代金を情報利用者から徴収し、収益とすること
(4)情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与され、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントの量に応じて、マーケットプレイスにおいて情報提供者が表示される順位が決定される。そして、決定された順位と、情報利用者にポイントを譲渡し運営者に支払った手数料額とに基づく奨励金を運営者から支給され、支給された奨励金を収益にできること【0217】マーケットプレイスで使用可能なポイントは、加盟店が対価を支払うことにより取得するものではなく、加盟店のマーケットプレイスにおける行動をポイント管理サーバ3が評価した結果に基づいて付与される。例えば、ポイント管理システムS1は、マーケットプレイスにおいて提供される情報の質及び量の少なくともいずれかに基づいてポイントが付与される。従来、非特許文献1に記載されているように、商品を購入したことに対する報奨としてポイントが付与されてきた。しかしながら、ポイント管理システムS1を用いて提供されるサービスのように、商品の販売だけを目的とするのではなく、良質の情報を流通させることを目的とする場合、従来のように、商品を購入したことに対する報奨としてポイントを付与しても、良質の情報の流通量を増やすことにつながらないという問題があった。ポイント管理システムS1においては、情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与されるため、マーケットプレイスへの参加者が良質な情報を提供するように動機付けることができる。【0218】ポイント管理システムS1においては、加盟店に付与されたポイントが、マーケットプレイスにおける情報の流通を促す効果を生じさせるだけの価値を有するように、マーケットプレイスの運営者が、マーケットプレイスで提供される情報又はマーケットプレイスで利用される情報とポイント数との関係を定める係数又は計算式等の設定情報を設定することができる。したがって、運営者は、係数又は計算式を制御することにより、マーケットプレイスにおける情報の流通が活性化するように、ポイントの価値を適切に変更することができる。【0219】(ポイントの譲渡)
加盟店に付与されたポイントは、有償又は無償で企業会員に譲渡することができる(図17における(8))。加盟店が企業会員にポイントを譲渡すると、運営者は加盟店から手数料を徴収する。具体的には、ポイント管理サーバ3が管理する加盟店のシステム現金通帳から運営者のシステム現金通帳に手数料の額を移動する(図17における(9))。【0220】(ポイントの消費)
企業会員は、付与されたポイントを消費して、各種の情報を得ることができる。企業会員がポイントを消費すると、ポイント管理サーバ3は、企業会員に対応するポイント通帳から、消費されたポイント数を減算する(図17における(10))。【0221】(ポイントの消滅)
加盟店は、マーケットプレイスで情報を提供するといったあらかじめ運営者によって設定されたポイントが付与される行動(推奨行動)を実行しない期間が継続すると、付与されたポイントが消滅する(図17における(11))。具体的には、ポイント管理サーバ3は、ポイント管理サーバ3が管理する加盟店のポイント通帳に記録されている加盟店のポイント残高から所定のポイント数を減少させることにより、加盟店のポイントを消滅させる。【0222】(奨励金)
運営者は、加盟店が所定の期間内に支払った手数料の総額及び行動評価(決定された順位)に基づいて奨励金を加盟店に提供する(図17における(12))。具体的には、ポイント管理サーバ3が管理する運営者のシステム現金通帳から加盟店のシステム現金通帳に対して、奨励金に相当する額を移動する。このように運営者が奨励金を提供することによって、加盟店は、積極的にポイントを企業会員に譲渡及び運営者が推奨する行動を実行するように動機付けられる。【0223】[ポイント管理サーバ3の構成]
以下、ポイント管理サーバ3の構成及び動作について詳細に説明する。以下の説明においては、加盟店を情報提供者と称し、企業会員を情報利用者と称する。【0224】図19は、ポイント管理サーバ3の構成を示す図である。ポイント管理サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。通信部31は、情報提供端末1及び情報利用端末2とデータを送受信するための通信インタフェースである。記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部32は、情報提供者の情報(例えば、情報提供者を特定するための情報、及び情報提供者の過去の行動内容)、情報利用者の情報(例えば、情報利用者を特定するための情報、及び情報利用者の過去の行動内容)、システム現金通帳及びポイント通帳等の各種の情報を記憶している。【0225】制御部33は、例えばCPUであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、管理部41、順位決定部42及び情報提供部43として機能する。【0226】管理部41は、ポイントを管理するための各種の機能を実行する。管理部41の詳細については後述するが、管理部41は、情報提供者からの入金データを取得すると、取得した入金データが示す入金額に基づいて所定の計算式を用いて算出した量のポイントを付与する。【0227】また、管理部41は、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報に基づいて、情報提供者である情報提供者にポイントを付与する。管理部41は、例えば、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報の量に所定の係数を乗じた量のポイントを付与する。【0228】管理部41は、ポイントを付与してからの経過時間に応じて、付与したポイントを減少させてもよい。この際、管理部41は、順位決定部42が決定した順位に基づく量のポイントを減少させる。管理部41は、例えば、順位決定部42が決定した順位が高ければ高いほど、所定の経過時間に対するポイントの減少量を大きくする。このようにすることで、情報提供者の順位が入れ替わりやすくなるので、情報提供者が情報を提供するモチベーションを高めることができる。【0229】また、管理部41は、情報提供者及び情報利用者に関連付けてポイントの残高を管理する。管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に関連付けられたポイントの残高を増加させるとともに、情報提供者に関連付けられたポイントの残高を減少させる。【0230】管理部41は、情報提供端末1が情報利用端末2に情報を提供すると、提供された情報(例えば、企業会員等がダウンロードした、加盟店が発信するドキュメント)に対応するポイントの量に基づいて、情報利用者に関連付けられたポイントの残高を減少させるとともに、情報提供者に関連付けられたポイントの残高を増加させてもよい。管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に提供したポイントの量に対応する手数料を情報提供者の現金残高から減算してもよい。【0231】また、管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に提供したポイントの量、及び順位決定部42が決定した情報提供者の順位に基づいて決定した奨励金を情報提供者の現金残高に加算する。管理部41は、例えば、所定の評価期間ごとに奨励金を決定する。この際、管理部41は、情報提供者の順位が高ければ高いほど奨励金を多くしてもよい。このようにすることで、情報提供者が順位を上げようとするモチベーションが高まるので、情報提供者が積極的に情報を提供するようになる。【0232】なお、管理部41は、情報利用者が新規に登録した場合に、情報提供者の順位に影響しない第二種ポイントを情報利用者に付与してもよい。管理部41が情報利用者に直接付与した第二種ポイントは、情報提供者の評価には影響しない。このように、管理部41が第二種ポイントを提供することにより、情報提供者とのつながりを持っていない情報利用者がサービスの利用を開始しやすくなる。【0233】順位決定部42は、管理部41により情報提供者に付与したポイント数に基づいて、情報提供者を所定の期間ごとに順位付けする。順位決定部42は、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントが多ければ多いほど、情報利用端末2における複数の情報提供者が情報利用端末2に表示される際の順位を高くする。所定の評価期間は、例えば、情報提供者に新たなポイントが付与された時点以前の所定の期間(例えば1年間)である。所定の評価期間は、所定の日(例えば月初)を起点とする所定の期間(例えば1ヶ月間)であってもよい。順位決定部42は、評価期間が終了した時点で、各情報提供者に付与された累計ポイント数を初期化してもよい。【0234】順位決定部42は、例えば、情報提供部43が、複数の情報提供者を情報利用端末2において一覧表示する際に、所定の評価期間に付与されたポイントが多い情報提供者を上位に表示するように順位を決定する。情報提供部43は、複数の情報提供者を情報利用端末2に順次表示する場合、評価期間に付与されたポイントが多い情報提供者を表示する頻度(すなわち出現率)を高くしてもよい。このようにすることで、ポイント管理システムS1の運営者は、情報提供者が、表示される場合の順位を上げたり表示される頻度を高めたりするために積極的に情報を提供してポイントを得ようとするように動機付けることができる。【0235】順位決定部42は、マーケットプレイスの全ての情報提供者を対象に決定された全体順位と、地域(市区町村、都道府県、国、又はエリア等の行政区、自治区、立法権区、若しくはこれらに準ずる地域等)内の情報提供者を対象に決定された地域版順位とを決定することができる。順位決定部42は、付与されたポイント数が多い順に全体の全ての情報提供者を順位付けすることにより、全体順位を決定する。また、順位決定部42は、付与されたポイント数が多い順に地域内の情報提供者を順位付けすることにより、地域版順位を決定する。【0236】なお、順位決定部42は、地域版順位を決定する際に、(1)順位を決定する対象となる地域の人口を、(2)当該地域をサービス提供圏(活動範囲)にしている情報提供者がサービスを提供する圏内の人口総数で除算し、(3)除算して得られる値に、管理部41が付与したポイント数を乗じた値を、順位の決定に用いる根拠とする。順位決定部42が決定した順位は、情報提供者を一覧表示する情報提供サイトにおいて所定の地域に属する情報提供者を表示する際の順位、情報利用者が情報提供者を表示する情報提供サイトを更新した際に情報提供サイトに表示される確率(出現率)、及び奨励金の額に反映される。【0237】情報提供サイトは、情報提供者によって情報を提供(情報提供端末1によって送信)するために用いられるサーバ、又は情報利用者によって情報を利用(情報利用端末2によって受信)するために用いられるサーバの記憶領域である。情報提供サイトは、例えば、マーケットプレイスを構成するサーバにより提供されるウェブページ、ウェブサイト、ポータルサイト、FTP(File Transfer Protocol)サイト、ウェブアプリケーション、SNS、メタバース、ソフトウェア、又はクラウドコンピューティング等を実現するためにサーバにより提供される記憶領域である。【0238】情報提供部43は、順位決定部42が決定した順位に基づいて、複数の情報提供者の少なくとも一部の情報提供者を特定するための提供者情報を情報利用端末2に提供する。提供者情報は、例えば、情報提供者としての情報提供者の名称、住所、連絡先等を含む情報であり、情報利用者が情報提供者を検索する操作を行なうことにより、情報利用端末2に表示される。【0239】[管理部41の詳細]
以下、管理部41の詳細について説明する。図20は、管理部41が実行する機能を示す機能ブロック図である。管理部41は、プログラムを実行することにより、行動監視部411、第一ポイント付与部412、第二ポイント付与部413、キャンペーンポイント付与部414、ポイント消費量変動部415、ポイント消滅処理部416、手数料徴収部417及び奨励金支給部418として機能する。【0240】(行動監視部411)
行動監視部411は、マーケットプレイス上でやり取りされる情報を監視することにより、情報提供者としての情報提供者の行動、及び情報利用者としての情報利用者の行動を監視する。行動監視部411は、監視して特定した行動の内容を、管理部41の他の機能部に通知する。情報提供者の行動は、例えば、情報提供サイトにおいて情報を発信する行為、又は情報利用者による情報の利用につながる行為であり、情報提供者の行動の内容は、発信した情報の量又は質、又は情報提供者の貢献により利用された情報の量又は質により表される。情報利用者の行動は、例えば、情報提供サイトにおいて情報を閲覧する行為である。【0241】(第一ポイント付与部412)
第一ポイント付与部412は、行動監視部411が特定したマーケットプレイス内におけるポイントの販売主体である情報提供者による行動の内容に基づいて、情報提供者にポイントを付与する。第一ポイント付与部412は、情報提供者が推奨行動を行ったことを検出した場合、マーケットプレイスを管理する運営者によって設定された推奨行動係数又は所定の計算式に基づいてポイント発行数を算出する。推奨行動係数は、例えば、情報提供者が提供した情報の量及び質に関連付けて決定されており、情報の量及び質が高ければ高いほど大きな値に設定されている。第一ポイント付与部412は、算出したポイント発行数のポイントを情報提供者に付与する。【0242】第一ポイント付与部412は、例えば、既に発信済みのコラムの文章の編集を情報提供者が行った場合、情報提供者が価値の高い情報を発信したことにならないので、推奨行動係数を0としてポイントを発行しない。一方、第一ポイント付与部412は、コラムの文章を編集したことによって文字数が増加した場合には、増加文字数に対して一文字あたり30ポイントを付与してもよい。第一ポイント付与部412は、コラム内に付加価値が高いコンテンツ(例えば画像)を追加した場合に、1つの追加画像に対して、付加価値が低いコンテンツよりも高いポイント(例えば3000ポイント)を付与してもよい。【0243】第一ポイント付与部412がポイントを付与する対象となる情報提供者の行動は、例えば以下のとおりである。
(1)情報提供者による振込専用口座への入金
(2)ポイント譲渡先による譲渡済みポイントの消費
(3)情報提供者によるポイント譲渡
(4)情報提供者による情報利用者の新規登録
(5)情報提供者によるコラムの新規投稿
(6)情報提供者による質問者への質問の回答
(7)質問者による情報提供者の回答へのベストアンサー登録
(8)情報提供者によるドキュメントの新規発信【0244】(第二ポイント付与部413)
第二ポイント付与部413は、所定の期間内に情報提供者が提供した情報に対する評価を累計した結果に基づいてポイントを付与する。第二ポイント付与部413が情報提供者に付与するポイントは、情報提供者が推奨行動を継続することにより付与されるので、第二ポイント付与部413がポイントを付与することにより、情報提供者が継続的に推奨行動を行なうように動機付けることができる。【0245】第二ポイント付与部413は、以下の評価内容に基づいて情報提供者にポイントを付与する。
(1)所定の期間内に第一ポイント付与部412により付与されたポイントの総数(累積数)
(2)情報提供者によりマーケットプレイスに提供された情報に対する他者からの評価の平均値又は総数(累積値)【0246】(キャンペーンポイント付与部414)
キャンペーンポイント付与部414は、情報利用者に対して、ポイントを消費する活動(例えば、マーケットプレイス内の情報を閲覧する活動)へのインセンティブを与えるために、情報利用者に対してキャンペーンポイントを付与する。キャンペーンポイント付与部414は、行動監視部411が情報利用者の行動を監視して特定した、情報利用者がマーケットプレイスにおいて情報を利用する消費行動に基づいて、付与するキャンペーンポイント数を決定する。キャンペーンポイント付与部414は、例えば、所定の評価期間内に情報利用者が消費したキャンペーンポイント以外のポイントの量に予め定められた係数を乗算することにより、付与するキャンペーンポイント数を決定する。【0247】情報利用者は、キャンペーンポイントを付与されることによって、実質的にポイント購入コストを低下させることができる。その結果、情報利用者は、キャンペーンポイントの付与を受けていない、又は付与数の少ない情報利用者に対してアドバンテージを得ることができる。このように、キャンペーンポイント付与部414がキャンペーンポイントを付与することで、運営者が期待する行動を行った量が多い情報利用者の活動を支援する仕組みをマーケットプレイス内に内在させることができる。このような仕組みを設けることにより、運営者が意図するように、マーケットプレイス内での情報の流通を活性化することが可能になる。【0248】(ポイント消費量変動部415)
ポイント消費量変動部415は、情報利用者に対してマーケットプレイスにおける行動へのインセンティブを与えるために、ポイント消費量を変動可能に決定する。ポイント消費量変動部415は、第二ポイント付与部413と同様に、情報利用者の行動(例えば、ポイントの消費を伴う行動)を予め定められた係数又は計算式を用いて、所定の評価期間内に情報利用者を評価する。ポイント消費量変動部415は、情報利用者のポイント消費行動、及びその他のポイント消費を伴わない行動の評価結果に基づいて、評価後に情報利用者が、所定の情報を利用するために必要なポイントの量を定めるポイント消費量を決定するものとし、評価結果が更新されるたびにポイント消費量を更新する。【0249】運営者が期待する行動量の多い情報利用者は、良好な評価を得た場合にポイント消費量が低下することによって、その他のマーケットプレイスの利用者に対してアドバンテージを得ることができる。つまり、ポイント消費量変動部415は、運営者が期待する行動を行なう量の多い利用者の活動を自動的に支援する仕組みをマーケット内に内在させるものであり、ポイント消費量変動部415は、他のインセンティブと相まって、マーケットにおける運営者の意図をより強度に発揮することができる仕組みを提供するものである。【0250】(ポイント消滅処理部416)
ポイント消滅処理部416は、時間の経過に伴って、情報提供者が保有するポイントの一部又は全部を消滅させる。ポイント消滅処理部416は、あらかじめ運営者によって設定された係数又は計算式に基づいて、所定の期間内の情報提供者の行動に対して減点評価を行なうために、ポイントを消滅させる。具体的には、ポイント消滅処理部416は、所定の期間にわたって情報提供者がマーケットプレイス内で運営者の期待に反する行動を行っている場合に、情報提供者が保有するポイントの一部又は全部を消滅させる。【0251】ポイント消滅処理部416は、例えば、所定の期間内に情報提供者が実行した推奨行動の量が閾値未満である場合に、ポイントを消滅させる。具体的には、ポイント消滅処理部416は、所定の期間内に情報提供者がマーケットプレイス内で提供した情報の量が所定の量未満である場合に、情報を提供していない期間の長さに応じた量のポイントを消滅させる。ポイント消滅処理部416は、情報提供者が提供した情報の質が所定のレベルよりも低い場合に、情報の質に応じてポイントを消滅させてもよい。ポイント消滅処理部416は、例えば、不正確な情報を提供した情報提供者のポイントを消滅させる。このようにすることで、ポイント管理システムS1は、正確な情報を頻繁に提供するように情報提供者を動機付けることができる。【0252】ポイント消滅処理部416は、所定の期間内に情報提供者が情報利用者に譲渡したポイント数が所定の数未満である場合、当該期間内に譲渡するべきポイント数から譲渡したポイント数を減算し、所定の係数を乗算した値に相当する量のポイントを消滅させてもよい。このようにすることで、ポイント管理システムS1は、ポイントを積極的に譲渡するように情報提供者を動機付けることができるので、マーケットプレイスが活性化する。【0253】以上のとおり、ポイント消滅処理部416が、推奨行動を実行する頻度が低い情報提供者のポイントを消滅させることにより、情報提供者が積極的に推奨行動を実行するように動機付けることができる。その結果、運営者が意図するように、マーケットプレイス内での情報の流通を活性化することが可能になる。【0254】(手数料徴収部417)
手数料徴収部417は、第一ポイント付与部412、及び第二ポイント付与部413により情報提供者が取得したポイントを情報利用者に譲渡した際に情報提供者から徴収する手数料を管理する。手数料は、予め運営者によって1ポイント当たりの手数料(以下、単位手数料という)が定められており、手数料徴収部417は、譲渡されたポイント数に単位手数料を乗算した金額を、情報提供者のシステム現金通帳から運営者のシステム現金手帳に移動させる。なお、情報提供者が、情報利用者から譲渡したポイントの対価を受け取るかどうかは任意であり、情報提供者が、手数料よりも大きな対価を情報利用者から受け取った場合、受け取った対価と手数料との差分は情報提供者の利益になる。【0255】情報提供者から情報利用者にポイントを譲渡することによって、ポイントは、情報提供者のポイント通帳から情報利用者のポイント通帳に移動し、移動後のポイント数がポイント通帳に記録される。手数料徴収部417は、情報提供者のポイント通帳とシステム現金通帳を監視し、譲渡可能ポイント数を示す譲渡可能ポイント数情報を情報提供者に提供する。【0256】なお、手数料徴収部417は、情報提供者の保有ポイント数及び現金残高と、単位手数料とに基づいて譲渡可能ポイント数を決定する。手数料徴収部417は、情報提供者の保有ポイント数、又は情報提供者の現金残高を単位手数料で除算した値のいずれか小さい値を選択することにより、譲渡可能ポイント数を決定する。例えば、手数料徴収部417は、手数料が1ポイント0.4円に設定されている場合、保有ポイント数を第一上限数(例えば200万ポイント)とし、保有現金数(現金残高)÷単位手数料を第二上限数(例えば現金残高60万円÷0.4円=150万ポイント)とする。手数料徴収部417は、第一上限数及び第二上限数のうち、小さい数(上記の例の場合、第二上限数の150万ポイント)を譲渡可能ポイント数とする。【0257】なお、情報提供者が情報利用者にポイントを譲渡したにもかかわらず、情報利用者からの支払いがないという問題が発生した時には、情報提供者は、情報利用者のポイント消費行動を制限するとともに、情報利用者のポイント通帳から強制的に譲渡済みポイントを回収するように、ポイント管理サーバ3に指示することができる。情報提供者が回収できるポイント数の上限値は、情報提供者が譲渡したポイント数である。情報提供者は、情報利用者が保有するポイントの残高の範囲内で上限値までポイントを回収できる。情報提供者がポイントを回収すると、手数料徴収部417は、回収されたポイント数に基づいて、運営者の現金通帳から情報提供者の現金通帳に、徴収済みの手数料を戻す処理を実行する。【0258】(奨励金支給部418)
奨励金支給部418は、順位決定部42が決定した情報提供者の全体順位又は地域版順位、予め運営者によって設定された係数、及び情報提供者が所定の期間内に支払った手数料の総額に基づいて奨励金額を決定する。奨励金支給部418は、決定した奨励金額を、運営者のシステム現金通帳から情報提供者のシステム現金通帳に移動させる処理を実行する。【0259】情報提供者にとってみれば、奨励金を獲得することで、以下のようなメリットが生じる。
(1)収入を増やすことができるので、事業基盤の強化が図れる
(2)ポイントをより安く、より多く提供できるので、顧客である情報利用者との関係性を強化するとともに、及び情報利用者と接触する機会を増やせる
(3)奨励金により得られる収益を考慮して本業のサービスのために投資できる【0260】したがって、このように、奨励金が情報提供者に支払われることにより、運営者が意図する方向にマーケットを誘導することが可能になる。例えば、運営者が、多くのポイントを流通させて、多くの良質な情報がやり取りされるマーケットプレイスを構築したいと考えている場合、奨励金を提供することにより、情報提供者が積極的に情報利用者にポイントを譲渡しようとするように動機付けることができる。【0261】奨励金支給部418は、奨励金の額の上限値を、例えば、情報提供者が運営者に対して支払った手数料額とすることができる。このようにすることで、情報提供者は、ポイントを譲渡した際に、実質的には運営者に手数料を支払わないで済むので、積極的にポイントを譲渡するように動機付けられる。なお、奨励金支給部418は、情報提供者が運営者に対して支払った手数料額に、運営者が予め設定した係数を乗算した額を奨励金の上限額としてもよい。【0262】[情報提供サイトの画面例]
図21は、本実施形態の情報提供サイトに情報利用端末2がアクセスした際に情報利用端末2に表示される画面の例を示す図である。図21(a)は、情報利用端末2を利用する複数の情報利用者(A子、B子)が、ポイント管理サーバ3に対する質問を投稿する画面を示している。図21(a)においては、質問内容とともに、回答の締切日と、回答した人に与えられるポイント数が表示されている。【0263】図21(b)は、図21(a)に示す質問のうち、A子が発した質問に対して複数の情報提供者(エージェントX、エージェントY)が提供した回答を示す図である。図21(b)においては、質問者であるA子により、エージェントYの回答がベストアンサーに選択されている。このような場合、管理部41は、質問者が設定した全てのポイント数をベストアンサーに選択された回答を投稿した情報提供者に付与してもよく、ベストアンサーに選択された回答者に配分するポイント数を他の回答者に配分するポイント数よりも多くなるようにしてもよい。【0264】図22は、情報利用者が情報提供者を検索するための画面の例を示す図であり、情報提供部43が情報利用端末2に提供する提供者情報の一例である。図22においては、エージェントを検索する画面、プロフェッショナルを検索する画面、コンサルタントを検索する画面のうち、エージェントを検索するための画面が選択された状態を示している。【0265】情報利用者が、自身にとって関心がある地域に関する情報を取得できるようにするために、情報利用端末2は、情報提供端末1に関連付けられた第一地域属性情報と自身に関連付けられた第二地域属性情報とに基づいて、情報提供端末1から提供情報を取得するか否かを判定する。第一地域属性情報は、情報提供者の居住地又は活動範囲を示す情報であり、第二地域属性情報は、情報利用者の居住地、活動範囲、又は情報利用者が関心を持っている地域を示す情報である。情報利用端末2は、例えば、情報利用者が設定した地域に対応する第一地域属性情報に関連付けられた情報提供端末1から提供された情報を選択的に取得する。【0266】具体的には、図22に示す画面において、情報利用者は、自身が関心を持っている地域を入力する。図22に示す画面には、情報利用者自身が居住している地域が初期値として入力されていてもよい。この場合、情報提供部43は、入力された地域に関連付けられているエージェントを、順位決定部42が決定した地域版順位が高い順に表示する。図22に示す例においては、所定の評価期間内にエージェントYに付与されたポイントが最も多く、エージェントXに付与されたポイントが2番目に多い場合の表示画面が示されている。このように、評価期間内に付与されたポイント数が多い情報提供者は検索画面で上位に表示され、ビジネスにつながる確率が高まるので、情報提供者は、図21に示したような情報提供サイトにおいて優良な情報を提供するように動機付けられることになる。【0267】[ポイント付与数の決定方法]
図23及び図24は、管理部41により実行されるポイント付与処理について説明するための表である。図23及び図24においては、複数の情報提供者のそれぞれが提供した情報の内容、提供した情報に対する評価点、情報を提供する行為に関連付けられた係数、評価点と係数とに基づいて決定された付与ポイント数、及び各情報提供者が評価期間内に付与されたポイント数である累計付与ポイント数が示されている。【0268】図23及び図24における行は、情報提供者が情報を提供する1回の行為に対応しており、時系列に並んでいる。情報提供者Aは、図23及び図24に示す期間内に情報を2回提供しており、累計ポイントが増加していることがわかる。順位決定部42は、所定の評価期間内における累計付与ポイント数に基づいて、複数の情報提供者の順位を決定することができる。【0269】図23によれば、情報利用者がベストアンサーに選択した情報に対しては評価点5が与えられており、最も多いポイント数が付与されている。一方、評価点1が与えられた場合には、最も少ないポイント数が付与されている。【0270】図23においては、係数が100に固定されているが、図24においては、評価点によって異なる係数が割り当てられている。運営者が、優良な情報に対して高く評価したいと考える場合、運営者は、図24に示すように、評価点が高い場合の係数を大きくすることで、評価点が高い場合に付与するポイント数を、図24に示す場合よりも多くすることができる。このように、運営者は、係数を調整することにより、情報提供者の行動をコントロールすることができる。【0271】[処理シーケンス]
図25は、図21に示した情報提供サイトにおいて質問と回答がやり取りされる際の情報提供端末1、情報利用端末2及びポイント管理サーバ3の間での処理シーケンスを示す図である。まず、情報利用者が情報利用端末2において質問を投稿すると(S11)、情報利用端末2は、投稿された質問をポイント管理サーバ3に送信する。ポイント管理サーバ3は、受信した質問を情報提供サイトに掲載する(S12)。【0272】続いて、情報提供者が情報提供端末1において情報提供サイトを閲覧するための操作を行なうと(S13)、情報提供端末1は、情報提供サイト画面をポイント管理サーバ3に要求する。要求を受けたポイント管理サーバ3は、情報提供サイト画面を情報提供端末1に送信し、情報提供端末1は、情報提供サイトを表示する(S14)。【0273】情報提供者が情報提供端末1において回答を投稿する操作を行なうと(S15)、情報提供端末1は、入力された回答をポイント管理サーバ3に送信する。ポイント管理サーバ3は、情報提供端末1から回答が送信されたことに応じて、情報提供端末1を使用する情報提供者に対してポイントを付与する(S16)。【0274】続いて、ポイント管理サーバ3は、情報提供者による回答が反映された情報提供サイト画面を情報利用端末2に送信し、情報利用端末2は、回答が反映された情報提供サイト画面を表示する(S17)。情報利用端末2において、情報利用者が、情報提供者による回答をベストアンサーとして選択すると(S18)、情報利用端末2は、情報提供者による回答に対する評価を示す評価情報をポイント管理サーバ3に送信する。【0275】ポイント管理サーバ3は、情報利用端末2から受信した評価情報に基づいて、情報提供者に対してさらにポイントを付与する(S19)。ポイント管理サーバ3は、例えば、情報提供者が投稿した回答がベストアンサーに選択されたことに対応するポイントを情報提供者に付与する。ポイント管理サーバ3は、所定の評価期間ごとに情報提供者の順位を更新する。例えば、ポイント管理サーバ3は、新たにポイントを付与したことに応じて、過去の所定の期間内に情報提供者に付与された累計ポイント数を計算し、累計ポイント数に基づいて情報提供者の順位を更新する(S20)。【0276】[変形例]
上記の説明においては、加盟店が情報提供者であるものとしたが、加盟店が、情報提供者であるとともに情報利用者であってもよい。情報提供者としてマーケットプレイスに情報を提供する人又は会社が、情報利用者が有する機能を利用したいと望む場合、情報提供者としてのアカウントで使用されているメールアドレスを用いて、情報利用者としてのアカウントを作成することができる。この場合、情報提供者は、アカウントを用いてログインした後に、操作メニューを用いて、会員属性を切り換えることにより、情報提供者向けの機能を使用するか、情報利用者向けの機能を使用するかを選択することができる。同様の処理により、情報利用者が情報提供者の機能を使用することも可能である。【0277】例えば、情報提供者たる加盟店である有料職業紹介事業者(エージェント)は、求人クライアント(企業)に、ポイント管理システムS1が内在する採用マーケットプレイスを活用(例えば、「転職市場」という転職マーケットプレイスへの企業情報及び求人情報の発信)するよう促し、クライアント企業の採用広告宣伝費を収益源として、リアルマーケットにおいてポイントを販売し、加盟店は収益としてもよい。ただし、この場合、有料職業紹介事業者は、事前にマーケットプレイス内において運営者が推奨する行動を実行してポイントを獲得しておく必要がある。【0278】また、クライアント企業(情報利用者たる企業会員)は、エージェントからリアルマーケットにおいて購入したポイントをマーケットプレイスの一種である採用マーケットプレイスで消費し、意図する様々な情報(採用・就職・転職マーケットに関する情報)を情報利用者たる個人会員である求職者(企業会員の変化した形態)に対して発信することにより情報提供してもよい。【0279】そして、求職者である個人会員(企業会員等の一つの形態)は、企業会員、加盟店、及び個人会員が発信する様々な情報から自分の求める企業及び職業を選定すること、又は有用なエージェントに相談することにより、発信された情報を利用してもよい。なお、情報利用者がその他の会員から提供された情報を利用する場合、又はその他の会員に情報を提供する場合の消費ポイント量は、運営者がどのようにでも設定できるようにしてもよい。例えば、個人会員は全ての情報利用及び情報提供における消費ポイント量を0としてもよい。【0280】また、個人会員は、過去又は現在において自らが勤めた企業又は勤めている企業に対する様々な視点からの評価を他の会員(例えば個人会員、企業会員、加盟店)に対して発信してもよい。そして、この場合には、他の会員は、企業自身の発信する情報以外にも、他の会員から提供された企業の情報をも閲覧(情報利用)することができる。【0281】また、情報提供者たる加盟店が、日々の業務の中で難しい出来事があり自らで答えを導き出せないときに、他の加盟店に掲示板で質問への回答(情報提供)を求めること(情報利用)ができるようにしてもよい。このようにすることで、情報提供者が、他の情報提供者から提供される情報を利用する情報利用者として、答えを導き出すために必要な情報を得ることができる。なお、加盟店は、他の加盟店が発信しているコラム等を閲覧(情報利用)してもよく、他の加盟店によるコラムを評価してもよい。さらに、マーケットプレイスでの活動の活発な加盟店については、他の利用者への情報接触頻度を高めるように順位付けしてもよい。【0282】マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を結婚相談業者とし、情報利用者を上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員及び個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する、独身者に限定した婚活専用のマーケットプレイスであってもよい。この場合、ポイント管理システムS1は、情報提供者は結婚相談業者、及び情報利用者は独身者の2種類の会員による婚活専用のマーケットプレイスを構築できる。マーケットプレイスの有用性を考慮して、ポイント管理システムS1は、情報利用者を、第一の情報利用者である男性、又は第二の情報利用者である女性に属性付けし、各種のサービスを属性ごとに特徴付けて提供してもよい。【0283】マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を不動産仲介業者とし、情報利用者を、不動産を売り買い若しくは貸し借りしようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、不動産専用のマーケットプレイスであってもよい。さらに、このマーケットプレイスの情報利用者は、上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する売主若しくは貸主向けの機能、及び前記採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する買主若しくは借主向けの機能の双方を同一情報利用者アカウント内に個別に有していてもよい。【0284】マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を保険ブローカー(保険仲立人)とし、情報利用者を、保険商品を販売しようとする保険会社、及び保険商品を購入しようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、保険専用のマーケットプレイスであってもよい。このマーケットプレイスの情報利用者は、上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する第一の情報利用者である保険会社、及び前記採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する第二の情報利用者である個人、個人事業主、法人、又は団体としてもよい。【0285】この場合に、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して情報提供者からの提供情報を利用するだけでなく、保有ポイントを消費して自社のソルベンシーマージン比率やディスクロージャー等の情報を第二の情報利用者に提供してもよい。また、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して自社の保険商品の情報を、第二の情報利用者に提供してもよい。【0286】なお、第二の情報利用者がその他の会員から提供された情報を利用する場合、又はその他の会員に情報を提供する場合の消費ポイント量は、運営者が自由に設定できるようにしてもよい。例えば、ポイント消費量変動部415は、運営者からの指示に基づいて、第二の情報利用者による全ての情報利用及び情報提供における消費ポイント量を0としてもよい。そして、このようなマーケットプレイスにおいて取り扱うことができる情報は本明細書に記載の情報に限られず、例えば、銀行系金融商品の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はファイナンシャルプランナー等)、証券系金融商品の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はファイナンシャルプランナー等)、店舗による商品、若しくはサービス提供の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はブロガー等)、又は医療、若しくは介護の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店は社会福祉士等)等において提供されるマーケットプレイスの情報であってもよい。【0287】マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を自動車評論家、自動車関連業界記者、又はコラムニスト等とし、情報利用者を、自動車を販売しようとする自動車メーカー、及び自動車を購入しようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、自動車専用のマーケットプレイスがあってもよい。このマーケットプレイスの情報利用者は、前記採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する第一の情報利用者である自動車メーカー、及び上記の採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する第二の情報利用者である個人、個人事業主、法人、又は団体としてもよい。【0288】この場合に、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して情報提供者からの提供情報を利用するだけでなく、保有ポイントを消費して自社の保有技術やブランディング戦略上の発信したい情報等を第二の情報利用者に提供してもよい。また、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して自社の自動車、又は関連する情報を、第二の情報利用者に提供してもよい。【0289】なお、自動車専用のマーケットプレイスは、仮想現実(VR:Virtual Reality)技術を用いた三次元仮想空間としてサービスを提供してもよく、また、このような形態のマーケットプレイスは、例えば、住宅等を建築する建築業界、リゾート施設等を運営する観光業界、又は中古住宅等を提供する不動産流通業界等に向けてサービスを提供してもよい。こうすることで、利用者は、より充実した情報を提供、又は利用することができるようになる。【0290】さらに、上記以外の変形例としては、例えば、マーケットプレイスにおいて情報提供者は、保有するポイントを情報利用者に譲渡する機会がない場合、又は少ない場合等のように、保有ポイントを余らせている場合に、管理サーバによって手数料を徴収されることなく、ポイントを必要とするその他の情報提供者に保有ポイントを譲渡することができるようにしてもよい。こうすることによって、マーケットプレイス内でポイントがより流通しやすくなる。また、ポイントを必要とする情報利用者は、よりポイントを取得、及び消費しやすくなり、マーケットプレイスを活性化させることができるようになる。【0291】また、上記以外の変形例としては、例えば、複数のマーケットプレイス間のポイントの移動を可能とするポイント交換マーケットプレイスがあってもよい。この場合に、ポイント交換マーケットプレイスを利用することができるユーザを情報提供者に限ってもよい。情報提供者は、ポイント交換マーケットプレイスを利用して、同一マーケットプレイス、又は異なるマーケットプレイスのその他の情報提供者との間で、保有するポイントと預け入れている金銭とを交換することができる。こうすることによって、個別のマーケットプレイスに限らず、複数のマーケットプレイスをまたがりポイントがより流通しやすくなる。また、ポイントを必要とする情報利用者は、よりポイントを取得、及び消費しやすくなり、情報利用者が利用するそれぞれのマーケットプレイスを活性化させることができるようになる。なお、ポイント交換マーケットプレイスにおいて情報提供者が他の情報提供者にポイントを譲渡する際に運営者に徴収される手数料、及び運営者が支給する奨励金は、運営者が設定する設定情報により任意の手段で制御できるものとする。【0292】そして、運営者は、リアルマーケットの態様、及び運営者の目的に沿って、マーケットプレイスを構築し、マーケットプレイスの設定情報を変更し、及びマーケットプレイスを変容、また離合集散等させることによって、より強度にマーケットプレイスの情報流通を活性化させることができるようになり、マーケットプレイスはもとより、リアルマーケットの情報を効果的に流通させることができるようになる。【0293】さらに、上記以外の変形例として、マーケットプレイスにおいて付与されるポイントの量や手数料等の決定に用いられる設定情報を、運営者自身ではなく人工知能技術を用いて更新するようにしてもよい。この場合、人工知能を有するポイント管理サーバ3が設定情報を決定してもよく、ポイント管理サーバ3が外部の人工知能サーバ(以下、AIサーバという)から設定情報を取得し、取得した設定情報に基づいてマーケットプレイスにおける各種の処理を実行してもよい。【0294】AIサーバが適切な設定情報を生成することができるようにするために、ポイント管理サーバ3は、ポイント管理サーバ3に接続されたAIサーバに、情報提供端末1及び情報利用端末2とポイント管理サーバ3との間で送受信されたデータを入力する。AIサーバは入力されたデータ、及びマーケットプレイスの情報に基づいて、マーケットプレイスで使用される一部又は全ての設定情報を更新する設定情報データを生成し、AIサーバは、生成した設定情報データをポイント管理サーバ3に送信することにより、設定情報を更新してもよい。【0295】また、AIサーバから送信された設定情報データを受信したポイント管理サーバ3は直ちに設定情報を更新しなくてもよい。また、AIサーバは、生成した設定情報データを直ちにポイント管理サーバ3に送信しなくてもよい。ポイント管理サーバ3は、AIサーバが設定情報データを生成してから任意の期間が経過した後に、元の設定情報から新たな設定情報に更新してもよい。この場合に、マーケットプレイスの運営者は、任意の期間内に、更新後の新たな設定情報をマーケットプレイスの参加者に告知してもよい。【0296】なお、マーケットプレイスの参加者への設定情報の告知方法は任意である。例えば、マーケットプレイス内に設定情報変更特設サイト等(情報提供サイトの一つ)を設けて、マーケットプレイスの参加者が当該サイトにアクセスすることにより最新の設定情報を把握できるようにしてもよい。【0297】以上のとおり、AIサーバが設定情報を生成することによって、マーケットプレイスが大きくなったり、複数のマーケットプレイスが構築されたりした場合に複雑化する設定情報の更新作業をAIサーバにより全自動処理させることができる。その結果、運営者の手間を軽減させるとともに、人為的ミス、及び人為的不正を介在させることなく、マーケットプレイスにとって効果的な設定情報を導き出すことが可能となる。また、AIサーバが設定情報を生成することによって、設定情報を更新する間隔を短くすることもできるようになり、マーケットプレイスの効果的な発展に寄与するものとなる。【0298】さらに、上記以外の変形例として、ポイント管理システムS1が、複数のマーケットプレイスを同時に提供する形態が考えられる。ポイント管理システムS1が複数のマーケットプレイスを同時に提供する場合、情報提供者及び情報利用者が、同一アカウントを用いて、異なるマーケットプレイスを同時に利用できるようにしてもよい。つまり、情報提供者及び情報利用者は、現金、ポイント、及び自身の情報を複数のマーケットプレイスにおいて共通に使用することができる。【0299】具体的には、同一の運営者が運営するマーケットプレイスが複数ある場合に、利用者、加盟店、及び運営者は、一つのアカウントによって複数のマーケットプレイスを利用することができるようにしてもよい。この場合に、ポイント管理サーバ3は、加盟店又は運営者のシステム現金通帳、及び、利用者又は加盟店のポイント通帳は、アカウントごとに管理してもよく、複数のマーケットプレイスをまたがって共通に管理してもよい。また、ポイント管理サーバ3は、利用者及び加盟店に対して付与する特典についても、複数のマーケットプレイスにまたがって付与してもよい。さらに、ポイント管理サーバ3は、特典を付与する際に用いられる情報利用者及び情報提供者の評価についても、複数のマーケットプレイスにまたがる行動に基づいて評価してもよい。【0300】このようにすることで、複数のマーケットプレイスを含む全体におけるポイントの流動性が高まり、ポイントの価値が安定又は上昇し、マーケットプレイスへの参加者のポイントに対する信認性が上昇することにより、マーケットプレイスの信認性の上昇にもつながる。【0301】また、このように複数のマーケットプレイスを連動させることにより、運営者は、収益性の高い他のマーケットプレイスとともに運営することで、収益性が低いと見込まれる公益的なマーケットプレイスを運営することも可能になる。この際、利用者の消費ポイント量、及び加盟店の評価等を決定する際に、公益的要素に鑑みて決定された設定情報を用いることで、有用な公益的マーケットプレイスでのサービスを提供することができるようになる。このように、複数のマーケットプレイスを連動させることは、収益性が低い、いわゆる公益型ビジネスの広告宣伝市場を発展させるという点でも役立つ。【0302】[ポイント管理システムS1による効果]
以上説明したように、ポイント管理システムS1は、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報に基づいて、情報提供者にポイントを付与する管理部41と、管理部41により付与されたポイントの数に基づいて、複数の情報提供者の順位を決定する順位決定部42とを有する。そして、情報利用者が情報提供者を検索する際に、順位決定部42が決定した順位が高い情報提供者を情報利用者が認識しやすいように、情報利用端末2に情報提供者が表示される。【0303】ポイント管理システムS1がこのような構成を有することで、情報提供者は、より多くのポイントが付与されるために情報を提供するように動機付けられるので、有用な情報を提供できる情報提供者が上位に表示される。その結果、情報利用者が、有用な情報を提供できる情報提供者を認識しやすくなり、有用な情報に接触できる確率が高まる。【0304】また、ポイント管理システムS1において情報提供者に付与されるポイントは、運営者が設定した係数によってコントロールされる。したがって、運営者は、運営者が期待するように情報が流通するべくマーケットプレイスを管理することができる。そして、運営者は、マーケットプレイスを各種のマッチングに活用することで、以下のような効果を得ることができる。【0305】(1)情報の効果的流通による、求める者同士の出会い、新たな発見、又は選択におけるミスマッチの防止とベストマッチングの推進
(2)情報の効果的流通、及びベストマッチングの推進による、リアルマーケットにおける流動性向上の阻害要因の排除と促進要因の創造
(3)リアルマーケットにおける流動性向上による、生産性、付加価値、又は幸福度上昇サイクルの阻害要因の排除と促進要因の創造
(4)ベストマッチングの推進、流動性向上、及び付加価値上昇等による、リアルマーケットの活性化の阻害要因の排除と促進要因の創造
(5)小規模専門事業者の専門性の向上及び見込み客への告知拡大の阻害要因の排除と促進要因の創造
(6)非効率広告手段の排除と高効率広告手段の創造
(7)情報提供者と情報利用者、情報提供者と情報提供者、及び情報利用者と情報利用者とが接触する機会の阻害要因の排除と促進要因の創造【0306】<第四実施形態>
[ポイント管理システムS2の構成]
本発明の一実施形態である第四実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトとして、転職支援情報サイト(以下、「転職サイト」と略記する。)を例に挙げて、ポイント管理システムS2の構成を以下に説明する。ここで、本実施形態における情報提供サイトは、主に検索エンジンやリンク集などを中心として構成された、利用者がインターネット上で情報を探し出すための基点となるページをトップページとして有するポータルサイトを始めとする各種のウェブサイトである。情報提供サイトは、総合的な情報を取りまとめたものに限らず、特定分野の窓口として関連情報やリンク集の整理などを行っているものも含まれるものとする。また、以下の説明における利用者とは、情報提供者としての側面と、閲覧者としての側面を併せ持つ存在である。【0307】本実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される転職サイトを利用する利用者には、個人と企業とを適切にマッチングするための仲介者の役割を果たす職業紹介事業者や人材紹介事業者(以下、「エージェント」と略記する。)に該当する第一の利用者と、転職を希望する個人や人材の獲得を希望する企業に該当する第二の利用者と、が存在する。ここで、企業及びエージェントは第三実施形態における情報提供者に対応する側面を強く有する利用者であり、個人は第一実施形態における情報利用者に対応する情報閲覧者としての側面を強く有する利用者である。【0308】第二の利用者は、より自分に合った職場、又は、より理想に近い人材に巡り会うために、転職サイト内で自己の情報を発信したり他者の情報を収集したりする。一方、第一の利用者は、転職サイト内で、自己の情報に加えて転職や採用に役立つ情報を発信することで、第二の利用者に相談窓口として優れていることをアピールする。なお、転職サイト内で取り扱われる情報は、文字や画像、映像、音声、データファイル、アプリケーション、3Dコンテンツ等の様々な形態で提供される。【0309】また、転職サイト内では、金銭的価値を有するポイントが流通し、このポイントは第二の利用者が転職サイト内のサービスを利用するための利用料として消費される。ポイントは、主に、運営者によって定められた預入金口座に金銭を預け入れた第一の利用者に対して発行され、第二の利用者は、事前に第一の利用者からポイントを購入した上で転職サイト内のサービスを利用する。【0310】第一の利用者によって預け入れられた金銭は、預入金として運営者によって一元管理される。運営者の収入源であるポイント販売に係る手数料は、この預入金のうち何円が誰に帰属しているかという内訳に基づいて決済される。また、第一の利用者が退会する際には、預入金のうち、退会の時点で当該第一の利用者に帰属する金額が返金される。【0311】さらに、ポイント管理システムS2は、利用者のサービス利用行為に基づいて、各利用者に対して、ポイント無償発行や、優先的な広告掲載等の特典が付与される仕組みを有することを特徴とする。サービス利用行為は、例えばポイント管理システムS2において他の利用者に情報を提供したり、他の利用者が提供する情報を閲覧したりする行為である。【0312】図26は、第四実施形態に係るポイント管理システムS2の全体構成図である。ポイント管理システムS2は、主に、管理サーバ10によって実現されるシステムである。管理サーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク50を介して、運営者端末20、利用者端末30及び金融機関のサーバ40と接続される。【0313】運営者端末20及び利用者端末30は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、テレビ、ゲーム機又はカーナビ等の情報端末である。運営者端末20はポイント管理システムS2の運営者によって使用され、利用者端末30は転職サイトの利用者である第一の利用者及び第二の利用者によって使用される。また、運営者端末20及び利用者端末30は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置とキーボード及びマウス等の入力装置とを備えている。【0314】さらに、運営者端末20及び利用者端末30にはブラウザが搭載されており、このブラウザは、少なくとも、種々のサーバから提供されるウェブページをディスプレイに表示することができる。なお、利用者が専用のアプリケーションを利用者端末30で実行することにより、管理サーバ10から受信した内容を出力装置において出力できるようにしてもよい。また、利用者端末30の出力装置及び入力装置は、上記のものに限定されず、ヘッドマウントディスプレイ等のVR技術が使用されたものであってもよい。【0315】なお、運営者端末20は上記の態様に限定されず、管理サーバ10内に記憶されている設定情報(詳細は後述する。)を更新するための入力操作が可能であれば、任意の態様であってもよい。ゆえに、例えば、管理サーバ10と運営者端末20とが一体を成す態様も可能である。【0316】運営者及び利用者は、入力装置を操作することにより、ディスプレイ等に表示されたウェブページ上にあるボタンやアイコン等をクリックしたり、フォームに文字等を入力したりして、管理サーバ10に要求を発信する。【0317】金融機関のサーバ40は、運営者が契約を交わした金融機関で管理されるサーバであり、預入金口座への入金があった場合に、入金日時と、入金金額と、入金者の情報(入金ID)とを入金記録として記録し、自動的に、又は、管理サーバ10からの要求に応じて、入金記録を管理サーバ10に提供する。【0318】[管理サーバ10の構成]
図27は、管理サーバ10の構成を示す回路ブロック図である。管理サーバ10は、CPU110、ROM111、RAM112、記憶装置113及び通信制御装置114を備えており、これらはバス115で互いに接続されている。【0319】CPU110は、ROM111に格納されているプログラムに基づいて、ROM111、RAM112及び記憶装置113の相互間でのデータの送受信を制御したり、記憶装置113及び通信制御装置114の制御を行ったりする。また、CPU110は、通信制御装置114を介して通信ネットワーク50との間の接続を制御する。【0320】記憶装置113は、ハードディスク装置等から構成されており、管理サーバ10にとって必要なデータやアプリケーションプログラムを記憶しておく記憶媒体として使用される。CPU110は、必要に応じて、データを記憶装置113に記憶させたり、記憶装置113に記憶されているデータを読み取って使用したりすることができる。なお、本実施形態では、記憶装置113は管理サーバ10に設けられるが、記憶装置113は管理サーバ10の外部に設けられるものであってもよい。【0321】図28は、管理サーバ10の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。管理サーバ10においては、CPU110がROM111や記憶装置113に記憶されているプログラムを実行することによって、図28に示す各種の機能を実現する。図28に示すように、管理サーバ10は、通信部120と、記憶部140と、制御部130とを備える。【0322】(通信部120)
通信部120は、運営者端末20及び利用者端末30からの要求の受信、及び、制御部130によって選択又は生成されたウェブページ等の情報の運営者端末20及び利用者端末30への送信を行なう。通信部120は、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを有する。【0323】(記憶部140)
記憶部140は、利用者情報記憶部141と、設定情報記憶部142と、評価履歴記憶部143と、ポイント履歴記憶部144と、預入金履歴記憶部145と、ウェブページ情報等記憶部146とを備える。【0324】利用者情報記憶部141は、ユーザIDやパスワードのような各利用者の個人情報や、各利用者に付与された特典に関する情報を記憶する。
設定情報記憶部142は、制御部130における処理で参照される設定情報を記憶する。
評価履歴記憶部143は、利用者によるサービス利用行為の履歴を記憶する。
ポイント履歴記憶部144は、各利用者のポイント得失履歴T7を記憶する。【0325】預入金履歴記憶部145は、運営者によって一元管理されている預入金のうち当該第一の利用者に帰属する金額である預入金額を、第一利用者の識別情報に対応付けて記憶する。預入金履歴記憶部145は、預入金額の増減履歴を記憶してもよい。
ウェブページ情報等記憶部146は、転職サイトの基礎となるウェブページや、各利用者に割り当てられているウェブページの情報等を記憶する。【0326】(制御部130)
制御部130は、例えばCPU110であり、プログラムを実行することにより、設定情報更新部131、認証部132、ポイント消費部133、ポイント還元部134、要求処理部135、評価値記録部136、特典指標値算出部137、特典付与部138、及び入金処理部139として機能する。【0327】設定情報更新部131は、運営者端末20からの要求に応じて、設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新する。
認証部132は、転職サイトへアクセスを行った利用者のログイン制御のための認証を行なう。【0328】ポイント消費部133は、利用者端末30からの要求に対して、当該利用者のポイントを減算した上で、要求処理部135における処理の実行を許可する。【0329】ポイント還元部134は、第二の利用者が情報提供サイトにおけるサービスの利用のためにポイントを消費した場合に、消費されたポイントに対応する譲渡元の情報を利用者情報記憶部141から取得し、取得した譲渡元の情報が示す第一の利用者に、消費されたポイントに基づく数量のポイントを付与する。ポイント還元部134は、ポイント消費部133において減算されたポイント数に基づいて、当該ポイントの譲渡元である第一の利用者にポイントを付与する。【0330】要求処理部135は、利用者端末30からの要求に応じてウェブページ等の情報の提供や記憶部140の更新を行なう。換言すれば、要求処理部135は、利用者の要求に応じてサービスを提供することにより、管理サーバ10において、利用者のサービス利用行為を実行する。【0331】評価値記録部136は、利用者による情報提供サイトを利用する行為に対する評価値を算出する評価部である。評価値記録部136は、要求処理部135においてなされた各処理に対して特典に反映される評価値を算出し、評価値を含む各処理に関する情報を評価履歴記憶部143に記録させる。【0332】特典指標値算出部137は、評価履歴記憶部143に記憶されている各利用者に関する評価値に基づいて特典指標値を算出する。特典指標値算出部137で算出される特典指標値のうち、各利用者の活動範囲を示す地域情報に基づく特典指標値を第一特典指標値と称し、地域情報に基づかない特典指標値を第二特典指標値と称する。【0333】特典付与部138は、所定の期間中の利用者に対応する評価値に基づいて、利用者に特典を付与する。特典付与部138は、例えば、特典指標値等に基づいて、各利用者の情報を表示する優先順位や、各利用者が保有するポイント等を制御する。
入金処理部139は、金融機関のサーバ40から入金記録を取得し、入金者である第一の利用者の預入金額を入金額分加算した金額に更新すると共に、当該第一の利用者に預入金額に応じたポイントを付与する。【0334】(制御部130:要求処理部135)
要求処理部135は、閲覧処理部135a、検索処理部135b、ウェブページ更新処理部135c、投稿処理部135d、ポイント譲渡処理部135e、及び評価処理部135fを有する。閲覧処理部135aは、利用者端末30からの要求に応じたウェブページを提供する。検索処理部135bは、利用者端末30からの要求に含まれる条件に合う情報を検索し、検索した情報を提示する。【0335】ウェブページ更新処理部135cは、各利用者が発信したい情報を掲載するための各利用者専用のウェブページを、要求に応じて更新する。投稿処理部135dは、利用者端末30からのコラムや質問等を投稿するための要求に応じて、投稿されたコラムや質問等をウェブページに反映する。【0336】ポイント譲渡処理部135eは、利用者端末30から、ポイントを譲渡するための第一の要求を受信すると、第一の要求の発信者である第一の利用者から第一の要求において譲渡先として指定された利用者へ第一の要求において指定された数量のポイントを移動させるポイント譲渡部として機能する。ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者からの要求に応じてポイントの移動処理及び手数料の決済処理を行なう。【0337】また、ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者から前記第二の利用者へポイントの移動が行なわれると、移動されたポイントに基づく金額を運営者に対して支払うよう求める通知を第一の利用者の端末に送信してもよい。ポイント譲渡処理部135eは、例えば、移動されたポイントに、運営者が設定可能な所定の設定値を乗算することにより、運営者に支払う金額を算出する。【0338】また、ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者から前記第二の利用者へポイントの移動が行なわれると、第一の利用者に帰属する金額を、移動されたポイントに基づく金額分減算してもよい。ポイント譲渡処理部135eは、例えば、移動されたポイントに、運営者が設定可能な所定の設定値を乗算することにより、減算する金額を算出する。【0339】評価処理部135fは、公開されている情報に対して利用者によってなされる評価に基づいて、特典に反映される評価値を算出し、算出した評価値を記憶部140に記録する。【0340】要求処理部135は、以上の機能の他に、例えば、利用者端末30からの、コンテンツをダウンロードするための要求に応じて、当該コンテンツを利用者端末30へ提供する機能や、利用者端末30からの、コンテンツをアップロードするための要求に応じて、当該コンテンツを記憶部140に記憶させる機能等を有してもよい。【0341】(制御部130:特典付与部138)
特典付与部138は、第一ポイント付与部138a、表示情報選出部138b、表示順位決定部138c、第二ポイント付与部138d、奨励金支給部138e、及び割引率算出部138fを有する。第一ポイント付与部138aは、評価値記録部136における処理が行なわれる度に、各評価値に基づいて各利用者に付与するポイント数を算出する。表示情報選出部138bは、第一特典指標値に基づいて広告枠に表示させる情報を選出する。【0342】表示順位決定部138cは、第一特典指標値に基づいて検索結果表示画面に表示させる情報の表示順を決定する。第二ポイント付与部138dは、各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行なう。奨励金支給部138eは、各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給する奨励金額を算出し、各利用者に奨励金支給処理を行なう。割引率算出部138fは、各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者がサービスを利用するために必要となるポイント数の割引率を算出する。ポイント数の割引率は、標準的な第二の利用者が特定のサービスを利用する際に消費される基本ポイント数に対する、基本ポイント数と特定の第二の利用者が同じサービスを利用する際に消費されるポイント数との差の割合である。【0343】(記憶部140に記憶されている情報の詳細)
ここで、ポイント管理システムS2の機能の詳細な説明に先立って、記憶部140に記憶されている情報について、詳細に説明する。【0344】(利用者情報記憶部141に記憶されている情報)
利用者情報記憶部141には、ユーザIDやパスワードのような各利用者の個人情報や、各利用者に付与された特典に関する情報が、図29に示すような利用者情報表T1として記憶されている。図29に示すように、利用者情報表T1の項目としては、例えば、当該利用者を識別するためのユーザID、当該利用者を認証するためのパスワード、当該利用者の種別、第一特典指標値、第二特典指標値、当該利用者の活動範囲を示す地域情報、当該利用者専用に割り当てられたウェブページのアドレス等が挙げられる。【0345】ここで、利用者の種別とは、例えば、第一の利用者と第二の利用者のどちらに属するか、又は、エージェントと企業と個人のうちのいずれに属するか等、利用者の当該転職サイト内における立場を示す情報である。また、地域情報は、例えば、市区町村を最小単位とし、エージェントや企業の場合は事業展開する地域、個人の場合は就職を希望する地域等に基づいて、当該利用者自身の選択によって定められる、一以上の単位地域からなる地理的情報である。【0346】また、利用者情報記憶部141には、第一の利用者限定の項目として、預入金の入金に関するID番号である入金IDが記憶されている。一方、利用者情報記憶部141には、第二の利用者限定の項目として、サービスを利用するために消費するポイント数を、後述する消費ポイントに対応表T2より得られる数量(定価に相当する。)から割り引くための比率である割引率が記憶されている。【0347】また、利用者情報記憶部141には、その他の項目として、利用者が保有するポイント数や、第一の利用者に帰属する預入金額等が記憶されていてもよい。
利用者情報表T1は、認証部132、ポイント消費部133、要求処理部135及び特典付与部138の処理において参照されると共に、特典指標値算出部137及び割引率算出部138fの処理に伴って更新される。【0348】(設定情報記憶部142に記憶されている情報)
設定情報記憶部142には、制御部130における処理で参照される設定情報が記憶されている。設定情報記憶部142は、例えば、評価値記録部136が評価値を算出する際の基準として用いられる第一設定情報、及び特典付与部138が特典の大きさを決定する際の基準として用いられる第二設定情報を含む設定情報を記憶する。設定情報は、例えば、消費ポイント対応表T2、評価値対応表T3、記事評価値対応表T4、第一特典指標値関数F1、第二特典指標値関数F2、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4、第三ポイント関数F5、第四ポイント関数F6、手数料関数F7、奨励金関数F8、割引率関数F9、特典指標値算出間隔IV、評価値抽出期間PDである。第一設定情報は、例えば評価値対応表T3又は記事評価値対応表T4であり、第二設定情報は、例えば第一特典指標値関数F1又は第二特典指標値関数F2である。【0349】消費ポイント対応表T2は、ポイント消費部133の処理において参照される、利用者端末30からの要求の種別と、その要求内容に基づいて消費ポイント数を算出するための関数との対応表である。ここで、要求の種別とは、閲覧要求、検索要求、記事投稿要求、ウェブページ更新要求等、要求処理部135において行なわれる各処理に対応する。また、各要求の種別に対応する関数は、運営者によって随時変更可能であり、当該要求に含まれる何らかの数値を変数とした関数であってもよいし、定数関数であってもよい。例えば、記事投稿要求に対応する関数としては、投稿する記事の文字数に所定の定数を乗じるような関数が考えられる。また、広告掲載に関する要求に対応する関数であれば、広告掲載期間や掲載する広告枠の広さ等を変数とした関数とすることが考えられる。【0350】なお、消費ポイント対応表T2は、個人用と企業用の2種類とする等、利用者の種別に応じて複数種類存在してもよい。この場合、個人用の消費ポイント対応表T2の、全要求の種別に対応するポイント数を0として、個人によるサービスの利用にはお金がかからないように設定することもできる。【0351】運営者が特定のサービスの利用を推進したい場合には、制御部130は、運営者の指示に基づいて、消費ポイント対応表T2における、当該サービスの利用に対応する要求の種別に対応する関数を、消費ポイント数がより少なく算出されるものに変更してもよい。これにより、利用者にとって当該サービスがより魅力的なものとなるため、利用者の当該サービスの利用意欲の増進につながり、結果として、運営者の意図する方向に利用者のサービス利用行為を誘導することができる。【0352】評価値対応表T3は、評価値記録部136の処理において参照される、要求処理部135における各処理の種別と、その処理内容から評価値を算出するための関数との対応表である。ここで、各処理の種別とは、閲覧処理、検索処理、記事投稿処理、ウェブページ更新処理等、要求処理部135において行なわれる各処理に対応する。また、各処理の種別に対応する関数は、運営者によって随時変更可能であり、当該処理に含まれる何らかの数値を変数とした関数であってもよいし、定数関数であってもよい。なお、評価値対応表T3は、エージェント用と企業用と個人用の3種類とする等、利用者の種別に応じて複数種類存在してもよい。さらに、処理の種別に、新規会員登録処理を加えることによって、新規に会員登録を行った利用者に対して、特別にポイントを付与することも可能となる。【0353】運営者が特定のサービスの利用を推進したい場合には、制御部130は、運営者の指示に基づいて、評価値対応表T3における、当該サービスの利用に対応する処理の種別に対応する関数を、評価値がより大きく算出されるものに変更してもよい。これにより、利用者にとって当該サービスがより魅力的なものとなるため、利用者の当該サービスの利用意欲の増進につながり、結果として、運営者の意図する方向に利用者のサービス利用行為を誘導することができる。【0354】記事評価値対応表T4は、評価処理部135fの処理において参照される、閲覧者によるコラム等の評価と、評価値との対応表である。記事評価値対応表T4は、例えば、閲覧者によるコラム等の評価が、「excellent」、「good」、「average」、「poor」の4段階に分けられている場合に、それぞれの評価に対して、2、1、0、−1という評価値が対応するような表とすることができる。【0355】第一特典指標値関数F1は、特典指標値算出部137の処理において参照される、評価値と地域情報から第一特典指標値を算出するための関数である。第一特典指標値関数F1は、例えば、(ある利用者の第一特典指標値)=(当該利用者に関する地域依存性のない評価値の合計)+(当該利用者に関する地域依存性のある評価値の合計)/(当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者の総数)とすることができる。ここで、地域依存性のある評価値とは、当該利用者の活動範囲における利用者人口によって機会が制限される行為に対する評価値のことであり、例えば、ポイント譲渡による評価値や、他者からの評価による評価値がこれに該当する。第一特典指標値関数F1をこのような関数にすることにより、利用者の活動範囲の広狭によって生じる不公平を是正した指標に基づいて表示の優先順位を決定することができるため、真に質の高い利用者を正当に優遇することができる。【0356】なお、例示の第一特典指標値関数F1の右辺第一項及び第二項には、運営者によって設定可能な任意の定数が乗じられてもよく、これにより、地域依存性のない評価値と地域依存性のある評価値とのそれぞれが、第一特典指標値に対してどの程度影響するかを調整することが可能となる。また、他者からの評価に基づく評価値を除いた評価値によって第一特典指標値を算出する等、運営者によって評価値の抽出条件に適宜制限が加えられてもよい。【0357】第二特典指標値関数F2は、特典指標値算出部137の処理において参照される、評価値に基づいて第二特典指標値を算出するための関数である。第二特典指標値関数F2は、例えば、(ある利用者の第二特典指標値)=(当該利用者に関する評価値の合計)とすることができる。
なお、特典指標値算出部137の処理において参照される関数は、第一特典指標値関数F1及び第二特典指標値関数F2に限定されず、特典付与部138に属する機能処理部によって異なる特典指標値が参照されるよう、より多種類の関数が設定情報記憶部142に記憶されていてもよい。【0358】第一ポイント関数F3は、第一ポイント付与部138aの処理において参照される、評価値に基づいてポイントを算出するための関数である。第一ポイント関数F3は、例えば、(付与されるポイント数)=C1×(評価値)のような任意の定数C1を含む一次関数とすることができる。また、ポイントを付与するために必要な評価値の下限値C1’を定めることも可能である。この場合、第一ポイント関数F3は、例えば、評価値が下限値C1’以上の場合には(付与されるポイント数)=C1×(評価値)であり、評価値が下限値C1’未満の場合には定数関数(付与されるポイント数)=0であるような関数とすることができる。さらに、第一ポイント関数F3の代わりに、複数種類の関数からなる第一ポイント関数表が設定情報記憶部142に記憶されていてもよい。この場合、第一ポイント付与部138aは、ポイントの付与対象である利用者の種別によって、個別に関数を設定することができ、この結果、利用者の種別によって待遇に変化をつけることが可能となる。【0359】第二ポイント関数F4は、第二ポイント付与部138dの処理において参照される、第二特典指標値に基づいてポイントを算出するための関数である。第二ポイント関数F4は、例えば、(付与されるポイント数)=C2×(第二特典指標値)のような任意の定数C2を含む一次関数とすることができる。また、ポイントを付与するために必要な第二特典指標値の下限値C2’を定めることも可能である。この場合、例えば、第二ポイント関数F4は、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数であってもよいし、(付与されるポイント数)=C2×{(第二特典指標値)−C2’}のような、第二特典指標値が下限値C2’未満なら、付与されるポイント数が負の値となるような関数とすることもできる。さらに、第二ポイント関数F4も、第一ポイント関数F3と同様に、複数種類の関数からなる第二ポイント関数表によって代用されてもよい。【0360】第三ポイント関数F5は、ポイント還元部134の処理において参照される、減算されたポイント数に基づいて、付与されるポイント数を算出するための関数である。第三ポイント関数F5は、例えば、(付与されるポイント数)=C3×(減算されたポイント数)のような任意の定数C3を含む一次関数とすることができる。【0361】第四ポイント関数F6は、入金処理部139の処理において参照される、預入金額から付与されるポイント数を算出するための関数である。第四ポイント関数F6は、例えば、(入金記録反映後の預入金額)が(預入金額の過去最高額)より小さい場合は(付与されるポイント数)=C4×{(入金記録反映後の預入金額)−(預入金額の過去最高額)}のような任意の定数C4を含む一次関数であり、(入金記録反映後の預入金額)が(預入金額の過去最高額)以下の場合は定数関数(付与されるポイント数)=0であるような関数とすることができる。【0362】手数料関数F7は、ポイント譲渡処理部135eの処理において参照される、譲渡されるポイント数から手数料を算出するための関数である。手数料関数F7は、例えば、(手数料)=C5×(譲渡されるポイント数)のような任意の定数C5を含む一次関数とすることができる。また、手数料関数F7も、第一ポイント関数F3及び第二ポイント関数F4と同様に、複数種類の関数からなる手数料関数表によって代用されてもよい。この場合、ポイントの譲渡先である利用者の種別毎に異なる関数を設定することができる。これにより、例えば、第二の利用者への譲渡には手数料が発生し、第一の利用者同士での譲渡には手数料が発生しない等の設定が可能となる。【0363】奨励金関数F8は、奨励金支給部138eの処理において参照される、第二特典指標値に基づいて奨励金額を算出するための関数である。奨励金関数F8は、例えば、(奨励金額)=C6×(第二特典指標値)のような任意の定数C6を含む一次関数とすることができる。また、奨励金を支給するために必要な第二特典指標値の下限値C6’を定めることも可能であり、奨励金関数F8を、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数とすることができる。【0364】割引率関数F9は、割引率算出部138fの処理において参照される、第二特典指標値に基づいて割引率を算出するための関数である。割引率関数F9は、例えば、(割引率)=C7×(第二特典指標値)のような任意の定数C7を含む一次関数とすることができる。また、割引を適用するために必要な第二特典指標値の下限値C7’を定めることも可能であり、割引率関数F9を、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数とすることができる。さらに、割引率関数F9も、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4及び手数料関数F7と同様に、複数種類の関数からなる割引率関数表によって代用されてもよい。この場合、割引率が算出される第二の利用者の種別(企業と個人のどちらに属するか等)によって、異なる関数を設定することができる。【0365】なお、上記各種関数内の定数C1〜C7及び下限値C1’、C2’、C6’、C7’は運営者によって随時変更可能である。また、関数F1〜F9は例示の関数に限定されず、他の関数とすることができる。さらに、定数のみならず、関数F1〜F9自体が、運営者によって随時変更可能であってもよい。【0366】特典指標値算出間隔IVは、特典指標値算出部137の処理が行なわれる頻度に影響を与える数値である。特典指標値算出間隔IVは、例えば、1ヶ月や1週間、1日等とすることができる。特典指標値算出部137は、直前の処理を行った時点から特典指標値算出間隔IVが経過した時点で次の処理を行なう。このため、利用者のサービス利用行為を速やかに特典に反映させたい場合には、特典指標値算出間隔IVを短く設定すればよい。【0367】評価値抽出期間PDは、特典指標値算出部137において、評価値の抽出の際に参照される数値である。評価値抽出期間PDは、例えば、1ヶ月、半年、1年等とすることができる。特典指標値算出部137は、例えば、処理の開始時点から評価値抽出期間PD遡った時点(以下、「抽出起点」と略記する。)以降の、評価履歴T5及び記事評価履歴T6の記録から、評価値の抽出を行なう。このため、利用者の長期的な動向を特典に反映させたい場合には、評価値抽出期間PDを長く設定すればよい。【0368】なお、特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDは、それぞれ独立して設定される数値であり、さらに、これらによって算出される第一特典指標値及び第二特典指標値を参照する処理を司る機能処理部毎に、異なる特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDが設定されてもよい。例えば、第二ポイント付与部138dや奨励金支給部138eの処理において参照される第二特典指標値の算出時に参照される特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDは互いに等しい数値であることが望ましく、表示情報選出部138bや表示順位決定部138cの処理において参照される第一特典指標値及び割引率算出部138fの処理において参照される第二特典指標値の算出時に参照される特典指標値算出間隔IVは、評価値抽出期間PD以下の数値であることが望ましい。【0369】(評価履歴記憶部143に記憶されている情報)
評価履歴記憶部143には、利用者によるサービス利用行為の履歴が、図30(a)に示すような評価履歴T5として記憶されている。図30(a)に示すように、評価履歴T5の項目としては、例えば、当該行為の行なわれた時間を表す日時、当該行為の主体である利用者のユーザID、当該行為の種別、当該行為から算出された評価値等が挙げられる。ここで、行為の種別とは、閲覧行為、検索行為、記事投稿行為、ウェブページ更新行為等、要求処理部135において行なわれる各処理に対応する。評価履歴T5は、評価値記録部136の処理によって更新されると共に、第一ポイント付与部138a及び特典指標値算出部137の処理において参照される他、必要に応じて、閲覧処理部135aの処理において参照されてもよい。【0370】また、評価履歴記憶部143には、コラム等の閲覧者による評価の履歴が、図30(b)に示すような記事評価履歴T6として記憶されている。図30(b)に示すように、記事評価履歴T6の項目としては、例えば、当該評価の行なわれた時間を表す日時、当該評価がなされたコラム等の投稿者のユーザID、当該評価から求められた評価値等が挙げられる。記事評価履歴T6は、評価処理部135fの処理によって更新されると共に、特典指標値算出部137の処理において参照される。【0371】(ポイント履歴記憶部144に記憶されている情報)
ポイント履歴記憶部144には、図31に示すようなポイント得失履歴T7が利用者毎に記憶されている。図31に示すように、ポイント得失履歴T7の項目としては、例えば、ポイントが取得された日時、取得されたポイント数(負の数ならば喪失したことを意味する。)、何によってポイントを取得又は喪失したかを示す詳細、取得されたポイントの残高等が挙げられる。ここで、取得されたポイントの残高とは、ポイントが取得された記録毎に、その際取得されたポイントがあと何ポイント残っているかを示す値であり、当該利用者がポイントを喪失した際にのみ更新される。【0372】なお、ポイントの喪失の記録には、残高は記録されない。また、第一の利用者のポイント得失履歴T7には、譲渡によりポイントを喪失した場合に記録される譲渡先の利用者のユーザIDが含まれていてもよい。また、第二の利用者のポイント得失履歴T7には、譲渡によりポイントを取得した場合に記録される譲渡元の利用者のユーザIDが含まれていてもよい。【0373】ポイント得失履歴T7は、ポイント消費部133、ポイント還元部134、ポイント譲渡処理部135e、特典付与部138及び入金処理部139の処理によって更新されると共に、ポイント還元部134の処理において参照される他、必要に応じて、閲覧処理部135aの処理において参照されてもよい。【0374】(預入金履歴記憶部145に記憶されている情報)
預入金履歴記憶部145は、預入金額の増減履歴が、図32に示すような預入金履歴T8として、第一の利用者毎に記憶されている。図32に示すように、預入金履歴T8の項目としては、例えば、預入金額の増減が発生した日時、預入金額の増減額、預入金額の増減の根拠、及び、預入金残高等が挙げられる。預入金履歴T8における最新の預入金残高が、当該預入金履歴T8に対応する第一の利用者の預入金額に相当する。預入金履歴T8は、ポイント譲渡処理部135e、奨励金支給部138e及び入金処理部139の処理によって更新される。また、必要に応じて、閲覧処理部135aやポイント譲渡処理部135eの処理において参照されてもよい。【0375】なお、預入金履歴記憶部145には、第一の利用者だけでなく、運営者の預入金履歴T8が記憶されていてもよい。運営者の預入金額は、預入金口座の残高から、全ての第一の利用者の預入金額を除いた金額である。運営者の預入金履歴T8は、ポイント譲渡処理部135e及び奨励金支給部138eの全ての処理によって更新されることになる。【0376】(ウェブページ情報等記憶部146に記憶されている情報)
ウェブページ情報等記憶部146には、転職サイトの基礎となる各種のウェブページや、各利用者専用に割り当てられているウェブページの情報、その他転職サイト内で提供される様々なコンテンツ等が記憶されている。例えば、ウェブページの情報はHTML(HyperText Markup Language)ファイル等として、その他のコンテンツの情報は文書ファイルや画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル等として保存されている。これらの情報は、要求処理部135の処理結果として利用者端末30に提供される。なお、本実施形態では各利用者に1つのウェブページが割り当てられるものとして説明を行っているが、各利用者が独自のウェブサイトを構成できるよう、各利用者に、ウェブサイトの構成要素であるウェブページ情報及びコンテンツ等を格納するためのサーバスペースが割り当てられる態様であってもよい。【0377】[ポイント管理システムS2の機能の詳細]
(設定情報更新部131)
設定情報更新部131は、運営者端末20からの要求に応じて、設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新する。管理サーバ10が運営者端末20から設定情報を変更するための要求を受信すると、設定情報更新部131は、どの設定情報を変更するか選択するよう運営者に要求する画面を運営者端末20に表示させる。【0378】変更可能な設定情報の選択肢として、例えば消費ポイント対応表T2、評価値対応表T3、記事評価値対応表T4、第一特典指標値関数F1、第二特典指標値関数F2、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4、第三ポイント関数F5、第四ポイント関数F6、手数料関数F7、奨励金関数F8及び割引率関数F9、特典指標値算出間隔IV、評価値抽出期間PDが表示される。【0379】運営者によって、変更する設定情報が選択されると、設定情報更新部131は、運営者が新しい設定情報を入力するための画面を運営者端末20に表示させる。運営者によって新しい値又は関数が入力されると、設定情報更新部131は、設定情報記憶部142に記憶されている当該設定情報の値又は関数を、運営者によって新しく入力された値又は関数に更新する。【0380】なお、設定情報更新部131による設定情報の更新は、運営者による更新作業から所定の時間が経過した後に行なわれてもよい。例えば、設定情報更新部131は、運営者による更新作業により取得された新しい設定情報を用いて、所定の期間が経過後に新しい設定情報への更新が行なわれることを利用者に告知し、利用者に告知してから所定の期間が経過後に初めて設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新してもよい。【0381】なお、設定情報の変更は、運営者に代わって情報提供サイトにおける利用者端末30と管理サーバ10との間でのデータの送受信状態を監視し、望ましい設定情報を導出するよう設計された人工知能によって行なわれてもよい。【0382】(認証部132)
認証部132は、転職サイトへアクセスを行った利用者のログイン制御を行なう。管理サーバ10が利用者端末30からユーザID及びパスワードの情報を含む認証要求を受信すると、認証部132は、利用者情報表T1に含まれるユーザID及びパスワードの情報に基づいて、当該利用者端末30を操作する利用者の認証処理を行なう。【0383】また、認証部132は、運営者のログイン制御を行なうことも可能である。例えば、利用者情報表T1に運営者のユーザID及びパスワードが記憶されており、認証要求に含まれるユーザID及びパスワードが利用者情報表T1に記憶されている運営者のユーザID及びパスワードと一致する場合には、認証部132は、当該認証要求の発信者が運営者であると認証する。【0384】(ポイント消費部133)
ポイント消費部133は、利用者端末30からの要求に対して、当該利用者のポイントを減算した上で、要求処理部135における処理の実行を許可する。管理サーバ10が、利用者端末30から、認証部132において第二の利用者として認証された利用者による、要求処理部135で処理されるべき各種要求を受信すると、ポイント消費部133は、消費ポイント対応表T2及び利用者情報表T1における当該第二の利用者の割引率を参照し、受信した要求の種別から、減算すべきポイント数を算出する。【0385】続いて、ポイント消費部133は、当該第二の利用者のポイント得失履歴T7に記録されているポイントの取得に係る記録のうち、残高が0でない最古の記録の残高から、減算すべきポイント数に達するまで、記録毎にポイントの減算処理を行なうと共に、第一の利用者からの譲渡により取得されたポイントが減算された場合には、ポイント還元部134への通知処理を行なう。【0386】例えば、ある第二の利用者が、図33(a)に示すように、7月1日に譲渡により300ポイントを取得し、7月5日に特典として100ポイント取得していた場合、それ以降にポイントを消費していなければ、7月1日記録分は300ポイント全部、及び7月5日記録分は100ポイント全部が残高として記録される。【0387】この後、当該第二の利用者が、例えば、7月10日にウェブページの更新を行なうための要求を発信し、ポイント消費部133が、当該要求に対応するために当該第二の利用者が保有するポイントから減算されるべきポイント数が350ポイントであると算出したとする。この場合、ポイント消費部133は、まず、最も古い記録である7月1日記録分からポイントを減算するため、まず、7月1日記録分の残高300ポイントから、300ポイント全部を減算する。この際、図33(b)に示すように、7月1日記録分の残高を0ポイントに更新すると共に、当該記録分の譲渡元の情報を参照し、ユーザIDが記録されているため、当該譲渡元の利用者のユーザIDと当該記録分から減算されたポイント数(本例示の場合は300)とを関連付けて、ポイント還元部134に通知する。【0388】以上の処理により、ポイント消費部133は、減算すべき350ポイントのうち300ポイントが減算できた。続いて、ポイント消費部133は、残り50ポイントを、次に古い記録である7月5日記録分から減算する。7月5日記録分の残高は100ポイントであるため、50ポイントを減算すると50ポイントが残ることになる。この際、図33(c)に示すように、ポイント消費部133は、7月5日記録分の残高を50ポイントに更新すると共に、当該記録分の譲渡元の情報を参照し、ユーザIDが記録されていないため、ポイント還元部134への通知は行わずに処理を終了する。【0389】これらの処理が問題無く完了すると、ポイント消費部133は、図33(d)に示すように、当該ポイント得失履歴T7に、日時、ポイント数及び詳細を新たに記録すると共に、当該要求を要求処理部135に伝達する。ここで記録されるポイント数は、減算すべきポイント数に負号を付した数とすることができる。また、詳細には、ウェブページの更新を行なうための消費である旨がわかる記録がなされればよい。【0390】一方、残高の合計より減算すべきポイント数の方が多く、減算処理が完了しない場合には、ポイント消費部133は、当該利用者にポイントが足りない旨を知らせる警告を発信すると共に、当該要求を消去又は保留する。【0391】(ポイント還元部134)
ポイント還元部134は、ポイント消費部133から通知された譲渡元の利用者のユーザID及び減算されたポイント数の情報に基づいて、当該譲渡元である第一の利用者にポイントを付与する。ポイント還元部134は、ポイント消費部133から通知されたユーザIDに対応する第一の利用者のポイント得失履歴T7に、日時、ポイント数及び詳細を記録する。ここで、ポイント数には、第三ポイント関数F5により、ポイント消費部133から通知された減算すべきポイント数から算出された付与すべきポイント数が記録され、詳細には、譲渡先でのポイント消費による還元である旨がわかる記録がなされる。【0392】(要求処理部135)
要求処理部135は、利用者端末30からの様々な要求に対応するための処理を行なう。要求処理部135は、以下に詳述する閲覧処理部135a、検索処理部135b、ウェブページ更新処理部135c、投稿処理部135d、ポイント譲渡処理部135e、評価処理部135fのような様々な機能処理部を備えている。なお、要求処理部135の機能は、これらの機能処理部によって行なわれるものに限定されず、ウェブサイトにおいて一般的に用いられている機能が適宜追加されていてもよい。また、利用者端末30からの要求が、専用のアプリケーションによって処理される場合には、当該アプリケーションがこれらの機能処理部を備えていればよい。【0393】(閲覧処理部135a)
閲覧処理部135aは、要求処理部135に属し、利用者端末30からの要求に応じたウェブページを提供する。本実施形態に係る閲覧処理部135aによる機能は、一般的なウェブサーバが有する機能と略同様であるが、基本的に、閲覧要求を発信した利用者と地域情報が全く一致しない利用者の情報は、要求発信者である利用者には提供しないという特徴を有する。これにより、閲覧要求を発信した利用者にとって不必要な情報を予め除外することができるため、利用者が必要な情報を探し出すまでの労力を軽減することができる。【0394】また、閲覧処理部135aは、利用者端末30に提供すべきウェブページに広告枠等が含まれる場合には、後述する表示情報選出部138bにより選出された広告を当該広告枠に挿入したウェブページを利用者端末30に提供することができる。【0395】さらにまた、閲覧処理部135aは、利用者端末30からの、各種履歴の閲覧要求を受け付けてもよい。例えば、管理サーバ10が、利用者端末30からサービス利用履歴の閲覧要求を受信した場合には、評価履歴記憶部143に記憶されている評価履歴T5から、当該要求の発信者である利用者によるサービス利用行為に基づく評価記録を抽出し、当該利用者のサービス利用履歴として利用者端末30に提供することができる。また、ポイントの得失履歴について閲覧要求を受け付け、ポイント履歴記憶部144に記憶されている、当該要求の発信者である利用者に対応するポイント得失履歴T7を利用者端末30に表示させてもよい。さらにまた、預入金の増減履歴について閲覧要求を受け付け、預入金履歴記憶部145に記憶されている、当該要求の発信者である第一の利用者に対応する預入金履歴T8を利用者端末30に表示させてもよい。【0396】(検索処理部135b)
検索処理部135bは、要求処理部135に属し、利用者端末30からの情報検索要求に含まれる条件に合う情報を選出し提示する。検索処理部135bによる機能は、一般的な情報検索機能と略同様であるが、検索結果表示画面の生成にあたり、後述する表示順位決定部138cにより決定された表示順位に基づいて、より上位の情報を、より閲覧者の目に止まりやすい優位な位置に配置することを特徴とする。【0397】(ウェブページ更新処理部135c)
ウェブページ更新処理部135cは、要求処理部135に属し、各利用者専用に割り当てられているウェブページを、当該利用者の要求に応じて更新する。管理サーバ10が利用者端末30からウェブページを更新するための要求を受信すると、ウェブページ更新処理部135cは、利用者情報表T1から、当該利用者専用のウェブページのアドレスを取得し、当該利用者専用のウェブページを編集するための画面を利用者端末30に表示させる。ウェブページ更新処理部135cは、利用者によって編集が行なわれた後の新たなウェブページの情報を受信すると、ウェブページ情報等記憶部146に記憶されている当該利用者専用のウェブページの情報を、編集後の新たなウェブページの情報に更新する。【0398】なお、各利用者にウェブサイトを構成するためのサーバスペースが割り当てられている場合には、ウェブページ更新処理部135cは、HTMLファイルやコンテンツ等のアップロード要求を受け付け、ウェブページ情報等記憶部146の当該利用者に割り当てられているスペースに既存のファイルの更新を行ったり、新規のファイルを記憶させたりすることができる。【0399】(投稿処理部135d)
投稿処理部135dは、要求処理部135に属し、利用者端末30からのコラムや質問等を投稿するための要求を受け付ける。投稿処理部135dは、例えば一般的な電子掲示板の機能を有しており、投稿された情報をウェブページ情報等記憶部146に記憶させる。【0400】(ポイント譲渡処理部135e)
ポイント譲渡処理部135eは、要求処理部135に属し、第一の利用者からの要求に応じてポイントを移動させる処理を行なう。管理サーバ10が、利用者端末30から、要求を発信した第一の利用者、譲渡するポイント数及び譲渡先の利用者の情報を含む、ポイントを譲渡するための要求を受信すると、ポイント譲渡処理部135eは、まず、要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8から預入金額を取得する。また、ポイント譲渡処理部135eは、手数料関数F7により、譲渡するポイント数から手数料を算出し、取得した預入金額と比較する。取得した預入金額が算出した手数料以上であれば、以下に説明するようなポイント移動処理を行なう。【0401】ポイント譲渡処理部135eは、まず、要求を発信した第一の利用者のポイント得失履歴T7において、譲渡したポイント数分の減算処理を行い、日時、譲渡したポイント数、譲渡先の利用者のユーザID、及び、譲渡によるポイントの喪失である旨の記録を行なう。具体的な処理の手順は、ポイント消費部133におけるポイントの減算処理と同様であるので、説明を省略する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8に新たな預入金減額の記録として、日時、手数料関数F7により譲渡するポイント数から算出された手数料額、及び、譲渡による減額である旨を記録する。【0402】さらにまた、ポイント譲渡処理部135eは、譲渡先の利用者のポイント得失履歴T7に、譲渡により所定の数量のポイントを取得した旨を記録する。具体的には、ポイント譲渡処理部135eは、新たなポイント取得の記録として、日時、譲渡されたポイント数、譲渡元である要求を発信した第一の利用者のユーザID、及び、譲渡による取得である旨を記録する。【0403】一方、ポイント譲渡処理部135eは、利用者情報表T1から取得した預入金額が手数料未満であった場合には、上述のポイント移動処理を行わず、要求を発信した利用者端末30に、預入金額が足りない旨を知らせる警告を発信すると共に、当該要求を消去又は保留する。【0404】なお、ポイント譲渡処理部135eが処理を開始する要因は、第一の利用者からのポイントを譲渡するための要求に限定されない。例えば、ポイント譲渡処理部135eは、管理サーバ10が、利用者端末30から、要求を発信した第二の利用者、譲り受けるポイント数及び譲渡元の第一の利用者の情報を含む、ポイントを譲り受けるための要求を受信したことに基づいて、譲渡元として指定された第一の利用者に、譲渡の意思の有無を確認する通知を行い、当該第一の利用者に譲渡の意思がある旨の回答を得た上で、前述の、手数料と預入金額との比較以降の処理を行ってもよい。また、ポイント譲渡処理部135eは、反対に、第一の利用者からのポイントを譲渡するための要求を受けて、譲渡先の利用者にポイントを譲り受ける意思の有無を確認してもよい。【0405】また、ここまでは、第一の利用者が預入金として運営者によって定められた預入金口座に金銭を預け入れることを前提に説明してきたが、運営者による預入金の一元管理が行なわれず、ポイント譲渡に伴う手数料の請求のみが自動で行なわれる態様としてもよい。この場合、ポイント譲渡処理部135eは、ポイントを譲渡するための要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8に預入金減額の記録を残す代わりに、手数料関数F7により譲渡するポイント数から算出された手数料額を運営者に対して支払うよう求める通知を、当該第一の利用者に対して発信する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、各第一の利用者がポイントの譲渡を行なう度に、各第一の利用者に請求すべき手数料を記録し、一定期間毎に、当該期間における各第一の利用者に請求すべき手数料をまとめて各第一の利用者に通知してもよい。また、この過程で記録された手数料の履歴は、運営者や第一の利用者にとって、資金を管理するのに有益な情報である。【0406】(評価処理部135f)
評価処理部135fは、要求処理部135に属し、転職サイト内で公開されている情報に対して利用者によってなされる評価を、特典に反映される評価値として評価履歴記憶部143に記録する。転職サイト内で公開されているコラム等を閲覧するためのウェブページには、閲覧者が当該コラム等の評価を入力するためのチェックボックス等が設けられている。閲覧者によって当該コラム等の評価が入力されると、管理サーバ10は、当該コラム等を識別するための情報及び当該評価を受信する。これを受けて、評価処理部135fは、記事評価値対応表T4を参照して、当該評価から評価値を求めると共に、当該コラム等を識別するための情報から当該コラム等を発信した利用者のユーザIDを取得する。続いて、評価処理部135fは、記事評価履歴T6に、日時、当該コラム等の投稿者のユーザID、及び、記事評価値対応表T4から求められた評価値を、新たな記事評価記録として記録する。【0407】(評価値記録部136)
評価値記録部136は、要求処理部135においてなされた各処理に対して特典に反映される評価値を算出し、評価値を含む各処理に関する情報を評価履歴記憶部143に記録する。要求処理部135において何らかの処理が行なわれると、評価値記録部136は、評価値対応表T3を参照して、当該処理の内容から評価値を算出する。続いて、評価履歴T5に、当該処理の行なわれた日時、当該処理の要求を行った利用者のユーザID、当該処理の種別、及び、当該行為から算出した評価値を、新たな評価記録として記録する。【0408】(特典指標値算出部137)
特典指標値算出部137は、評価履歴記憶部143に記憶されている各利用者に関する評価値に基づいて特典指標値を算出する。特典指標値算出部137は、特典指標値算出間隔IVが経過する毎に、各利用者に関する情報を表示する際の優先順位に影響を与える第一特典指標値と、ポイントや奨励金等の、直接的な金銭的価値を有する特典の付与に影響を与える第二特典指標値とをそれぞれ算出する。そして、特典指標値算出部137は、利用者情報記憶部141に記憶されている各利用者の第一特典指標値及び第二特典指標値を、それぞれ新たに算出した数値に更新する。なお、特典指標値算出部137は、特定指標値算出間隔IV毎に実行されるのではなく、評価履歴記憶部143に新たな評価値が記録される度に処理を実行してもよい。この場合、特典指標値算出部137は、新たに記録された評価値に関する利用者についてのみ、処理を実行すればよい。【0409】特典指標値算出部137は、第一特典指標値関数F1に基づいて第一特典指標値を算出する。第一特典指標値関数F1の説明において例示した関数を例に挙げると、特典指標値算出部137は、ある利用者の第一特典指標値の算出は、ある利用者の第一特典指標値を以下に説明するような処理によって算出する。まず、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する地域依存性のない評価値を抽出し、抽出された評価値の合計を算出することにより、(当該利用者に関する地域依存性のない評価値の合計)を取得する。【0410】また、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する地域依存性のある評価値を抽出し、記事評価履歴T6における抽出起点以降の記録から当該利用者が発信した情報に対する評価値を抽出する。そして、特典指標値算出部137は、抽出した評価値の合計を算出することにより、(当該利用者に関する地域依存性のある評価値の合計)を取得する。さらに、特典指標値算出部137は、利用者情報表T1から当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者を抽出することにより、(当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者の総数)を取得する。特典指標値算出部137は、こうして得られた各値を第一特典指標値関数F1に代入されることで、当該利用者の第一特典指標値を算出する。【0411】一方、特典指標値算出部137は、第二特典指標値関数F2に基づいて第二特典指標値を算出する。ある利用者の第二特典指標値を算出する場合、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する評価値を抽出し、記事評価履歴T6における抽出起点以降の記録から当該利用者が発信した情報に対する評価値を抽出する。そして、特典指標値算出部137は、抽出した全ての評価値を足し合わせることにより第二特典指標値を算出する。【0412】(特典付与部138)
特典付与部138は、評価値記録部136による記録等に基づいて、記憶部140に記憶されている各利用者の特典に関する情報を更新する。特典付与部138は、以下に詳述する第一ポイント付与部138a、表示情報選出部138b、表示順位決定部138c、表示率算出部137c、第二ポイント付与部138d、奨励金支給部138e及び割引率算出部138fを備えている。【0413】(第一ポイント付与部138a)
第一ポイント付与部138aは、特典付与部138に属し、評価値記録部136における処理が行なわれる度に、各評価値に基づいて各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行なう。評価履歴T5に新たな評価記録が記録されると、第一ポイント付与部138aは、まず、第一ポイント関数F3により、当該評価記録に含まれる評価値に基づいて、当該評価記録に関する利用者に付与すべきポイント数を算出する。続いて、第一ポイント付与部138aは、当該評価記録に含まれるユーザIDを有する利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得記録として、日時、算出されたポイント数、及び、特典として取得した旨を記録する。【0414】(表示情報選出部138b)
表示情報選出部138bは、特典付与部138に属し、閲覧処理部135aにおいて広告枠等が含まれるウェブページの提供が必要となった際に、当該広告枠に表示されるべき情報を選出する。表示情報選出部138bは、例えば、各利用者によって作成された広告の中から広告枠に表示される情報を選出する。表示情報選出部138bは、第一特典指標値がより大きい利用者に関する情報を、情報提供サイトにおいて優先的に表示させる。具体的には、表示情報選出部138bは、利用者情報表T1の第一特典指標値を参照し、より第一特典指標値が大きい利用者によって作成された広告ほど選出頻度が高くなるよう選出処理を行なう。【0415】(表示順位決定部138c)
表示順位決定部138cは、特典付与部138に属し、検索処理部135bの処理によって選出された情報の表示順位を決定する。表示順位決定部138cは、検索処理部135bによって情報の選出が行なわれると、選出された各情報に関する利用者の第一特典指標値を参照し、より第一特典指標値が大きい利用者に関する情報がより上位となるような順位付けを行なう。【0416】(第二ポイント付与部138d)
第二ポイント付与部138dは、特典付与部138に属し、各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行う。第二ポイント付与部138dは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、第二ポイント関数F4により、利用者情報表T1における各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与すべきポイント数を算出し、各利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得記録として、日時、算出されたポイント数、及び、特典として取得した旨を記録する。【0417】なお、第二ポイント付与部138dは、利用者に対応する第二特典指標値が既定値に達しない場合に、当該利用者からポイントを剥奪してもよい。第二ポイント付与部138dは、例えば、算出したポイント数が負の値だった場合には、当該算出値の絶対値に相当する数量のポイントを当該利用者から剥奪してもよい。この場合、第二ポイント付与部138dは、当該利用者のポイント得失履歴T7に、ポイント消費部133によるポイント減算処理と同様の処理を行い、運営者によりポイントが剥奪された旨を記録する。【0418】(第二ポイント付与部138dの変形例)
第二ポイント付与部138dは、各利用者に第二特典指標値に基づく数量のポイントを付与する代わりに、第一ポイント付与部138aの処理によって各利用者に付与されるポイントの数量を、第一ポイント関数F3によって得られる数量から割増又は割引するための比率(以下、「ポイント比率」と称す。)を算出してもよい。この場合、第二ポイント付与部138dは、第二ポイント関数F4の代わりに、(当該利用者のポイント比率)=(当該利用者の第二特典指標値)/C8のような任意の定数C8を含む関数F10を参照すればよい。定数C8は、運営者によって設定される、利用者の第二特典指標値として期待される値である。また、定数C8は、全利用者の第二特典指標値の平均値等であってもよい。【0419】ポイント比率を参照する場合、第一ポイント付与部138aは、評価履歴T5に新たな評価記録が記録されると、第一ポイント関数F3により、当該評価記録に含まれる評価値に基づいて、当該評価記録に関する利用者に付与するポイントの標準値を算出する。さらに、第一ポイント付与部138aは、この標準値に当該利用者のポイント比率を乗じることにより、実際に当該利用者に付与するポイントの数量を算出する。【0420】(奨励金支給部138e)
奨励金支給部138eは、特典付与部138に属し、各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給する奨励金額を算出し、各利用者に奨励金支給処理を行なう。奨励金支給部138eは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、奨励金関数F8により、利用者情報表T1における各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給すべき奨励金額を算出する。奨励金支給部138eは、各第一の利用者の預入金履歴T8に、新たな預入金増減記録として、日時、算出された奨励金額、及び、奨励金の支給による増額である旨を記録する。【0421】(奨励金支給部138eの変形例)
奨励金支給部138eは、各第一の利用者に第二特典指標値に基づく額の奨励金を支給する代わりに、ポイント譲渡処理部135eの処理によって各第一の利用者から徴収される手数料を、手数料関数F7によって得られる額から割増又は割引するための比率(以下、「手数料比率」と称す。)を算出してもよい。この場合、手数料比率は、ポイント比率と同様に、関数F10に類する関数の参照により算出されればよい。【0422】手数料比率を参照する場合、ポイント譲渡処理部135eは、ポイントを譲渡するための要求に応じて、手数料関数F7により、要求に含まれる譲渡するポイント数から、手数料の標準額を算出する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、算出した標準額に、要求の発信者である第一の利用者の手数料比率を乗じることにより、実際に当該第一の利用者から徴収する手数料の額を算出する。【0423】(割引率算出部138f)
割引率算出部138fは、特典付与部138に属し、各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者がサービスを利用するために消費するポイント数の割引率を算出する。割引率算出部138fは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、割引率関数F9により、利用者情報表T1における各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者の割引率を算出する。割引率算出部138fは、利用者情報表T1の各第二の利用者に対応する割引率を、算出した割引率に更新する。【0424】(入金処理部139)
入金処理部139は、金融機関のサーバ40から入金記録を取得し、入金者である第一の利用者の預入金額を入金額分加算した金額に更新すると共に、当該第一の利用者に預入金額に応じたポイントを付与する。入金処理部139は、管理サーバ10が金融機関のサーバ40から預入金口座への入金記録を受信すると、利用者情報表T1を参照して、当該入金記録に含まれる入金IDから入金者である第一の利用者を特定する。入金処理部139は、当該第一の利用者の預入金履歴T8に、新たな預入金増減記録として、当該入金記録に含まれる入金日時、当該入金記録に含まれる入金額、及び、入金による増額である旨を記録する。【0425】さらに、入金処理部139は、当該第一の利用者の預入金履歴T8より入金記録反映後の預入金額及び過去最高の預入金残高を取得し、第四ポイント関数F6により、当該第一の利用者に付与すべきポイント数を算出してもよい。入金処理部139は、当該第一の利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得履歴として、日時、算出されたポイント数、及び、入金による取得である旨を記録する。【0426】(制御部130に備わり得るその他の機能処理部)
制御部130には、ポイントが付与されてから利用されるまでの有効期限を管理するポイント管理部が備えられていてもよい。ポイント管理部は、各利用者のポイント得失履歴T7を監視し、ポイントが取得された記録のうち、ポイントが取得されてから有効期限が経過した記録について、残高を0に変更する処理を行なう。なお、ポイントの有効期限は設定情報の一種であり、運営者によって設定される。【0427】[本実施形態に係るポイント管理システムS2により提供される情報提供サイトの例]
本実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトの例を図34に示す。図34は、様々な情報提供サイトにおいて、第一の利用者及び第二の利用者になり得る対象をまとめた一覧表である。管理システムによれば、図34に示されている婚活サイトや不動産サイト、保険サイト等、仲介者を軸としたマーケットに関する多種多様な情報提供サイトの提供が可能である。ここで、仲介者とは、情報の統括を行なうと共に、需要者と供給者との適切なマッチングを図る者を意味し、あるテーマに基づいて収集又は作成した情報を整理して公開した結果として、需要者と供給者とを仲介する役割を果たすこともあるブロガー、コラムニスト、ライター及びジャーナリスト等も含まれる。情報提供者又は情報利用者が仲介者となってもよい。【0428】なお、図34で取り上げた情報提供サイトはあくまで例示であって、ポイント管理システムS2によって提供することのできる情報提供サイトはこれらに限定されない。また、複数の専門的情報提供サイトを統合したようなサイトの提供も可能である。この場合、異なる情報提供サイト間でのポイントの交換を可能とすることで、統合的なサイト全体として、ポイントがより流通しやすくなる効果が期待される。【0429】また、本実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトは、以上で説明したような、ウェブブラウザによって提供される情報提供サイトに限定されない。例えば、利用者がその情報提供サイトを利用するための専用アプリケーションを利用者端末30で実行し、当該アプリケーションによって、管理サーバ10から受信した内容を出力装置に出力させる態様の情報提供サイトであってもよい。さらに、本実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトがVR技術を用いた仮想現実世界として構築され、ヘッドマウントディスプレイ等の出力装置によって利用者に提供されてもよい。【0430】[ポイント管理システムS2による効果]
以上説明したように、ポイント管理システムS2によれば、利用者による情報提供サイト利用行為に応じて当該利用者に特典が付与されると共に、運営者が端末の操作によって特典付与の程度を制御するための設定情報を細部にわたって随時変更することができる。したがって、運営者の意図するように利用者の当該情報提供サイト利用意欲を増進させることができ、当該情報提供サイトが活性化されると共に、当該情報提供サイト内の情報が充実する。これにより、当該情報提供サイトを、さらに効率的な情報発信及び情報収集が行なわれるサイトに発展させることができる。【0431】<第五実施形態>
以下、第五実施形態について説明する。
第五実施形態として、ヴァーチャルマーケットの中に作ることのできる1つのヴァーチャルマーケットであるメディアマーケットを例に挙げて構成要素1から4を次に説明する。
なお、ここで言うヴァーチャルカレンシーとは、ヴァーチャルマーケットにおいて生成され、及び流通する、ヴァーチャルマーケットにおける内部に存在する価値の移動を媒介する手段に用いられる、実社会での通貨等も含めたその他の価値と交換可能なヴァーチャルマーケット内に限定した価値を有する通貨のような存在であり、例えば、実社会のリアルマーケットには価値を媒介する手段である法定通貨等のカレンシーが存在しているように、ヴァーチャルマーケットにもヴァーチャルカレンシーが存在させるということである。
また、ヴァーチャルカレンシーには、実体がなく、ヴァーチャルマーケットでしか価値を有しておらず、及び生成する方法も、その他の資産と交換してマーケット内に生成するものではないことから、従来の通貨と異なり、ヴァーチャルマーケットの取り決めに基づき、どのような流通形態を採ることもできる価値を媒介する手段である。なお、ビットコイン等のいわゆる仮想通貨は、ここで言うヴァーチャルカレンシーには当たらない。【0432】図35は第五実施形態に係るヴァーチャルカレンシー供給システムの一例を示す模式図である。
ヴァーチャルカレンシー供給システムは、ヴァーチャルマーケットを利用する利用者が、PC(Personal Computer)、タブレット、携帯電話、テレビ、カーナビゲーション、家庭用ゲーム機、又はロボット等の通信可能な端末のユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク、カメラ、コントローラ、リモコン、スイッチ、グローブ、スーツ、シューズ、ゴーグル等のさまざまなデータ入出力装置)を用いてネットワーク上のサーバとデータを送受信することにより、利用者間で情報を交換することができるウェブサイト、ウェブアプリケーション、SNS(Social Network Service)、メタバース、ソフトウェア、又はクラウドコンピューティング等のヴァーチャルマーケットを構築し、ヴァーチャルマーケットの利用者が相互に影響し合えるようにするためのシステムである。【0433】構成要素1「メディアマーケットにおいて主として取り扱う情報」を説明する。
なお、ここで主として取り扱う情報は、次に挙げる4つのデータとするが、これらのほかの情報の取り扱いを妨げるものではなく、状況に照らして臨機応変に変化させることができるものとする。また、ここで主として取り扱う情報は、「データに変換できる著作物すべて」であるとしても良い。
(1)「言語データ等」ジャーナリスト、コラムニスト、エッセイスト、又は評論家等の、大衆又は対象向け情報提供を行う主体による言語データ等の著作物
(2)「動画データ等」ニュース、ドキュメンタリー、ドラマ、エンターテイメント、又は論評等(いわゆるyoutuberの配信する動画も含む)の、大衆又は対象向け情報提供を行う主体により制作される動画データ等の著作物
(3)「作品データ等」論文、小説、脚本、漫画、絵画、書、写真、グラビア、音楽、映画、振り付け、設計図、ソフトウェア、コンピュータプログラム、又はこれらの二次的著作物や編集著作物等の大衆又は対象向け情報提供を行う主体により制作される作品データ等の著作物
(4)「有益情報データ等」弁護士等の士業者、キャリアコンサルタント等の転職エージェント、又は経営コンサルタント等のコンサルティング事業者等の提供する、大衆又は対象向けの専門的な有益情報データ等の著作物【0434】構成要素2「メディアマーケットにおいて従として取り扱う情報」を説明する。
メディアマーケットには、前記構成要素1「主として取り扱う情報」以外に、さらに、「従として取り扱う情報」がある。なお、ここで従として取り扱う情報は、次に挙げる3つの情報とするが、このほかの情報の取り扱いを妨げるものではなく、状況に照らして臨機応変に変化させることができるものとする。
(1)「事業者情報」会社概要、事業内容、経営業況、採用情報、案内情報、又はIR等の、大衆又は対象向け情報発信を行う事業者により発信される事業者情報(地方自治体、社団法人、またはNPO法人等の非営利団体も含む)
(2)「個人情報」活動圏情報、活動時間情報、能力情報、適性情報、又は案内情報等の対象向け情報発信を行う個人により発信される個人情報(いわゆる個人情報保護法に規定される個人情報ではなく、事業者からのオファーの獲得を目的とした個人を特定できない仕事に限定されたアピール情報)
(3)「広告」事業者及び個人により、大衆又は対象向けに追加的に発信される広告情報【0435】構成要素3「メディアマーケットに参加する主体」について説明する。
メディアマーケットに参加する主体は次に挙げる3つの主体とするが、このほかの主体の参加を妨げるものではなく、状況に照らして臨機応変に変化させることができるものとする。
(1)「アソシエイツ」第一の利用者又は第一の利用者の側面(以下、アソシエイツという)
アソシエイツは、運営者の認定した、ヴァーチャルカレンシー供給システムによってメディアマーケットに供給する第一のヴァーチャルカレンシー(以下、単にヴァーチャルカレンシーという)の第一次取得者たる「第一の利用者」である。他人に評価されることを目的とした著作物たる前記構成要素1で挙げた「言語データ等」、「動画データ等」、「作品データ等」、「有益情報データ等」等の価値ある情報をメディアマーケットを通じてその他の利用者に提供する主体である。
(2)「事業者」第二の利用者又は第二の利用者の側面(以下、事業者という)
事業者は、アソシエイツから提供される価値ある情報を、有償・無償を問わず取得、又は発信したい情報を発信する主体である。メディアマーケットにおいてヴァーチャルカレンシーの消費を伴う活動を行おうとする場合には、アソシエイツからヴァーチャルカレンシーを譲受しメディアマーケットを利用する主体である。
(3)「個人」第二の利用者又は第二の利用者の側面(以下、個人という)
個人は、アソシエイツから提供される価値ある情報を、有償・無償を問わず取得、又は発信したい情報を発信する主体である。メディアマーケットにおいてヴァーチャルカレンシーの消費を伴う活動を行おうとする場合には、アソシエイツからヴァーチャルカレンシーを譲受しメディアマーケットを利用する主体である。【0436】構成要素4「サービスを提供する対象」について説明する。
メディアマーケットがサービスを提供するリアルマーケットにおける対象は次のとおりとする。
(1)「地域」本実施形態から、ヴァーチャルカレンシーは、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体を通して価値を均一かつ一定にできること、および購買力平価の異なる地域にまたがり広域的に流通させることによる流通阻害要因を生じさせないようにしていることから、本実施形態ではサービスを提供するリアルマーケットにおける地域は、どのようにでもすることができる。つまり、最大規模でサービスを展開するのであれば、サービス提供地域は全世界となる。
(2)「参加主体」メディアマーケットの対象となる参加主体は、著作物としての価値ある情報をその他の利用者に提供しようとするアソシエイツ、並びに情報を取得、又は発信しようとする個人、及び事業者である。つまり、サービス提供地域における経済活動を行うすべての主体である。
(3)「※必要条件」メディアマーケットを利用するうえで必要になるインフラ要件は、運営者のサーバとデータ送受信するための通信ネットワークに接続された、メディアマーケットにログインするためのアプリケーションがインストールされた情報処理端末機器を参加主体が利用できる環境があることである。【0437】「構成要素の外殻」について説明する。
本実施形態のベストモードとして、上記の構成要素によるメディアマーケットをヴァーチャルマーケットの一つの形態としてあらわしたわけであるが、本実施形態のヴァーチャルマーケットは、複数のヴァーチャルマーケットを並列に接続して機能させることができるようにしており、実施例であるメディアマーケットから、利用者は、その他のヴァーチャルマーケットに簡単に移動することができ、例えば男女の出会いの場を提供するヴァーチャルマーケットがあっても良いし、不動産の売買を促進するヴァーチャルマーケットがあっても良いし、VR技術を用いた住宅の展示場、車の展示場、又はアトラクション施設等の観光施設等もあっても良いと考えている。つまり、こうすることで、本実施形態では課題解決力を、さらに高めることができるようになるとしており、これらを一体としてベストモードとして考えている。【0438】また、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体で流通するヴァーチャルカレンシーの流通、つまり、アソシエイツが獲得し、その他の利用者に譲渡しようとするヴァーチャルカレンシーの売買を円滑にするために、ヴァーチャルマーケットの1つの形態として、ヴァーチャルカレンシーの売買を利用者間で効果的に行うことのできる「ヴァーチャルカレンシー取引所」(以下、取引所という)を設置することにしている。こうすることで、本実施形態では課題解決力を、さらに高めることができるようになり、取引所も含めたうえでの一体としてのヴァーチャルマーケット群をベストモードとして考えている。【0439】アソシエイツ(第一の利用者)と事業者(第二の利用者)の関係について説明する。
アソシエイツの側面のアカウントを得るためには、先に事業者(以下、事業会員という)の側面のアカウントを有してから、事業会員として、所定の手続き(例えば、記者として活動するアソシエイツとしてメディアマーケットに登録するよう申請を運営者に行うもの。登録基準は運営者により設定する)を経て、アソシエイツの側面のアカウントを得ることができる。【0440】なお、ここで取得するアソシエイツとしての権利は、同一アカウントであっても事業会員の側面には及ばない。例えば、メディアマーケットでアソシエイツの側面のアカウントを有する事業会員aは、アソシエイツa’としてヴァーチャルカレンシーを多量に保有していたとしても、これをメディアマーケットおよびその他のヴァーチャルマーケットにおいて事業会員として消費することはできない。aにしろa’にしろ、事業会員としてヴァーチャルカレンシーを消費したければ、a’は、その他の利用者にヴァーチャルカレンシーを譲渡するのと同様に、アソシエイツの側面a’から事業会員の側面aにヴァーチャルカレンシーを譲渡しなければならない。【0441】また、aがメディアマーケットにおいてアソシエイツの側面a‘を有しているからといって、その他のヴァーチャルマーケットにおいてアソシエイツの側面を有することになるわけではない。aは、その他のヴァーチャルマーケットにおいてアソシエイツの側面のアカウントを欲するならば、それぞれのヴァーチャルマーケットにおいて、各個別に所定の手続きをとらなければならない。【0442】つまり、事業会員の側面を有する(当該側面のみ有していても良い)aは、ヴァーチャルマーケット群全体を通して、事業会員aとして各ヴァーチャルマーケットを利用することはできるが、aがどこかのヴァーチャルマーケットにおいてアソシエイツとして活動したければ、それぞれのマーケットにおいてaは所定の手続きをとらなければならない。【0443】以降、アソシエイツたるa’は、サーバによってヴァーチャルマーケット利用行為を評価され、ヴァーチャルカレンシーを付与されると同時に、あわせてアソシエイツとしての信用度を、与信限度額の付与という形でサーバに管理されることになる。なお、a‘は、メディアマーケットにおいて構成要素1「主として取り扱う情報」を発信することができる主体としての要件を満たしていると運営者に認められた認定会員ということである。【0444】個人(第二の利用者、事業会員と基本的にはほぼ同様の機能を有する存在)について説明する。
メディアマーケットにおける第二の利用者には、事業会員のほかに個人(以下、個人会員という)が存在する。個人会員も、基本的には事業会員と同様の機能を有しており、運営者に認められさえすればアソシエイツの側面を有することも不可能ではない。(例えば、著名人であって情報発信力があると運営者が認める個人については、コラムニストやエッセイストとして、アソシエイツに登録してもらえるよう運営者は勧誘しても良い)【0445】個人会員は、メディアマーケットにおいて、初期の段階では、アソシエイツの提供する著作物を無償で取得したり、事業会員の発信する情報を取得したり、個人会員の発信する情報を取得したりするのみの存在である。これが、後に説明するベーシックインカム制度、及び利用時間の伸びと共に、個人会員も有償コンテンツの取得、又は有償サービスの利用を行うようになってくる。例えば、アソシエイツの提供する著作物については、無償、一部有償、又は全部有償、及び対価の量についてはアソシエイツの任意であり、個人会員にとって気に入っているアソシエイツの提供する著作物は、有償であっても取得したいものである。近いもので言えば、従前のメルマガである。とくに、実社会では著名人の著作物は価値が高いと考えられている。このようなことから、利用に慣れてきた個人会員は、有償コンテンツを取得するため、事業会員と同様に、大小の違いはあれ、ヴァーチャルカレンシーを欲する度合いは大きくなる。【0446】また、メディアマーケットの利用になれてきた個人会員は、自らが情報を発信したくなってくるものである。これを効果的に実行してもらうために、サーバは個人会員(事業会員も同様)に対して、情報発信行為について評価する機能も有し(情報取得行為についても評価する機能がある)ており、評価値に基づいて、アソシエイツに対するヴァーチャルカレンシーの付与と同様の意味を有するように、メディアマーケットの優越的利用(後に説明する第一消費活動を参照)に伴うヴァーチャルカレンシーの消費量を割引したり、ベーシックインカムと称してヴァーチャルカレンシーを無償で配布(後に説明する消費税とベーシックインカムを参照)したりすることができるようにしている。なお、事業会員についても同様である。【0447】つまり、「設定情報に基づく、サーバが行う利用者に対する評価によるヴァーチャルカレンシーの供給」という、ヴァーチャルカレンシー供給システムの処理は、なにもアソシエイツに対するヴァーチャルカレンシーの付与だけではなく、利用者全体に対するヴァーチャルカレンシーの「供給制御」による、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体の「制御」という機能も含んでいるということである。そして、これらすべてのスタートは、「設定情報に基づく利用者に対する評価(設定情報に基づく利用者の行為に対する評価値の算出)」から始まるわけである。【0448】「アソシエイツに対する評価に基づくヴァーチャルカレンシーの生成と付与」について説明する。
メディアマーケットにおいてアソシエイツの側面で活動するa‘には、設定情報に基づき算出された評価値に基づくヴァーチャルカレンシーの付与がある。この、評価値及びヴァーチャルカレンシーの付与量は、あらかじめ運営者によって設定された設定情報と、サーバによる、a’のサービス利用行為(情報提供行為)への評価、及びその他の利用者からのa‘による情報提供に対する評価(単純な行為〈いいね!や☆3つのような〉による評価もあれば、利用者端末とサーバ間のデータ送受信から推定される利用者の情報取得行為〈閲覧している時間や閲覧している間の動作や閲覧した人数やこれらの総数など〉による評価もあれば、及び記憶部に記憶された各種アルゴリズムによる評価及び付与もある)に基づいて決定される。なお、本処理は、ヴァーチャルマーケットへのヴァーチャルカレンシーの供給の起点である。【0449】具体的には、例えば、メディアマーケットにおいてコラムニストたるアソシエイツの側面を有するa’が、アソシエイツとしてコラムを、無償、一部有償、又は全部有償で投稿し、これをその他の利用者が閲覧、又はダウンロードするとき、サーバは、コラムを投稿した行為そのものについて、その内容の量を加味する評価値を算出し、算出した評価値に基づき一次的にヴァーチャルカレンシーをa‘に付与する。そして、二次的なヴァーチャルカレンシーのa’に対する付与として、所定の期間にわたって、その他の利用者がaの提供した著作物たるコラムをどのように評価しているか、サーバは、設定情報に基づき評価値を算出し、二次的(所定の期間ごと)にヴァーチャルカレンシーをa’に付与する。【0450】次に、アソシエイツの無償提供する著作物等の情報(無償コンテンツ)に対する設定情報に基づく「評価値」の算出方法について説明する。
(各無償コンテンツに対する評価値を決定する)
(1)「閲覧回数評価値」所定の期間に何人の利用者が無償コンテンツを閲覧したかを参照し、閲覧回数評価値を算出する。
設定値a閲覧人数倍率
a‘総閲覧回数との比率で評価する場合の閲覧人数倍数
a“閲覧人数上位に対する評価値
閲覧回数評価値=閲覧回数×a+閲覧回数×a‘×(閲覧回数/総閲覧回数)+a“
(2)「閲覧時間評価値」所定の期間に利用者が無償コンテンツを何秒間閲覧したかを参照し閲覧時間評価値を算出する。
設定値b閲覧時間倍率
b‘総閲覧時間との比率で評価する場合の閲覧時間倍率
b“閲覧時間上位に対する評価値
閲覧時間評価値=閲覧時間×b+閲覧時間×b‘×(閲覧時間/総閲覧時間)+b“
(3)「閲覧者評価値」所定の期間に無償コンテンツが得た評価数(いいね総数)−(わるいね総数)や、取得☆総数を参照し、閲覧者評価値を算出する。
設定値c閲覧者評価倍率
c‘総量との比率で評価する場合の閲覧者評価倍率
c“閲覧者評価上位に対する評価値
閲覧者評価値=閲覧者評価×c+閲覧者評価×c‘×(閲覧者評価/総閲覧者評価)+c“
(4)(1)から(3)以外で無償コンテンツに対し評価が認められると思われる場合に適切な方法で評価値を算出する。(所定の期間を超えるロングセラーや著名な評価など)
(5)上記(1)から(4)において算出された無償コンテンツに対する評価値の和
(各アソシエイツに対する評価を決定する)
(6)「無償コンテンツ発信評価値」所定の期間に、アソシエイツが発信した無償コンテンツの総量(発信数×内容量)を参照し、無償コンテンツ発信評価値を算出する。
設定値d無償コンテンツ発信量倍率
d‘総無償コンテンツ発信量との比率を考慮した無償コンテンツ発信量倍率
d“無償コンテンツ発信量上位に対する評価値
無償コンテンツ発信評価値=発信無償コンテンツ量×d+発信無償コンテンツ量×d‘×(発信無償コンテンツ量×総発信無償コンテンツ量)+d“
(7)アソシエイツに属する上記(5)の和
アソシエイツの総評価値=(6)+(7)
(その他の設定情報)
無償コンテンツの属するカテゴリごとの評価の比重のコントロール【0451】こうすることで、運営者は、設定情報を任意に更新することで、無償コンテンツ及びアソシエイツに対する評価の度合いをコントロールすることができるようになり、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケットに提供される無償コンテンツの質及び量を増加、並びに意図する方向に誘導することができるようになる。【0452】また、評価アルゴリズム(及びヴァーチャルカレンシー付与アルゴリズム)には、「評価補正アルゴリズム」という処理を加えている。これは、アソシエイツの提供する情報に対するその他の利用者からの評価について、すべてを同等に取り扱うのではなく、評価者たる利用者、被評価者たるアソシエイツ、及び被評価物である提供情報の評価状況に基づき、評価値を補正する処理である。【0453】この処理を加えることによって、普段、利用者があまり取得しないような情報を当該利用者に取得させるに至ったアソシエイツの提供する情報、及び当該アソシエイツを高く評価し、他方、普段、利用者がよく取得しているような情報を当該利用者に追加的に取得させるに至ったアソシエイツの提供する情報、及び当該アソシエイツを低く評価するようになり、また、設定情報を更新することで、補正の度合い、及び利用者の傾向観察期間を変更することができるようになる。【0454】こうすることで、例えば、ゴシップコラムをよく読んでいる個人会員bが読むことになった経済評論コラムcは、個人会員bから高く評価されたものとし、経済評論コラムをよく読んでいる個人会員dが読むことになった経済評論コラムcに対する個人会員dからの評価は、個人会員bからの経済評論コラムcに対する評価よりも低くなる。つまり、端的に言えば、「同じ人を同じ人が代り映えもなく評価し続けているのと、新しい人を新しい人が新しく評価し始めるのとでは、評価の重みに大きな差がある」としているわけであり、このことから、アソシエイツの新規参入や利用者のイノベーションを起こしやすくするよう、ヴァーチャルカレンシーの供給バランスを調整することをもって、メディアマーケットの価値を最大化させるよう図るものである。【0455】サーバは、あらかじめサーバに記憶された設定情報に基づき、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケット群において、アソシエイツの提供する情報を取得する利用者の過去所定期間の情報取得行為から、当該利用者に取得されやすい提供情報カテゴリ、及び取得されやすい情報提供者たるアソシエイツの情報取得率を算出する。【0456】そして、設定情報及び利用者ごとに算出された各種の情報取得率から、当該利用者のアソシエイツの提供する情報を取得する行為に対する評価補正率を算出し、評価値に修正を加えることで、評価値に基づくアソシエイツへのヴァーチャルカレンシーの付与量のバランスを調整する。【0457】当該利用者に取得されたことのない提供情報カテゴリ、及び取得されたことのないアソシエイツの情報取得率を0とし、その他取得された提供情報カテゴリ、及び取得されたアソシエイツの取得頻度に基づき、0から100の間で当該利用者の所定期間(例えば1週間、1か月、又は1年など)の情報取得率を算出し、これを100から減算(情報取得されていない率を算出)し、算出された値に、あらかじめサーバに記憶された設定情報としての係数(例えば、0.1、0.5、1、1.5又は2.0や10.0や100.0や1000.0など)を乗算し、これに100を加算する。そして、算出された値の最大値が1となるように除算し、各種の評価補正率を導出する。こうして、所定期間の情報取得率が0の提供情報カテゴリ、又はアソシエイツを最大値の1とした、情報取得率が高ければ高いほど0(0にはならない)に近づく評価補正率が導出される。※なお、計算式はなんでもよく、例えば、補正率の上下幅がもっと大きく、又は小さくなるような計算式に変えても良いし、設定情報を更新することで、運営者はどのような関数を設定することもできる。【0458】なお、ヴァーチャルカレンシーの付与量を含むすべての値を決定する基礎となる設定情報については、運営者はこれをいつでも更新することができることから、ヴァーチャルカレンシーの供給制御を図ることでメディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体の制御をも図ることができるようにしている。こうすることで、本実施形態では課題解決力を高めているわけである。【0459】「第一の利用者から第二の利用者へのヴァーチャルカレンシーの譲渡、並びに課金および還付」について説明する。
アソシエイツの側面で獲得したヴァーチャルカレンシーについては、アソシエイツの側面が、これを消費する機能を有していないことから、アソシエイツは、保有するヴァーチャルカレンシーを、自身の第二の利用者の側面に譲渡するか、その他の第二の利用者(又はその他のアソシエイツ※下に説明)に譲渡するわけであるが、このヴァーチャルカレンシーの「譲渡」という処理につき、サーバは、あらかじめ設定された設定情報に基づいて、譲渡元(同一アカウント間の譲渡におけるアソシエイツの側面)に対して課金処理を行う。【0460】課金処理は、「譲渡」処理ごとに実行され、アソシエイツにあらかじめ開設しているサーバのシステム現金通帳に記帳(処理データを記憶)、及び利用者にあらかじめ開設しているサーバのヴァーチャルカレンシー通帳に記帳(処理データを記憶)する態様になっている。つまり、記帳は、いつ、誰に(誰から)、何を、どのくらい、何をしたか記憶するものであり、ヴァーチャルマーケットに供給したヴァーチャルカレンシーがどのように流通しているか、及びサーバの課金先であるアソシエイツがどのような活動を行い、どのように課金(買掛金を発生)されているか、一括で掌握できるデータベースを構成する態様になっている。【0461】また、アソシエイツによる第二の利用者へのヴァーチャルカレンシーの譲渡にあたり、当事者間での任意の取り決めによる対価が、第二の利用者からアソシエイツに支払われるわけであるが、この対価の支払いが滞る等のイレギュラーがあることを想定して、アソシエイツには、第二の利用者に譲渡したヴァーチャルカレンシーの未使用分(保有分)を強制的に、当該第二の利用者から回収することができる機能を与えている。【0462】そして、回収量に対して保有量が下回る場合には、保有量のみの回収となり、未回収分については、当該アソシエイツが当該第二の利用者に対して債権を有していることから、当該第二の利用者が債務を弁済するまでの間、当該第二の利用者のヴァーチャルマーケット利用行為を当該アソシエイツは制限することができる機能も与えている。こうすることで、自由取引であるヴァーチャルカレンシーの売買についてのモラルの向上が図られ、あわせて健全な市場取引を後押しする効果が期待できる。【0463】なお、アソシエイツに対する課金については、アソシエイツの買掛金(債務)として管理されるわけであるが、アソシエイツは、任意に所定の銀行口座に入金することで、サーバは、入金データを自動的に取得し、これを当該アソシエイツのシステム現金通帳に反映させ、アソシエイツの債務を入金分減少させるようにしている。【0464】また、所定の期間のアソシエイツのマーケット利用行為、ヴァーチャルカレンシーの譲渡量、及び設定情報に基づいて、運営者は、当該アソシエイツに対して販売奨励金(還付金という性質を有するもの)を支給することができるようになっている。そして、これもシステム現金通帳に記帳することにしている。つまり、販売奨励金は納税の還付機能ということになり、アソシエイツの債務を減少させることと同義となり、このことによって運営者の、ヴァーチャルマーケットの制御力を向上させる効果を発揮させている。【0465】「ヴァーチャルカレンシー取引所」について説明する。
アソシエイツと第二の利用者によるヴァーチャルカレンシーの売買については、自由取引としており、ローカル取引(リアルマーケットにおける直接の取引)における両者の直接売買を基本としているが、さらに、メディアマーケットおよびヴァーチャルマーケットに接続して、ネットワーク上でヴァーチャルカレンシーを売買できる単一の取引所(以下、取引所という)を設けることで、次のようにしてヴァーチャルカレンシーの全体としての流通を促すことができるようにしている。【0466】取引所には、アソシエイツの側面としての参加者と、第二の利用者(の側面)としての参加者が存在する。また、取引所には、メディアマーケット以外のヴァーチャルマーケットからの参加者も存在し、ヴァーチャルマーケット群全体として、一つの取引所でヴァーチャルカレンシーの流通を促す態様にしている。つまり、取引所には、実社会における様々な国民と、様々な背景を持つ個人や事業者である利用者すべてが参加することになる。【0467】なお、ヴァーチャルマーケットで流通するヴァーチャルカレンシーは、運営者により更新可能な設定情報に基づき、すべて存在期限(取得してから保有し続けていることができる期限)が設定されていることから、例えば、ヴァーチャルカレンシーを利用者が投資又は投機目的で売買することや、ヴァーチャルマーケットを自身に有利なように操作することをできなくしている。こうすることで、ヴァーチャルカレンシーの売買について、アソシエイツにとっては、保有するヴァーチャルカレンシーを別の価値に交換する目的でのヴァーチャルカレンシーの譲渡になり、第二の利用者にとっては、保有する何らかの価値をヴァーチャルカレンシーに交換する目的でのヴァーチャルカレンシーの譲受になり、単純な需要と供給、つまり、アソシエイツにとっては実社会における通貨の獲得が目的であり、第二の利用者にとってはヴァーチャルマーケットの利用が目的という、極めてシンプルな目的の売買を成立させることができるというものである。【0468】取引所での取引の流れであるが、これは、従前からの証券取引所等で採用されているオークション方式を用いた、アソシエイツの売り注文と、第二の利用者の買い注文(又はアソシエイツの買い注文も含む※下に説明)をマッチングさせる態様(信用取引を用いない、従来からある原始的かつシンプルな、売り注文と買い注文を現物取引でつなぎ合わせる機械処理※従来同様の処理であるから割愛する)である。この取引の状況から導出される、ヴァーチャルカレンシーの価格の推移に基づいて、サーバは、設定情報を更新することでヴァーチャルマーケットを制御(例えば、買い注文が強くヴァーチャルカレンシーの価値が相対的に上昇する局面であれば、ヴァーチャルマーケットに新規供給するヴァーチャルカレンシーの量が増えるように設定情報を更新したり、逆に、売り注文が強く買い注文が弱ければ、新規供給するヴァーチャルカレンシーの量を減らすように設定情報を更新)するものである。【0469】こうすることで、利用者のヴァーチャルカレンシーに対する投機意欲を限りなくゼロまで減衰させ、ヴァーチャルカレンシーの価値を安定させ、流通速度(約定速度)を向上させ、ヴァーチャルカレンシーの流通を促進することをもって、情報流通を促進し、ヴァーチャルマーケットの価値を向上させる効果を発揮する。【0470】そして、取引所での約定に対する取引手数料については、そもそも運営者には、アソシエイツが第二の利用者(の側面)にヴァーチャルカレンシーを譲渡したとき、当該アソシエイツに対して課金する機能があることから、取引所だからといって新たな別の手数料を徴収する処理を必要とせず、ヴァーチャルカレンシー譲渡手数料の徴収処理に統一している。【0471】しかしながら、例えば、直接取引時には譲渡手数料率(又は額)を低くし、取引所での取引時には譲渡手数料率(又は額)を高くするなどして、直接取引を優遇することも、その逆も、さらには還付金の額に影響させることも、運営者は設定情報を更新することでどうにでもできるということがあり、運営者によるヴァーチャルマーケットの制御力を高める効果を発揮する。【0472】また、取引所のもう一つの機能として、アソシエイツ同士のヴァーチャルカレンシーの交換取引がある。これは、ローカル取引においてヴァーチャルカレンシーを多量に販売することができる第二の利用者を顧客として有しているアソシエイツがいるとき、当該アソシエイツの生み出す(ヴァーチャルカレンシー供給システムによって生成および付与される)ヴァーチャルカレンシーの量だけでは当該第二の利用者の需要量に追い付かない場合に、当該アソシエイツは、その他のアソシエイツからヴァーチャルカレンシーを集めて、これを当該第二の利用者に対して当該アソシエイツがまとめて販売することで、当該第二の利用者の需要に応じることができるようにするものである。【0473】そして、ヴァーチャルカレンシーを消費しようとする第二の利用者にとってみると、ローカル取引において信頼しているアソシエイツからヴァーチャルカレンシーを購入することだけで、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケットにおいてサービス等を享受できるということであり、取引内容もローカル取引において当事者間で自由に決められ、取引所を利用する必要がなくなるという効果もある。
この機能を中心に取引所を見た場合には、取引所は、ヴァーチャルカレンシーの地域間(市区町村間でも、都道府県間でも、国家間でもなんでもよい)需給ギャップを解消させる機構を有しているものであるといえる。こうすることで、ヴァーチャルカレンシーの流通はさらに促され、メディアマーケットにおける情報流通の速度は、さらに加速する効果を発揮する。【0474】また、二重課税防止の観点から、アソシエイツのアソシエイツに対するヴァーチャルカレンシーの譲渡については、ローカル取引はもとより、取引所においても課金しないこと(非課税)にしている。こうすることで、消費者たる第二の利用者にヴァーチャルカレンシーを譲渡したときにだけ、アソシエイツには課金されることになる。このため、ヴァーチャルカレンシーを販売しようとするアソシエイツにとっては、第二の利用者への販売も、アソシエイツへの販売も、実質的に得られる価値は変わらないようにすることができることから、アソシエイツの売り注文は、第二の利用者向けに公募することのみ(一つの注文のみ)で足りるということになる。つまり、売り注文を閲覧するのがアソシエイツならば、サーバは、自動的に売り注文を公募したアソシエイツから徴収する予定の譲渡手数料を差し引いた額の交換価額を表示すればよいし、買い注文を公募しようとするアソシエイツにとっては、約定後の第二の利用者への販売時に課金される譲渡手数料を加味した価格で買い注文を公募すればよくなる。こうすることで、ヴァーチャルカレンシーを販売するアソシエイツにとって、結果的に販売先がアソシエイツになって、約定する交換価額が売り注文の交換価額から減額されているとしても、これには、第二の利用者に販売した場合の譲渡手数料という課金がないわけであるから、第二の利用者にヴァーチャルカレンシーを売却して得られる交換価額と同じということになる。【0475】こうすることで、取引所における買い注文は増加しやすくなり、ヴァーチャルカレンシーの単価も上昇及び安定しやすくなり、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体に対するヴァーチャルカレンシーの供給量を増加させることにつながり、ヴァーチャルカレンシーの流通速度及び量が増加し、もってヴァーチャルマーケット全体の情報流通速度及び量が増加するという効果を発揮する。
なお、上記これらのヴァーチャルカレンシー取引所の取引機能は、ローカルにおける取引の取引機能と同じである。つまり、ローカルでの取引と、取引所での取引は、相互に関係しあいながら、一体としてヴァーチャルカレンシーの売買取引を構成しているわけである。【0476】「主体群ごとの購買力の差を反映させた評価補正アルゴリズム」について説明する。
アソシエイツ及び無償コンテンツに対するその他の利用者からの評価の算出を、主体群ごとに補正する処理を加えることによって、主体群ごとの第一消費価格、つまり購買力の差を反映させた評価を行う。そして、補正された評価に基づき、被評価者たるアソシエイツへのヴァーチャルカレンシーの付与及びヴァーチャルマーケットへのヴァーチャルカレンシーの適切な供給を行う。
なお、本処理の基礎にある考え方は、利用者からその他の利用者に移転する価値は、その他の利用者の利用者に対する評価であるとしているわけだが、この「評価」という行為、すなわち「価値」は、利用者の属する主体群の購買力によって大きくも小さくもなり、さらには、時代の変遷に伴う主体群の購買力の変動によっても変動するものと考えていることからきている。【0477】「主体群ごとの購買力の差を反映させた評価補正アルゴリズム」について説明する。
(1)各主体群の評価総量(主体群評価総量)が、各主体群の第一消費量(主体群第一消費量)と等しくなる値(評価購買力倍率)を算出する。
評価購買力倍率=主体群第一消費量/主体群評価総量
(2)購買力差を反映した、各主体群に属するアソシエイツ及び無償コンテンツに対する評価値(購買力反映評価値)を算出する。
購買力反映評価値=元の評価値×評価購買力倍率
(3)ヴァーチャルカレンシー供給システムは、購買力反映評価値を用いて以降の処理を実行する。【0478】こうすることで、購買力に差のある国家等の主体群ごとのアソシエイツ及び無償コンテンツに対して、各主体群の購買力の差を反映させた評価値を算出することができるようになり、以降ヴァーチャルカレンシー供給システムは、算出された評価値(購買力反映評価値)に基づき、被評価者たるアソシエイツに対してヴァーチャルカレンシーを付与するとともに、ヴァーチャルマーケットへのヴァーチャルカレンシーの供給を行うことができるようになるものである。
また、こうすることによって、国家間(地域間)の経済格差に影響を受けない効率的な情報の流通がヴァーチャルマーケットにおいて行われるようになり、また、随時、評価値が更新(購買力反映評価値に補正)されることにより、時代の変遷に伴う経済格差の変化もリアルタイムに吸収することができ、変化のタイムラグは生じないという効果も期待できる。【0479】なお、ここで算出された評価購買力倍率は、購買力平価のような存在であり、主体群ごとの購買力の差、すなわち、例えば、国家間の購買力の差を表す指標になるものである。
また、運営者が行う設定情報としての評価は、本アルゴリズムが働くことによって、大小の違いについては、あくまでもアソシエイツ及び無償コンテンツの評価バランスを設定するものにすぎず、ヴァーチャルマーケット内において相対的評価として運用することができるようになり、例えば、設定する評価が絶対的に大き過ぎたり小さすぎたりしたとしても、結果的にヴァーチャルマーケットの消費量に見合った量の評価に補正されることから、アソシエイツの無償で提供する無償提供情報(無償コンテンツ)に対してマーケットの消費に基づく購買力が反映された評価(購買力反映評価値)としての価値を被評価者に与えることができるようになる。【0480】そうして、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケットは、ヴァーチャルカレンシーを実態を反映させて適切に主体群ごとに供給されるようになるわけであるが、ここで算出された評価購買力倍率を用いて、主体群ごとの購買力差から生じる物価差、すなわち、実体経済での国家間経済格差による不具合について是正する措置を次に説明する。【0481】「評価購買力倍率の小さい主体群(例えばインド)における、アソシエイツの提供する有償コンテンツ(第二消費活動によるもの)が、評価購買力倍率の大きい主体群(例えば日本)における、アソシエイツの提供する有償コンテンツよりも、価格競争力が高く、評価購買力倍率の大きい主体群におけるアソシエイツの有償コンテンツ提供意欲が減衰する可能性がある」という不具合がある。つまり、例えば、「日本のアソシエイツが価値ある有償コンテンツを自身が考える相当の交換価値を提示して第二の利用者に提供しようとしても、インドのアソシエイツによって同等又は廉価版としての価値を有する有償コンテンツを破格の交換価値を提示して第二の利用者に提供されてしまうと、日本のアソシエイツは提供しようとする有償コンテンツの付加価値を、インドのアソシエイツに比べて過度に上げなければならず疲弊する」という不具合である。
これは、実体経済にもよく見られる現象で、物価の低い国家等の地域で生産された商品は、物価の高い国家等の地域で生産された商品に比べて価格競争力が高く、例えば、経済格差を利用して、わざわざ生産拠点を他国に移して逆輸入する先進国の企業もあるように、ある意味、当たり前の構造だと認識されている。
しかしながら、これが実体経済によくみられる現象であり、当たり前の現象であるとしても、例えば、発展途上国の生産拠点では、永続的な価格競争力を維持したいがために、賃金上昇、ひいては経済発展を抑制するようなアクションを起こしていたり、そもそも、発展途上国の生産拠点が商品を生産し、先進国に輸出し、価格競争力の高さをもって発展途上国が収入を得たとしても、結果としての剰余価値が発展途上国内にとどまり発展途上国の経済を純粋に押し上げる構図になっているとは言えないという状態がある。
そこで、従来の実体経済では、「関税」という制度を用いて、それぞれの国家という主体群ごとに自身のマーケット内の産業を守っている。しかしながら、これが行き過ぎた場合の課題としての保護主義というものも存在する。つまり、「関税」という概念の制度を用いての地域間経済格差の是正措置には限界があるといえる。【0482】そこで、関税の保護的政策としての側面(有益性)は維持させながら、問題のみを解消する仕組みをメディアマーケット等のヴァーチャルマーケットに内在させる機能として、「第二消費価格を増額して(本処理を行い)購入者が支払うヴァーチャルカレンシーは、有償コンテンツを提供したアソシエイツが取得する」措置を設けても良いと考えている。
(1)主体群Aのアソシエイツは、任意のバーチャルカレンシー量(第二消費価格)で有償コンテンツを発信する
(2)前記発信された有償コンテンツを評価購買力倍率が主体群Aよりも高い主体群Bの第二の利用者が購入しようとした場合、主体群Aの評価購買力倍率と主体群Bの評価購買力倍率の比率に応じた第二消費価格が主体群Bの第二の利用者に対して表示される。
表示される第二消費価格=主体群Aのアソシエイツが任意に設定した有償コンテンツの第二消費価格×主体群B(評価購買力倍率の高い主体群)の評価購買力倍率/主体群A(評価購買力倍率の高い主体群)の評価購買力倍率
(3)主体群Aのアソシエイツの発信する有償コンテンツを、前記表示される第二消費価格で購入した主体群Bの第二の利用者が支払う第二消費価格のヴァーチャルカレンシーは、主体群Aのアソシエイツが取得する【0483】こうすることで、インド(前記主体群A)のアソシエイツが販売しようとする有償コンテンツの任意の第二消費価格は、インド(同一主体群)の第二の利用者、およびインドの評価購買力倍率よりも低い主体群C(例えばケニア)の第二の利用者については、設定された任意の第二消費価格のまま販売でき、他方、評価購買力倍率の高い日本(主体群B)の第二の利用者については、購買力の高さを反映させた第二消費価格で販売することができるようになり、インド(主体群A)のアソシエイツの収入が大きくなるとともに、日本(体群B)のアソシエイツの提供する有償コンテンツの第二消費価格が押し下げられなくなるという効果が発揮される。
また、このことは、価値を創造したインドのアソシエイツに対して経済格差から生じる剰余価値を完全に還元することができるという効果も発揮する。つまり、インド(相対的に評価購買力倍率の低い主体群)の経済力を上昇させやすくする効果も期待できる。
なお、評価購買力倍率を適用する主体群の範囲は、国家に限定するものではなく、物価等の経済状況が同程度であると考えられる任意の地域としても良い。【0484】次に、評価購買力倍率の異なる主体群間の第一消費価格の補正について説明する。
例えば、インド(主体群A)の第二の利用者に表示される第一消費価格は、同一主体群および評価購買力倍率の高い主体群(例えば日本)における第一消費価格がそのまま表示される。他方、評価購買力倍率の相対的に高い日本(主体群B)の第二の利用者に表示される評価購買力倍率の相対的に低い主体群(例えばインド)における第一消費価格は、そのまま表示されず、次の処理を加えて表示させても良いと考えている。【0485】処理の流れを説明する。
(1)主体群Bの第二の利用者に表示される、主体群Bよりも評価購買力倍率の低い主体群Aにおける第一消費価格は、主体群Bの評価購買力倍率と主体群Aの評価購買力倍率の比率に応じた第一消費価格(評価購買力倍率反映第一消費価格)が表示される。
評価購買力倍率の低い主体群Aにおける第一消費価格情報を取得しようとする、相対的に評価購買力倍率の高い主体群Bに属する第二の利用者に表示される、評価購買力倍率の低い主体群Aにおける、あらかじめ運営者によって設定された設定情報としての第一消費価格(評価購買力倍率反映第一消費価格)=主体群Aにおける第一消費価格×主体群B(評価購買力倍率の高い主体群)の評価購買力倍率/主体群A(評価購買力倍率の高い主体群)の評価購買力倍率
(2)主体群Aにおいて第一消費活動を行おうとする主体群Bに属する第二の利用者に表示される価格は、前記(1)によって評価購買力倍率反映第一消費価格となるわけだが、このまま主体群Bの第二の利用者が第一消費活動を行い、支払われる評価購買力倍率反映第一消費価格のヴァーチャルカレンシーは、第一消費活動による消却によってヴァーチャルマーケットから消滅しても良いし、又は元の第一消費価格から増額した分のヴァーチャルカレンシーの量をベーシックインカムアルゴリズムによる給付原資としても良い。なお、この場合に、給付する対象を主体群Aの第二の利用者に限定して給付し、評価購買力倍率の相対的に低い主体群Aの購買力を上昇させるようにしても良い。【0486】こうすることで、評価購買力倍率の低い主体群に属する経済力の弱い第二の利用者と、評価購買力倍率の高い主体群に属する経済力の強い第二の利用者との、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケットの第一消費活動における市場競争原理を強度に生じさせ、ヴァーチャルマーケットにおける消費活動を活性化させる効果を発揮するとともに、さらには、国家間の経済格差による人々の経済活動の阻害要因を是正する効果を発揮する。【0487】「取引所におけるクリプトカレンシーを用いた決済」について説明する。
ヴァーチャルカレンシーを購入した対価を、どのように決済するかということがあるが、これは、従前の方法として、ヤフーオークションのかんたん決済システムのように、アソシエイツにあらかじめ入金口座登録させておき、購入者には、クレジット決済、銀行振り込み決済、又はコンビニ決済させる方法や、証券取引における証券取引口座決済システムのように、利用者には、あらかじめ決済口座を開設させておき、当該口座残高データと取引所での取引データを紐づけて決済させる、法定通貨を用いた方法などがある。【0488】しかしながら、これらの方法では、国をまたいで取引されることを前提とする、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体における取引所の決済においては、例えば、決済が完了するまでにかかる時間が長すぎたり、決済が完了するまでにかかるコストが大きすぎたり、決済が完了するまでに行う処理工程が多すぎたりして、決済にあたっての負荷が大きすぎて効率的ではないという問題があった。【0489】そこで、本ヴァーチャルマーケットには、利用者のコンピュータ等の情報処理端末機器の記憶域及び通信ネットワークを用いたブロックチェーン上に、スマートコントラクトを用いてヴァーチャルカレンシーと経済的価値を接続するクリプトカレンシー(仮想通貨、暗号通貨、又は暗号資産等と呼ばれる存在)を供給する機能を付加することを、決済負荷を低減させる目的でも提供することができるようにしている。取引所を利用する第一及び第二の利用者は、あらかじめ、運営者も一つのアカウントとして運営者が構築するブロックチェーン上に、利用者自らで自身のアカウントを作成している。そして、このブロックチェーン上に、運営者は、ICOの手法を用いてクリプトカレンシーを供給する。このクリプトカレンシーを取引所におけるヴァーチャルカレンシー購入時の支払い手段に利用する。【0490】流れとしては、次のようになる。
(1)利用者は、ヴァーチャルマーケット上及びブロックチェーン上のアカウントを取得する
(2)利用者は、ICOに参加、又は市場取引し、クリプトカレンシーを取得する(アソシエイツの取得は任意)
(3)アソシエイツは、ヴァーチャルマーケットにおける活動によってヴァーチャルカレンシーを取得する
(4)アソシエイツと第二の利用者は、取引所においてヴァーチャルカレンシーとクリプトカレンシーを交換する
(5)第二の利用者は、ヴァーチャルマーケットにおける活動によってヴァーチャルカレンシーを消費する
(6)アソシエイツは、取得するクリプトカレンシーをリアルマーケットで通用する現金等に交換又はクリプトカレンシーのまま蓄財する
(7)第二の利用者は、必要なクリプトカレンシーを前記(2)の行程により取得する
(8)アソシエイツは、欲するヴァーチャルカレンシーを(3)の行程により取得する
(9)以降、上記の行程がサイクルする【0491】こうすることで、取引所における決済にあたっての負荷が大きすぎて効率的ではないという問題が解決され、また、取引所における決済手段を上記クリプトカレンシーに限定させることによって、運営者が発行する上記クリプトカレンシーの経済的価値を生じさせ、かつ安定させ、ボラティリティーが低くなる効果を発揮する。
また、上記クリプトカレンシーが取引所におけるヴァーチャルカレンシーの対価であるということは、アソシエイツから第二の利用者へのヴァーチャルカレンシーの販売取引はもとより、アソシエイツ間のヴァーチャルカレンシーの売買取引が存在することを考えると、上記クリプトカレンシーは、アソシエイツにとっても、第二の利用者にとっても、メディアマーケットを利用、すなわち、ヴァーチャルカレンシーを取得するうえで必要な資産になり、より一層、上記クリプトカレンシーの経済的価値を上昇、及び安定させる効果が期待できるようになる。【0492】なお、クリプトカレンシーには、
(1)アソシエイツの手数料決済(課金と還付)手段
(2)取引所におけるヴァーチャルカレンシーの決済(交換)手段
(3)アソシエイツとしての生産活動による剰余価値の保存手段
(4)上昇を見込んでの資産運用手段
という4つの手段があり、運営者が構築するヴァーチャルマーケット群におけるヴァーチャルカレンシーの時価総額(「流通総量」×「単価」)に連動して(将来期待値も含めて)時価総額(クリプトカレンシーの発行総量×単価)の根拠が決定する。このことから、常時、新規発行し続けるヴァーチャルカレンシーと異なり、常時、新規発行し続けるわけではないクリプトカレンシーの単価は上昇しやすくなっており、ヴァーチャルカレンシーの流通量が増加することによるヴァーチャルカレンシーの時価総額の上昇に伴うクリプトカレンシーの時価総額上昇によって、クリプトカレンシーの単価は上昇しやすくなっている。つまり、クリプトカレンシーのボラティリティーを下げる措置が必要になってくる。【0493】あらかじめ、ICOにより発行するクリプトカレンシーに関連して、取引所の処理において、次の処理を加えておく。
(1)サーバは、取引所において、交換レートを1ヴァーチャルカレンシー=1クリプトカレンシーに定めて、無限のヴァーチャルカレンシー売り注文を出しておく。
こうすることで、クリプトカレンシーに、ヴァーチャルマーケットの利用者の消費活動及び評価に基づく、定量化された本源的価値を間接的に生じさせることができるようになる。つまり、クリプトカレンシーは、いつでもヴァーチャルカレンシーに等量交換することができるということであり、クリプトカレンシーの需給バランスに応じて、対ヴァーチャルカレンシーの価値が1より大きくなる場合はあっても、1より小さくなる場合はなくなる。よって、クリプトカレンシーは、ヴァーチャルカレンシー以上の価値を有することになる。【0494】このとき、クリプトカレンシーの需要(価値)の変動(上昇)を吸収し、クリプトカレンシーの価値をヴァーチャルカレンシーの価値と等しく(近く)なるような措置を講じなければならないわけであるが、これを次に記す。
(1)クリプトカレンシーの価値がヴァーチャルカレンシーの価値に近づくよう、価値の乖離幅に応じてクリプトカレンシーを分割生成する
クリプトカレンシーは、ヴァーチャルマーケットに存在するヴァーチャルカレンシーの価値を本源的価値においているわけであるが、クリプトカレンシーが、従来のクリプトカレンシーのように、発行総量が固定されているとすれば、ヴァーチャルカレンシーの時価総額の変動により、単価が大きく変動してしまうという問題があった。
そこで、この問題を解決するため、クリプトカレンシーの価値が、本源的価値であるヴァーチャルカレンシーの価値から離れない(つまり、1対1から離れない)ようにするためのアルゴリズムを、あらかじめクリプトカレンシーに持たせておくようにする。【0495】クリプトカレンシーに次の機能を付加する。
(1)ブロックチェーン上のスマートコントラクトを用いて、クリプトカレンシーの需給バランスをモニタリングする
(2)需給バランスが所定の状態(例えば、流通総量の5%を超える需要過多等)を示すと、当該需要過多量のクリプトカレンシーがブロックチェーン上に新規生成され、既存のクリプトカレンシー保有者に対して、保有量の割合に応じた新規生成されたクリプトカレンシーが付与される
(3)需給バランスが所定の状態(例えば、流通総量の5%を超える供給過多等)を示すと、当該供給過多量のクリプトカレンシーをブロックチェーン上から消滅させるべく、既存のクリプトカレンシー保有者に対して、保有量の割合に応じたクリプトカレンシーを消滅させる
こうすることで、サーバ内(ヴァーチャルマーケット)において通用するヴァーチャルカレンシーと、ブロックチェーン上(実社会)において通用するクリプトカレンシーとを、一体として「通貨」として機能させることができるようになる。【0496】結局のところ、上記クリプトカレンシーは、中央集権的ではないビットコインのような性質のクリプトカレンシーであるが、特徴的違いは、発行総量が無限であり、需給バランスに応じてクリプトカレンシーの量が増えたり減ったりするアルゴリズムを内包している部分にある。また、ヴァーチャルカレンシーによって本源的価値が生じており、ファンダメンタルズ分析も可能であり、ヴァーチャルマーケットにおける経済的役割も付加されていることから、従来のクリプトカレンシーにない、ボラティリティーの低さを実現し、ヴァーチャルマーケットでの決済手段はもとより、実社会でのその他の決済手段にも耐えうるクリプトカレンシーになることができるものである。【0497】さらに、クリプトカレンシーは、その他の価値と交換することも可能であることから、本明細書に記載するヴァーチャルマーケットのようなその他のサービスにおけるその他のヴァーチャルカレンシーと、本明細書に記載するような取引所における1対1の交換も可能である。つまり、本明細書に記載する態様のクリプトカレンシーと価値を接続するヴァーチャルカレンシーは無限であり、このことから、クリプトカレンシーの流通総量は、価値を接続するヴァーチャルカレンシーの将来期待値も含めた価値の総量だけ、理論上、無限に拡大することができ、時価総額を増大させ続けることができるものである。【0498】「譲渡におけるクリプトカレンシーを用いた納税」について説明する。
取引所における支払い手段をクリプトカレンシーに限定した場合に、クリプトカレンシーは、アソシエイツ(の側面)がヴァーチャルカレンシーを第二の利用者(の側面)に譲渡したときに課金される譲渡手数料の支払い手段に用いることが効果的である。
これは、「第一の利用者から第二の利用者へのヴァーチャルカレンシーの譲渡、並びに課金および還付」に記載した、サーバのシステム現金通帳で管理するアソシエイツの債務を、上記クリプトカレンシーに限定して運用するものである。つまり、アソシエイツに課すヴァーチャルカレンシーの譲渡手数料(債務)、及び報奨的支払いの販売奨励金(債務の減額)は、円やドルやユーロ等の法定通貨ではなく、上記クリプトカレンシーに限定して運用するというものである。このことは、ローカル取引において、アソシエイツが取得する販売したヴァーチャルカレンシーの交換対価が現地法定通貨であったとしても、当該アソシエイツが運営者に支払う譲渡手数料は、上記クリプトカレンシーになるということである。【0499】こうすることで、世界中に単一プラットフォームとして展開することを前提とした、本実施形態のメディアマーケット等のヴァーチャルマーケット群の課題である、「国家(国家に属する利用者)ごとに異なる通貨を取り扱わなければならないことによる、決済処理の非効率性」を一切排除する(ローカルにおける利用者間の直接取引は任意かつ自由、つまり、アソシエイツはローカル取引におけるヴァーチャルカレンシーの譲渡の対価を自由に決める)ことができ、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット群においては、銀行の口座決済を必要としない効率的な決済処理を提供することができるようになる。【0500】なお、クリプトカレンシーを用いる実施形態をベストモードと考えているわけであるが、なぜ、「取引所におけるクリプトカレンシーを用いた決済」と、「譲渡におけるクリプトカレンシーを用いた納税」を変形例のように示したかというと、例えば、中国のような市場において、場合によっては、クリプトカレンシーを用いない、中国限定のメディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット群を地域限定で構築する可能性を考慮しているからである。つまり、本実施形態でのヴァーチャルマーケットには、世界中に展開するメインの世界単一プラットフォーム型のヴァーチャルマーケット群のほかに、当該世界中に展開するメインのヴァーチャルマーケット群の利用を制限した、地域限定のヴァーチャルマーケット群があっても良いと考えているわけである。【0501】そうして、上記クリプトカレンシーは、「取引所における支払手段」および「ヴァーチャルマーケットにおける納税手段」と併せて、「ヴァーチャルカレンシーにいつでも交換できる」(ヴァーチャルカレンシー本位貨幣)という、確固とした経済的価値を生じさせることで、上記クリプトカレンシーが本来有する、「価値の保存機能」、「価値の尺度機能」、および「価値の交換機能」が相乗的に機能し、「通貨」としての機能を成立させることになる。【0502】そして、クリプトカレンシーの通貨としての機能を向上させるうえで必要な、ボラティリティーを下げ、クリプトカレンシーの流通総量をヴァーチャルカレンシーの流通総量の上昇に応じて上昇させる、「クリプトカレンシーの分割アルゴリズム」である。これは、クリプトカレンシーの価値が上昇して単価が上昇するのではなく、発行可能クリプトカレンシー総量を無制限としたうえで、価値が上昇すれば、価値の上昇分だけクリプトカレンシー保有者に対して保有量に応じたクリプトカレンシーを生成付与し、価値が減少すれば、価値の減少分だけクリプトカレンシー保有者に対して保有量に応じたクリプトカレンシーを消却するというものであり、いわばクリプトカレンシーにおける金利のようなものである。【0503】こうすることで、本実施形態での、「ヴァーチャルカレンシー制御アルゴリズム」と、「クリプトカレンシー制御アルゴリズム」が、一体としてアルゴリズムを形成するとき、実社会に対して、「他者からの評価(情報提供者の承認欲求と情報取得者の知識欲求に基づく他者に移転する価値)に基づく貨幣」、つまり、「評価本位貨幣」を提供することができるようになる。
つまり、他者の評価を本源的価値としたヴァーチャルカレンシーであり、ヴァーチャルカレンシーを本源的価値としたクリプトカレンシーであり、これらを機能させる本実施形態ということである。【0504】「アソシエイツとしての信用度を、与信限度額の付与という形で設定」について説明する。
アソシエイツがヴァーチャルカレンシーを第二の利用者に譲渡し、ヴァーチャルマーケット運営者から課金される譲渡手数料は、アソシエイツの債務として、これを計上するシステムであり、運営者にとっては、アソシエイツに対する債権(売掛金)であるわけだが、この価額の上限額は、アソシエイツごとに異なる値を用いて運用する態様にしている。つまり、与信限度額である。いわば、クレジットカードのショッピング枠である。【0505】これは、クレジットカード等の信用取引にあるような従来技術で足り、特段の特徴的技術はないことから詳細な処理は割愛するが、単純に言って、「利用者のサービス利用行為を評価して、利用者ごとの信用枠を増減させるもの」である。つまり、債権者たるヴァーチャルマーケット群の運営者は、アソシエイツの、
(1)ヴァーチャルマーケット利用行為
(2)ヴァーチャルマーケットのその他の利用者から得ている評価
(3)認定制度による財務諸表情報の提供による取得情報
を用いて、アソシエイツに対する債権限度額(信用枠)を増減させるものである。【0506】なお、アソシエイツに対して付与する信用枠の大小は、先願特許明細書「特典管理装置」にあるアソシエイツ(第一の利用者)の表示優先度と連携させても良いし、ヴァーチャルカレンシーの付与量と連携させても、運営者に対する累計支払い(納税)金額と連携させても、運営者からの販売奨励(還付)金額と連携させても、何でもよいと考えている。つまりは、従来から存在するクレジットカード等の機能である。【0507】「ヴァーチャルカレンシーの消滅するマーケット利用行為(第二の利用者による第一消費活動)」について説明する。
第二の利用者(の側面)にとっては、メディアマーケットの機能を利用するとき、ヴァーチャルカレンシーを消費する(消滅させる)利用行為もあれば、消費しない(消滅させない)利用行為もある。運営者は、あらかじめ設定情報を登録(更新)することで、第二の利用者のどのような利用行為を無償行為とするか、また、どのような利用行為をヴァーチャルカレンシーの消費を伴う有償行為とするか、さらには、有償行為ごとに、どのくらいの利用行為について、どのくらいのヴァーチャルカレンシーを対価として消費させるか設定しておく。つまり、ヴァーチャルマーケットにおける物価の設定である。【0508】有償となるサービス利用行為とは、利用者が参加するメディアマーケットを、その他の利用者が無償で利用するよりも有利に利用するための機能である。例えば、自らが発信する情報を、情報取得してほしい対象に、より早く、より多く、より適切に届けられるようにする等の、いわゆる広告宣伝的利用行為や、自らが取得する情報を、情報提供してほしい対象から、より早く、より多く、より適切に取得することができるようにする等の、いわゆる情報収集利用行為がある。そして、その量や精度についての大小や優先度合いを決定づけるヴァーチャルカレンシーの消費量である。【0509】これら、ヴァーチャルカレンシーがヴァーチャルマーケットから消滅する利用行為をもって、「第二の利用者による第一消費活動」としている。そして、メディアマーケットにおける第一消費活動は、事業会員たる第二の利用者の広告宣伝行為がその大半を占めることになると考えている。以下、この流れを説明する。【0510】メディアマーケットに登録する記者等のアソシエイツによって、価値ある情報がメディアマーケットに提供され、これを取得しようとする事業会員や個人会員が集まる。そして、集まった事業会員の中から、その他の利用者に広告宣伝したい事業会員が生まれ、ヴァーチャルカレンシーをアソシエイツから購入し、ヴァーチャルカレンシーが消費(消滅)される第一消費活動が行われる。そして、メディアマーケットから消滅する量以上にメディアマーケットに新規供給されるヴァーチャルカレンシーを獲得すべく、記者等のアソシエイツによって価値ある情報がさらに提供される。そして、ヴァーチャルカレンシーを獲得したアソシエイツからヴァーチャルカレンシーを購入した事業会員は、さらに自身に有利なように広告宣伝等の第一消費活動を行う。そして、さらに、アソシエイツの価値ある情報提供を期待する事業会員や個人会員が増え、これらがサイクルする。【0511】つまり、
(1)アソシエイツによって価値ある情報が提供される
(2)価値ある情報を求めて利用者が増大する
(3)増大した利用者に対して広告宣伝したい事業者が現れる
(4)本実施形態では事業者の広告宣伝費を取得できるアソシエイツが価値ある情報をさらに提供する
(5)さらに価値ある情報を求めて利用者が増大する
(6)本実施形態ではヴァーチャルカレンシーの供給量が上昇する
(7)増大する利用者に対して広告宣伝したい事業者がヴァーチャルカレンシーを購入し広告宣伝を行いヴァーチャルカレンシーが消滅する
(8)ヴァーチャルカレンシーが価値ある情報を提供するアソシエイツに新規供給される
(9)価値ある情報を求めて利用者がさらに増大する、
という流れである。
つまり、メディアマーケットは、本実施形態から、事業者たる第二の利用者の支払う広告宣伝費用を、著作物を創作及び無償提供する情報提供者たるアソシエイツ(第一の利用者)に直接的かつ効果的に還流させることができるようになり、メディアマーケットの視聴者たる第二の利用者の増大及び利用時間の上昇と共に、その規模を大きくさせ続けてゆくメカニズムを実社会に提供するものである。【0512】なお、ヴァーチャルカレンシーを無償取得するアソシエイツは、毎回、著作物等を新規創造し続けなければならないというものではなく、継続的に、その他の利用者から評価され続けるような、継続的価値を他者に提供する著作物をメディアマーケットに提供することで、継続的にヴァーチャルカレンシーを獲得し続けることができることから、より一層、価値ある情報をメディアマーケットに提供するようになる。【0513】「ヴァーチャルカレンシーの消滅しないマーケット利用行為(第二の利用者による第二消費活動)コンテンツ売買」について説明する。
第二の利用者(の側面)にとっては、メディアマーケットの機能を利用するとき、ヴァーチャルカレンシーを消費する(消滅させる)利用行為もあれば、消費しない(消滅させない)利用行為もあるとしたわけであるが、これら利用行為のほかに、利用者同士のヴァーチャルカレンシーの交換取引というものがある。
記者等のアソシエイツは、メディアマーケットにおいて、自らの創作する著作物等を、その他の利用者に対して、すべて無償で提供しなければならないわけではなく、無償であるか、有償であるか、有償であればいくらで販売するかを任意で決定することができるようになっている。そして、記者等のアソシエイツがメディアマーケットにおいて提供できる著作物等は、上記に記した「構成要素1」にあるように、様々なものがある。【0514】例えば、記者等のアソシエイツは、任意のヴァーチャルカレンシー量を設定して、その他の第二の利用者に対して、創作する著作物等のコンテンツを販売することができる。第二の利用者としても、アソシエイツの販売するコンテンツを、自らの判断によって、当該アソシエイツに対してヴァーチャルカレンシーを支払い、当該コンテンツを取得することができる。
こうすることで、メディアマーケットで取り扱うアソシエイツの提供する情報は、いわゆるテレビ等のメディで無償情報提供されている情報コンテンツの枠を大きく超えて、例えば、一般的に実社会で販売されている、書籍や音楽や映画等の著作物までをも取り扱うことができるようになる。以下、この流れを説明する。【0515】記者たるアソシエイツは、無償情報提供すべきでないと考える価値の比較的高いであろう記事について、相応の価格を設定してメディアマーケットに表層のみ配信(陳列)する。陳列された当該記者の記事の表層を見た第二の利用者は、当該記者の無償配信している記事等の無償コンテンツ等から、有償コンテンツの価値を判断し、当該コンテンツをヴァーチャルカレンシーを支払い当該記者から購入する。この時、記者および第二の利用者に対する運営者からの課金は想定していない。そして、当該記者は、有償コンテンツを販売し、得たヴァーチャルカレンシーを、自らの第二の利用者の側面に譲渡し自らで消費するか、ローカル取引、又は取引所において、その他の利用者に譲渡し、対価を獲得する。他方、有償コンテンツを購入した第二の利用者は、ローカル取引、又は取引所において、以降に必要とするヴァーチャルカレンシーを、アソシエイツ(又は、アソシエイツの側面)から譲受し、対価を支払う。【0516】つまり、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体において、「第一消費活動」によるヴァーチャルカレンシーの消滅を伴う第二の利用者のサービス利用行為に至るまでのヴァーチャルカレンシーは、「第二消費活動」によって、ヴァーチャルマーケット内で帰属権を移転しながら利用者間を移転することになる。まさに通貨である。【0517】こうすることで、アソシエイツは、メディアマーケットを通して多様な著作物等をその他の利用者に販売することができるようになり、例えば、多大なコストをかけて制作した映画であったり、感性をかけて創作した音楽や書籍であったり、多大な知識と労力をかけてまとめた記事やドキュメンタリーであったり、有名無名、労力やコストの大小を問わず、多種多様なありとあらゆるコンテンツを、メディアマーケットを通して価値を認めてくれる世界中の利用者に提供することができるようになる。【0518】そして、このことは、さらに、著作物等の創作物たる供給物を、本実施形態から、直接的かつ効果的に需要者に届けることを可能にするものであることから、従来では失われていた、媒介手段たるメディア機関が切り捨てていた、いわゆる無名の価値が、社会に価値をもって誕生しやすくなり、創作者の創作意欲を向上させ、もって著作物等の価値の流通を劇的に促進する効果を発揮するようになる。【0519】「ヴァーチャルカレンシーの消滅と新規供給と取引所での取引価格の関係」について説明する。
メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット群へのヴァーチャルカレンシーの供給は、メディアマーケットにおいては、記者等のアソシエイツによる情報提供(無償コンテンツ提供)に対する、その他の利用者および運営者の、当該無償コンテンツへの評価に基づく、ヴァーチャルマーケットへのヴァーチャルカレンシーの生成、及び当該アソシエイツへの当該ヴァーチャルカレンシーの付与から始まるものである。【0520】そして、ヴァーチャルカレンシーは、利用者間で帰属権を移転させながら、第二消費活動を経て(経ない場合もある)、第一消費活動によって、ヴァーチャルマーケットから消滅する。
また、第二消費活動によって、ヴァーチャルカレンシーは、ヴァーチャルマーケットに生成されてから、消滅するまでの間に、様々な流通経路をたどるものであるから、ヴァーチャルカレンシーには、一様の存在期間というものは存在しない。そして、ヴァーチャルカレンシーの交換価値は、すべて利用者間の任意としていることがある。
これらのことから、一見、ヴァーチャルマーケット全体のヴァーチャルカレンシーの単位交換価値の変動によるヴァーチャルカレンシーの流通障害(情報流通障害そのものである)については、運営者は制御できないと考えられるだろうが、そうではない。【0521】説明すると、本実施形態では、従来の中央銀行による通貨供給システムにあるような、前提としての、「通貨は消滅しない」という概念に変えて、「ヴァーチャルカレンシーは消滅(保有期間によって価値が変動)する」という概念を加えている。そして、この概念がどこからきているかと言えば、ヴァーチャルカレンシーの存在、つまり本源的価値は、どこからきているかということに由来するわけだが、それは、我々人類の絶え間ない欲求をヴァーチャルカレンシーの本源的価値に据えていることからくるものである。つまり、承認欲求等の能動的他者評価欲求と、知的好奇心や群的知識共有等の能動的知識欲を、ヴァーチャルカレンシー生成の基礎としていることから、ヴァーチャルカレンシーは、マーケットに生み出され続ける(べき)性質のものと捉えていることによる、ヴァーチャルカレンシーの生成と消滅という概念である。【0522】他方、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケット群は、ヴァーチャルカレンシーの生成及び付与をアソシエイツに対して行うにあたって、当該アソシエイツから、何らかの物品の提供や役務の提供を受けているわけではないということがある。つまり、ヴァーチャルカレンシーは、生成及び付与の段階では、何らかの対価として、アソシエイツに対して、これを運営者が負債として差し出しているわけではないこと、及び付与されたヴァーチャルカレンシーは、アソシエイツにとっては何らの資産として計上されるべきものでもなく、自らでの利用価値はまったくない無用の長物として存在していることがある。あくまでも、メディアマーケットに無償コンテンツを提供し、その他の利用者によって評価された、いわば、その他の利用者が、提供された無償コンテンツの閲覧等により得たであろう価値を、定量化して表したものがヴァーチャルカレンシーであるというだけのものである。【0523】これらのことから、ヴァーチャルカレンシーには、通貨の役割の一つである「価値の保存」という資産的機能を与えていない。これは、ヴァーチャルカレンシーの保有期間に上限があり、期限が到来すると消滅(期間によって価値が変動)する、という特性をヴァーチャルカレンシーに与えていることからも、さらにいえることである。つまり、ヴァーチャルカレンシーは、人類である利用者の欲によってヴァーチャルマーケットに生み出され続け、いつかは消滅すべき存在として設計しているということである。よって、「ヴァーチャルカレンシーは消滅する」のである。
なお、これらの処理は、設定情報に基づき処理されるものである。【0524】以上の説明を前提として、「ヴァーチャルマーケット全体のヴァーチャルカレンシーの単位交換価値の変動によるヴァーチャルカレンシーの流通障害(情報流通障害そのものである)については、運営者は制御できる」わけであるが、これは、
(1)ヴァーチャルカレンシーがマーケットから消滅し続けていること
(2)ヴァーチャルカレンシーのマーケットへの供給をサーバはどのようにでも調整できること
(3)「主体群ごとの購買力の差を反映させた評価補正アルゴリズム」によってヴァーチャルマーケット全体を通してヴァーチャルカレンシーの単位価値を統一していること
(4)取引所を通してヴァーチャルカレンシーの単位交換価値をサーバは常時把握していること、
を利用して実行するものである。
つまり、(3)と(4)によりヴァーチャルカレンシーはヴァーチャルマーケット全体で単位価値が決定されるようになっており、この価格推移を把握しているサーバは、(1)によって常にヴァーチャルマーケットから消滅し続けるヴァーチャルカレンシーを、(2)を用いて常に供給し続けなくてはならず、これを、ヴァーチャルマーケット全体のヴァーチャルカレンシーの単位交換価値の変動によるヴァーチャルカレンシーの流通障害が生じないよう、サーバは処理しなければならないわけであるが、これは、次の処理をサーバに加えるだけで解決する。【0525】「新規供給総量調整アルゴリズム」の基礎的処理について説明する。
(1)取引所におけるヴァーチャルカレンシーの売り注文は、販売価格が低い注文を優先して約定させる
(2)常時、サーバは、ヴァーチャルカレンシーの売り注文を、交換する対価と1対1の関係で無限に立てておく(なお、設定情報における運営者が行う第一消費価格の設定は、前記交換する対価の価値の感覚をもって設定する)
(3)前記(2)のサーバによる売り注文は、アソシエイツたる第一の利用者(の側面)の売り注文と同額であれば劣後して約定させる
(4)サーバは、前記(1)、(2)及び(3)により、ヴァーチャルカレンシーを無限に販売することができるようになるわけだが、これを、「借り受け事前販売バーチャルカレンシー量」として記憶しておく
(5)常時、サーバは、記憶している「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」と同量のヴァーチャルカレンシーの買い注文を、交換する対価と1対1の関係で立てておく
(6)「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」が設定情報として設定された閾値(Z、以下に説明する)を下回ると、アソシエイツが保有するヴァーチャルカレンシーの保有期間による価値の減少(消滅期限のカウント)が停止する
(7)サーバは、「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」が、ヴァーチャルマーケットに存在するヴァーチャルカレンシーの総量のA%(設定情報、例えば10%)に近づくように、新規供給するヴァーチャルカレンシーの供給量を調整する【0526】前記基礎的処理に続けて、「新規供給総量調整アルゴリズム」の措置的処理について説明する。
(8)ヴァーチャルカレンシーの需要が増大する時のヴァーチャルカレンシーの供給量の調整は、A%(10%)の量からB%(設定情報、例えば50%、つまりヴァーチャルカレンシーの総量の15%(A+A×B%)の借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量になっている状態)上振れ(供給不足の症状)すると、所定C期間(設定情報、例えば1か月でも1週間でも2か月でもよく任意の期間)の新規供給量の総量を、ヴァーチャルカレンシーの総量の「(A×B)%、つまりこの場合には5%」増加させる新規供給するヴァーチャルカレンシーの総量調整を行う
なお、所定期間の設定は、短ければ調整の影響は大きく、長ければ調整の影響は小さくなる。運営者は、ヴァーチャルマーケットの状態に応じてこれらの設定情報を更新する
(9)前記(8)の新規供給総量調整は、即効性を高めるためにさかのぼって計算し、過去において、すでにアソシエイツに供給したヴァーチャルカレンシーの量に上乗せして、さかのぼり調整分をアソシエイツに対して直ちに供給しても良く、以降新規供給総量調整を行われ続けるようにしても良い
(10)ヴァーチャルカレンシーの需要が減少する時のヴァーチャルカレンシーの供給量の調整は、A%(10%)の量からD%(設定情報、例えば50%、つまりヴァーチャルカレンシーの総量の5%(A−A×D%)の借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量になっている状態)下振れ(供給過多の症状)すると、所定E期間(設定情報、例えば1か月でも1週間でも2か月でもよく任意の期間)の新規供給量の総量を、ヴァーチャルカレンシーの総量の「(A×D)%、つまりこの場合には5%」減少させる新規供給するヴァーチャルカレンシーの総量調整を行う
なお、所定期間の設定は、短ければ調整の影響は大きく、長ければ調整の影響は小さくなる。運営者は、ヴァーチャルマーケットの状態に応じてこれらの設定情報を更新する。
また、ここで説明する需要減少時の供給調整を行うタイミングをもって、前記(6)の閾値Zとし、アソシエイツが保有するヴァーチャルカレンシーの保有期間による価値の減少(消滅期限のカウント)を停止する。そして、ヴァーチャルカレンシーの需要が増加し、借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量がAの値に到達すると、停止していたアソシエイツの保有するヴァーチャルカレンシー消滅期限のカウントが再開する。【0527】前記措置的処理に続けて、「新規供給総量調整アルゴリズム」の緊急的処理について説明する。
(11)急激な需要減少があり、借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量が0になった場合、0である間に限って、後に説明する「ベーシックインカムアルゴリズム」の原資たる消費税を第二の利用者に対して課税する率について、2倍(設定情報を更新することにより変更可能)にする
こうすることで、メディアマーケットを含むヴァーチャルマーケット全体のヴァーチャルカレンシー消費量を実質的に増加させ、併せてヴァーチャルカレンシーの無償給付量を増やし、個人消費を下支えする。
なお、本緊急的処理が利用者に周知されている状況において、ヴァーチャルマーケットにおける借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量を含むヴァーチャルカレンシーの流通状態を利用者に公開しているとき、本緊急的処理の実行タイミングを利用者は予測することができるようになっていることから、実行直前(増税直前)における第二の利用者の駆け込み消費が期待でき、このことにより需要を増大させ、結果的に本緊急的処理を遅らせる、又は本緊急的処理を行わなくて済むという効果を発揮する。【0528】こうすることで、ヴァーチャルカレンシーの単価は、「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」が1以上存在している「平時」においては完全に一定状態(交換する対価と1対1の価値)に保たれ、景気減退期や金融政策失敗時等の例外時における急激な需要減少(「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」が0の状態、つまり緊急事態)状態であってもヴァーチャルカレンシーの単価は下がりにくくなる。
閾値を超えるような需要減少時にはアソシエイツが保有するヴァーチャルカレンシーの消滅期限のカウントが停止しており、仮に借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量が0であったとしても、わざわざ焦って安く売らなくとも、いずれヴァーチャルカレンシーの流通総量の減少とともに、ヴァーチャルカレンシーは元の価値に回復する(借り受け時残販売ヴァーチャルカレンシー量が1以上になる)わけであるから、売り注文は交換対価と1対1等のもとの値段で立てておいたままにしておけばよく、交換対価がすぐほしい(リアルでのお金がない状態)等の場合にのみ、1対0.9等、安く売ればよいということである。【0529】また、こうすることで、どのような状況でも、需要者のヴァーチャルカレンシーの購入はストレスなく決済することができるようになり、アソシエイツによるヴァーチャルカレンシーの販売についても、平時においてはストレスなく決済することができ、緊急事態のみ、少しの間、待っていればよくなることから、従来の取引所にあるような利用者の取引ストレスを低減させる効果を発揮するようになる。
なお、ヴァーチャルカレンシーの新規供給量の調整値を算出するうえで、ヴァーチャルマーケットで不足、又は余っているヴァーチャルカレンシーの量が、「借り受け事前販売ヴァーチャルカレンシー量」をモニタリングするのみで容易に算出できるようになることから、運営者にとっても利用者にとっても、調整の根拠を容易に認識することができる効果も併せ持つ。【0530】このことは、ヴァーチャルマーケット群全体を通して、第二の利用者(又は側面、つまりは、すべての消費主体)のヴァーチャルカレンシー需要総量(資金需要総量)と、アソシエイツ(又は側面)の収入が均衡することを意味しており、さらにこのことは、アソシエイツ間でヴァーチャルカレンシーの獲得合戦が生じる(ほかのアソシエイツよりも評価されるよう、より良質の情報提供物を発信しようとする動機付けがなされ、さらに連鎖反応が生じる)ことを意味しており、さらにこのことは、より良質の情報を求める第二の利用者(特に、個人)が増加、及び利用時間が増大することを意味しており、さらにこのことは、第二の利用者のヴァーチャルカレンシー需要総量を増大(特に、事業会員の行う広告宣伝活動が活性化する)させることを意味しており、さらにこのことは、アソシエイツの獲得するヴァーチャルカレンシーの総量を増加させることを意味しており、こうしたことから、ヴァーチャルマーケット群は、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケットに参入するアソシエイツに対して、市場膨張を伴う競争原理を強度に働かせるものになっている。
つまり、本実施形態では、運営者は、構築するヴァーチャルマーケット群を限界速度で活性化(市場拡大)するようサイクルさせることができるということであり、もって、リアルマーケットの活性化を図る効果も発揮するものである。【0531】結局のところ、本実施形態でのベストモードは、「1国ごと(単一の法定通貨を用いるEUも一つの国として捉える)に行う、現地法定通貨を決済手段に用いたクリプトカレンシーを用いない局所モデル」と、「複数の国をまたがり全世界に行う、クリプトカレンシーを決済手段に用いた法定通貨を用いない世界モデル」の2つがあるということである。【0532】「ベーシックインカムアルゴリズム」について説明する。
メディアマーケットを利用する事業会員たる第二の利用者は、ヴァーチャルカレンシーを消費するとき、あらかじめ運営者によって設定された設定情報に基づき、いわば実社会に存在する消費税のようなもの(以下、消費税という)として、消費するヴァーチャルカレンシーの量に上乗せして、運営者にヴァーチャルカレンシーを徴収される。例えば、消費税率が10%の場合において、消費する正規のヴァーチャルカレンシー量が10000であるとき、サーバのヴァーチャルカレンシー通帳から引き落とされるヴァーチャルカレンシーの量は、11000引き落とされる。(表示が内税として11000と表示されていても良い)なお、消費目的が、アソシエイツの有償提供しているコンテンツの取得である場合には、引き落とされた11000のうち、10000がコンテンツを提供したアソシエイツに移動し、1000が運営者に移動する。【0533】そして、あらかじめ設定された設定情報に基づき、運営者が所定期間中に事業会員たる第二の利用者から徴収したヴァーチャルカレンシーを、個人会員たる第二の利用者に所定期間ごとに配給する。なお、配給バランス、及び当該配給するヴァーチャルカレンシーの消費期限については、設定情報を更新することで、運営者はどのようにでもできるものとしている。【0534】こうすることで、メディアマーケット等のヴァーチャルマーケット群における利用者の経済活動を保障し、個人消費を促し、個人会員の利用頻度を高め、結果的にヴァーチャルマーケット全体のヴァーチャルカレンシーの流通量および消費量を増大させる効果を発揮する。なお、ヴァーチャルカレンシーは蓄財できないこと、ヴァーチャルマーケット内でしか利用できないこと、他人に移転することができず自らで消費しなければならないこと、配給されるヴァーチャルカレンシーの消費期限は短く設定できる(例えば1か月など)こと、及びタイムラグはあるが、結果的にアソシエイツに対して配給同等量が供給されることから、従来、実社会にあるような消費税(付加価値税)とベーシックインカムよりも、はるかに大きい効果が期待できるものである。【0535】つまり、本処理をヴァーチャルカレンシー供給システムに加えることで、構築するヴァーチャルマーケットの利用者は、利用者相互に行う経済活動に参加する権利を保障され、消費活動を盛んにするという効果を奏する。
なお、ここでの説明は、事業会員から個人会員へのヴァーチャルカレンシーの移転処理について説明したわけだが、技術としては、上記説明に限るものではなく、「ある第二の利用者から消費税の名目で徴収したヴァーチャルカレンシーを、ある第二の利用者に対して供給する処理」であることから、ベーシックインカムアルゴリズムは、ヴァーチャルマーケットに供給するヴァーチャルカレンシーの、評価に基づく利用者へ付与アルゴリズムの一つの側面であるとしている。このこと(ヴァーチャルカレンシーの供給制御)をもって、運営者は、ヴァーチャルマーケットを制御する力をさらに高めているわけである。【0536】「設定情報」について説明する。
本実施形態でのメディアマーケットを含むヴァーチャルマーケットを流通するヴァーチャルカレンシーの制御については、あらかじめ運営者によって定められた設定情報に基づいて制御される態様になっている。そして、設定情報は、運営者によっていつでも更新することが可能であり、運営者は、ヴァーチャルマーケットを制御すべく、ヴァーチャルカレンシーの流通を、設定情報を更新することで制御することができるようにしている。【0537】設定情報には、第二の利用者による第一消費活動における消費ヴァーチャルカレンシー量(第一消費価格)の設定がある。運営者は、例えば、ある主体群におけるパンの価格を1にするか10にするか、または100にするか決定する。そして、決定したパンの価格に基づき、その他の商品の価格を、バランスをとって決定してゆく。さらに、購買力の異なる主体群についても、先の主体群の価格とバランスを考えてそれぞれ決定してゆく。これが、第一消費価格の設定である。先のパンの価格が、米ドル換算で1ドルの時、パンの第一消費価格を1としてその他の第一消費価格をバランスさせた場合には、ヴァーチャルカレンシーの単価は、米ドルの単価と同じような量的価値感覚をもってヴァーチャルマーケット全体を流通するヴァーチャルカレンシー供給アルゴリズムが働き、パンの第一消費価格を100としてその他の第一消費価格をバランスさせた場合には、ヴァーチャルカレンシーの単価は、日本円の単価と同じような量的価値感覚をもってヴァーチャルマーケット全体を流通するヴァーチャルカレンシー供給アルゴリズムが働くようになる。【0538】つまり、第一消費価格の決定は、絶対的な価値を決める行為ではなく、その他の第一消費価格との相対的な価値をきめる行為となり、運営者は、ヴァーチャルマーケットの第一消費活動が全体として、より活性化するように第一消費価格の値をバランスさせるものであり、運営者が第一消費価格を全体的に上昇させるよう設定情報を更新してヴァーチャルカレンシーの流通総量が上昇したからと言って、いわゆる米ドルベースのGDPが上昇するわけではなく、ヴァーチャルカレンシーの単価が減少するメカニズムが存在するということである。【0539】さらに、クリプトカレンシーを決済手段に用いる態様のヴァーチャルマーケットであれば、クリプトカレンシーの単価はヴァーチャルカレンシーの単価に近づくアルゴリズムが働くわけであるから、パンの第一消費価格の設定情報の値の量的価値感覚をもってクリプトカレンシーは実社会を流通することになる。つまり、設定情報の基礎は、第一消費価格の設定ということになる。なお、ここで決定づけられたヴァーチャルカレンシーの単価の感覚をもって、アソシエイツは、有償コンテンツの提供価格を自らで決定して、第二の利用者に対して第二消費活動を促すことになる。【0540】また、設定情報には、アソシエイツ(の側面)による無償コンテンツ提供に対するその他の利用者からの評価値を算出するための設定がある。運営者は、例えば、ある無償コンテンツに対するコンテンツ提供者以外の利用者のコンテンツ取得状況における行為ごとの評価、例えば閲覧時間1秒ごとの評価を1にするか10にするか、または100にするか決定する。そして、決定した閲覧時間1秒の評価の値に基づき、その他の評価を、バランスをとって決定してゆく。これが、アソシエイツにヴァーチャルカレンシーを付与する量をアソシエイツごとにどのようにバランスさせるかを決定づける評価の設定である。【0541】なお、ヴァーチャルカレンシーのアソシエイツに付与する量の総量(供給総量)は、新規供給総量調整アルゴリズムによって制御されており、供給総量に運営者が手を加えることはできないようにしていることから、評価の設定については、第一消費価格の価格バランスの設定と同様に、アソシエイツに対する評価バランスの設定であり、アソシエイツに対するヴァーチャルカレンシーの付与バランスの設定ということである。運営者は、アソシエイツの提供する無償コンテンツの質及び量が向上するように評価の値をバランスさせるよう設定情報を更新するものである。【0542】また、設定情報には、第二の利用者による第一消費価格を割り引く、及び又はベーシックインカムの配分割合を決定するための、第二の利用者に対する評価値を算出する基礎になる評価の設定がある。運営者は、例えば、第二の利用者に期待する行為が、いいね!や☆3つ等の意図的評価の推進である場合に、所定期間における意図的評価の回数が何回であったかに基づき、評価値を算出するべく意図的評価ごとに、例えば、いいね!1回につき1であるとか、☆評価1回につき2であるとか、若しくは、自身のコメントに対する他者からの5段階☆換算の意図的評価が中心値からどれだけ離れている、つまり1,2,3,4,5の5段階の☆評価があったとき、中心値の3を0として、1は―2、2は―1、4は+1、5は+2として、全☆評価を合算し、合計値に基づき評価値を算出しても良い。【0543】こうすることで、運営者の制御力を、アソシエイツたる第一の利用者(の側面)に対する制御力のほかに、第二の利用者(の側面)に対する制御力にまで拡張することができるようになり、ヴァーチャルマーケットの制御力を高める呼応化を発揮するようになる。
なお、設定情報については、本明細書に記載した設定のみに限らず、運営者は、どのような設定情報でも更新することができ、状況に応じてヴァーチャルマーケットの価値がより大きくなるように設定情報を更新するものである。【0544】このようなことから、設定情報の更新作業は、運営者の行う重要な役割であるが、この、更新する設定情報の最適解を導出するために、強化学習機能等の人工知能機能を運営者端末に実装する(AIサーバを設置する)ことによって実現させてもよい。
この場合に、AIサーバにおける入力処理は次のとおりである。
(1)利用者の利用行為を評価する評価部が取得(利用者端末から取得)する利用者の利用行為データの取得
(2)ヴァーチャルカレンシー通帳データベースに記憶されるヴァーチャルカレンシーの流通データの取得
(3)システム現金(又はクリプトカレンシー)通帳に記憶される法定通貨またはクリプトカレンシーの移動データの取得
(4)取引所で取引されるヴァーチャルカレンシーおよび法定通貨またはクリプトカレンシーの買い注文、売り注文および約定データの取得
そして、AIサーバにおけるAIの出力データは次のとおりである。
(1)設定情報の更新【0545】なお、AIサーバにおけるAIの特徴的役割(中間処理)は次のとおりである。
(1)入力処理により回収するビッグデータから、各種設定情報の最適解を導出し、導出した設定情報に更新する。
(2)設定情報が更新された状態から、さらにビッグデータを回収し、新たな各種設定情報の最適解を導出し、設定情報を更新する。
つまり、ヴァーチャルカレンシー供給システムと接続されるAIサーバは、常に、ヴァーチャルマーケットからビッグデータを回収し続けることができ、設定情報の更新によるマーケットの影響という、出力処理の効果を検証することもできるものである。【0546】こうすることで、AIサーバは、学習し続けることができるようになり、適切な設定情報に適宜更新することが可能となり、ヴァーチャルカレンシーの効果的な流通およびヴァーチャルマーケットの効果的発展に寄与することになる。
なお、各種設定情報の最適解は、ヴァーチャルマーケットの価値が最大化することを目的として導出されるわけだが、この「ヴァーチャルマーケットの価値が最大化すること」をどのようにしてAIサーバに認識させるかについては、「利用者の利用時間」、及び「ヴァーチャルマーケットの経済規模」が、それぞれ大きくなることが、より配点が高くなるというスコア方式を用いる。【0547】「技術的根幹部分」について説明する。
第一の利用者によってメディアマーケット等のヴァーチャルマーケットに無償提供された情報(無償コンテンツ)を取得した第二の利用者の無償提供情報(無償コンテンツ)に対する評価に基づくヴァーチャルカレンシーのヴァーチャルマーケット内への生成及び当該第一の利用者に対する当該ヴァーチャルカレンシーの付与については、ヴァーチャルマーケットをヴァーチャルカレンシーが流通するにおいてヴァーチャルカレンシーの経済的価値が一定になるようアルゴリズムを実装している。
これは、第一の利用者(の提供した情報)に対するヴァーチャルカレンシーの付与を決定づける基礎になる、第二の利用者の第一の利用者(の提供した情報)に対する評価について、ヴァーチャルマーケット全体を通して、第二の利用者のヴァーチャルカレンシーの欲する度合い(つまりマーケットにおける消費需要の度合い)を取引所での取引情報をモニタリングすることによって、第一の利用者に付与するヴァーチャルカレンシーの量を増加させたり減少させたりすることをもって実現している。【0548】また、第二の利用者が第一の利用者(の提供した情報)をどのように評価しているかを定量化(例えば、全体を100として個々のアソシエイツごとにどの程度の評価を受けたか等を算出)して、個々、又は所定期間の定量化された評価に基づいて、当該第一の利用者に対するヴァーチャルカレンシーの生成量及び付与量を決定づける基礎になる、各種のアルゴリズムは、運営者が設定情報を更新することによって、どのようにでも変更できるようになっている。
このことから、ヴァーチャルマーケットへのヴァーチャルカレンシーの供給量は、需要により決定され、運営者は、第一の利用者へのヴァーチャルカレンシーの付与量のバランス(配分率)を調整すべく、設定情報を更新することによってヴァーチャルマーケットを制御するものとしている。【0549】最後に、本実施形態での核は、ヴァーチャルカレンシーというリアルマーケットにおける通貨のような存在を、自らが構築するヴァーチャルマーケットに供給するシステムにあり、これを、効果的に流通させるための各種アルゴリズムの付加的実装である。
そして、この技術的目的を端的に表現すると、結局のところ、「ヴァーチャルマーケットを流通するヴァーチャルカレンシーの総価値を上昇させること」となる。【0550】つまり、ヴァーチャルカレンシー供給システムのすべてのアルゴリズムのプロセスとしての目標点は、ヴァーチャルカレンシーの流通総価値(量×単価)の上昇であり、無償コンテンツの質及び量の上昇であり、評価総量の上昇であり、需要の上昇であり、消費活動の上昇であり、これらを効果的に行うための、供給バランスの調整を目的とした各種の供給アルゴリズムであり、設定情報の更新である。こうすることで、構築するヴァーチャルマーケットを効果的に制御することができるようになるわけである。【0551】上述した各実施形態は、「無償コンテンツ」という「情報」(誰かにとっての価値)が、発信する「アソシエイツ」のアカウントを持つユーザの「情報発信端末装置」(第一実施形態における端末装置7、第三実施形態における情報提供端末1、第四実施形態における利用者端末30)から、取得する「事業者」又は「個人」のアカウントを持つユーザの「情報取得端末装置」(第一実施形態における端末装置7、第三実施形態における情報利用端末2、第四実施形態における利用者端末30)に移転したときの、移転した価値の量を定量化させるための情報流通サーバ装置6による無償コンテンツ及びアソシエイツに対する評価値の算出処理(総移転価値量のうちの配分割合の算出処理)があって、
さらに、情報流通サーバ装置6によって算出された個々の「アソシエイツ」に対してどれだけの数量のシステム内通貨Lという「価値交換媒体」を生成及び発行するかの算出された評価値に対する情報流通サーバ装置6による係数乗算処理(その他の資産と交換可能な「価値交換媒体」の、情報交換マーケットにおける需給バランスを均衡化させ、価値の尺度に用いることができるようにしつつ、円滑に流通させるための新規発行量の調整処理)という発行数量決定処理があって、
さらに、情報流通サーバ装置6によって「アソシエイツ」に発行された「価値交換媒体」を情報交換マーケット内で流通させるための、「価値交換媒体」の移転を記録する情報流通サーバ装置6による移転記録処理があって、
そうして、「価値交換媒体」をユーザのアカウントに紐づけて管理するプロセスをもって、情報交換マーケットにおける情報流通サーバ装置6による価値交換媒体生成発行流通方法を開示する。【0552】つまり、上述した各実施形態は、ユーザからユーザに移転する無償の価値に含まれている経済的価値を抽出及び配分する技術であって、さらに、抽出及び配分された経済的価値に応じた数量の価値交換媒体を生成及び発行並びに流通させる技術を開示する。こうすることで、情報流通サーバ装置6は、経済的価値の乗じた価値交換媒体たる「貨幣」を情報交換マーケットにおいて生成及び発行並びに流通させることができるようになる。このようなことから、上述した各実施形態は、「情報流通方法、装置、システム、及びプログラム」であって、同時に「貨幣流通方法、装置、システム、及びプログラム」である。これら2つの流通方法を同調させることによって、従来技術に対する効果性を発揮させることができる。いわば、第一実施形態及び第二実施形態におけるシステム内通貨L、第三実施形態及び第四実施形態におけるポイント、並びに第五実施形態におけるヴァーチャルカレンシーと称する「価値交換媒体」は、「情報交換媒体」と同義であると言える。上述した実施形態における情報流通システムと貨幣流通システムとは、情報流通サーバ装置6の機能部の処理によって表裏一体として機能し、効率的な貨幣流通をもって情報流通を促進させ、価値ある情報交換マーケットを築くことが可能になる技術の開示である。【0553】表現を変えると、上述した各実施形態は、右から左に移動した無償の情報に含まれる経済的価値を、価値交換媒体に変異させ左から右に生成及び発行し、さらにそこから価値交換媒体をユーザ間で流通させる技術を開示する。上述した各実施形態は、情報と貨幣とを同時に流通させる技術に関する。【0554】以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。例えば、情報流通システム600が有する機能の一部と、ポイント管理システムS1が有する機能の一部と、ポイント管理システムS2が有する機能の一部とを組み合わせてもよい。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。【符号の説明】
【0555】S1…ポイント管理システム
S2…ポイント管理システム
1…情報提供端末
2…情報利用端末
3…ポイント管理サーバ
31…通信部
32…記憶部
33…制御部
41…管理部
42…順位決定部
43…情報提供部
411…行動監視部
412…第一ポイント付与部
413…第二ポイント付与部
414…キャンペーンポイント付与部
415…ポイント消費量変動部
416…ポイント消滅処理部
417…手数料徴収部
418…奨励金支給部
10…ポイント管理サーバ
110…CPU、111…ROM、112…RAM、113…記憶装置、114…通信制御装置、115…バス
120…通信部
130…制御部
131…設定情報更新部
132…認証部
133…ポイント消費部
134…ポイント還元部
135…要求処理部、135a…閲覧処理部、135b…検索処理部、135c…ウェブページ更新処理部、135d…投稿処理部、135e…ポイント譲渡処理部、135f…評価処理部
136…評価値記録部
137…特典指標値算出部
138…特典付与部、138a…第一ポイント付与部、138b…表示情報選出部、138c…表示順位決定部、138d…第二ポイント付与部、138e…奨励金支給部、138f…割引率算出部
139…入金処理部
140…記憶部、141…利用者情報記憶部、142…設定情報記憶部、143…評価履歴記憶部、144…ポイント履歴記憶部、145…預入金履歴記憶部、146…ウェブページ情報等記憶部
20…運営者端末
30…利用者端末
40…金融機関のサーバ
50…通信ネットワーク
600…情報流通システム
6…情報流通サーバ装置
60…制御部
61…記憶部
62…通信部
63…記憶装置
6A…管理部
6B…通貨発行部
6C…通貨制御部
6D…取引処理部
6E…価値連動部
601…利用要求受付部、602…取得要求受付部、603…消費記録部、604…第1移転記録部、605…第2移転記録部、606…算出部、607…決定部、608…価値制御部、609…補正部、610…評価補正部、611…消費量決定部、612…更新受付部、613…売買受付部、614…交換受付部
7…端末装置
70…制御部
71…記憶部
72…通信部
73…表示部
74…操作部
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